アメリカの春を楽しもうSt Patrick’s Day とイースター

アメリカ

アメリカの春は、カラフルな彩りで幕を開けます。

3月には、まだ日本では馴染みの薄い「St. Patrick’s Day(聖パトリックの祝日)」、そして、4月には、日本でも広まりつつある「イースター(復活祭)」が祝われ、それぞれのイメージカラーが街を飾ります。

この記事では、2つのイベントの由来や、現地での楽しみ方をご紹介します!

St. Patrick’s day とは?

2月から3月にかけて、アメリカの街角では「緑色」がひときわ目につきます。

これは、草花の新芽が出ているから…だけではなく、3月17日の「St. Patrick’s day(セイント・パトリックス・デイ:聖パトリックの祝日)」に向けた、緑色の飾り付けや商品が並んでいるため。

この緑を見ると、「ああ、春が近づいてきたな」と感じる人も多いのだそうです。

 

聖パトリック(パトリキウス)は、アイルランドにキリスト教を広めた司教です。

三つ葉の草(シャムロック)を手に、カトリック教会などで重視されている「三位一体」の教えを説いて回ったため、三つ葉と緑色が彼のシンボルとなりました。

St. Patrick’s day として祝われている3月17日は、この聖パトリックの命日に当たります。

アメリカで大規模に St. Patrick’s day が祝われているのは、もともとアメリカにアイルランド系移民が多かったからなのだとか。

同じく、アイルランド系移民の多いオーストラリア、ニュージーランドなどでも、賑やかなパレードなどが行われます。

 

緑色を身につけて楽しむ日

現在の St. Patrick’s day は、アイルランド系移民やキリスト教徒以外の人々にもすっかり浸透しています。

楽しみ方の基本は、三つ葉のモチーフや緑色のものを身に着けること。そのため、St. Patrick’s day 前の1ヶ月ほどは、お店に緑のグッズがずらりと並びます。

子どもの中では、「3月17日に緑の服を着ていない人をつねる/つつく」という遊びもあるそうです。

SNSにも、この日は緑のアイテムを活かしたファッションの写真が並びます。

また、St. Patrick’s day には、お菓子に緑色のアイシングでデコレーションをする、キャベツを食べるなど、食べ物にも「緑」を取り入れます。

バーやパブでは、なんと、緑色に色付けしたビールを出すところも! 初めて見るとギョッとしますが、実際に飲んだ人に聞くと、お味は美味しいビール(アイリッシュラガー)だということです。

ちなみに、イリノイ州シカゴでは、シカゴ川にグリーンの色素を流して緑色に染めてしまう、「River Dyeing」(直訳すると「川染め」)なるイベントが毎年行われているそうです。

ちょっと怖いような気もしますが、たった数時間だけ川の色が変わる様子はまさに圧巻!とのこと。

近年は、当初使っていた色素(入浴剤にも使われるもの)から、さらに環境に優しい色素に切り替え、使用量も抑えているのだそうです。

 

イースター(復活祭)とは?

さて、街が緑に染まる St. Patrick’s day が終わると、店頭や家々の飾りつけは、次第にソフトなパステルカラーに変わっていきます。

これは、テーマパークのイベントなどを通じて、日本でも少しずつ知られるようになってきた「イースター(Easter)」のためのもの。

イースターの日は「春分の日以降、最初に訪れる満月の後の日曜日」。年により日付は変わりますが、必ず日曜日になるのが特徴です。

アメリカでは、イースターの日曜日は家族で一緒に過ごす、と決めている人も多いようです。

春の祝日ということで、イースターに「優しい」、「かわいらしい」というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、本来のイースターは、十字架にかけられたイエス・キリストの復活を記念するお祭りです。

この後で紹介するように、イースターの飾りつけも、もともとは命や復活のイメージにちなんでいます。

 

復活の象徴、イースターエッグ

アメリカでイースターの重要なモチーフとされているのは、卵です。

卵は、新しい命と「復活」の象徴。十字架にかけられながらも蘇ったキリストの姿を、静かで動かないながらも、内に命を宿している卵になぞらえているようです。

そこから転じて、卵から生まれるひよこも、同じく復活の象徴となったのだとか。

また、ヨーロッパのキリスト教文化圏の中には、復活祭前の期間に肉や乳製品、卵など、動物に由来する食材を食べることを禁じる伝統もあるそうです。

禁忌が明けるイースターの日に、卵などをたっぷりと使ったごちそうを食べていた習慣が、形を変えて残っているのかもしれません。

アメリカでは、子どもたちがゆで卵の殻を絵の具でペイントし、「イースターエッグ(Easter egg)」を作る習慣があります。

できあがったイースターエッグは、大人が庭や公園などに隠し、それを子どもたちが探します。この遊びは「エッグハント(egg hunt)」と呼ばれていて、イースターの恒例行事にもなっています。

 

卵を運ぶ、イースターバニー

アメリカのイースターでは、うさぎ(イースターバニー)も大きな役割を持っています。

たくさんの子どもを産むうさぎは、豊かな実りや繁栄の象徴。

かつて、ドイツの一部では、「復活祭の時期に、子どもたちが良い子にしていたかどうかを野うさぎが判断して、卵やお菓子、おもちゃを持ってくる」という、サンタクロースのような伝承があったのだとか。

こうした伝承は移民を通じてアメリカにも伝えられ、少しずつ浸透していきました。

もともとは「復活祭の野うさぎ(Easter hare)」と呼ばれていましたが、いつしか、野うさぎよりも身近で可愛らしい「うさちゃん(bunny:バニー)」に変わったようです。

イースターバニーは、かごに入れたイースターエッグを運んできてくれる存在として、お菓子のパッケージ、ぬいぐるみ、着ぐるみなど、いろいろな形で街中に登場します。

 

まとめ

St. Patrick’s day とイースター、どちらも、春らしい色づかいで街が明るくなるイベントです。

アメリカらしい春の風物詩を、ぜひ、現地で楽しんでみてください!

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