米国生活の必需品?アメリカでのCheck(小切手)の使い方やVoid checkの意味

アメリカ

アメリカ在住のライターです。渡米した時に驚いたことの1つが、「check(小切手)」を使う機会が多いこと。賃貸住宅の入居手続きに始まり、公共料金の支払い、医療費の支払い、自動車の車両登録…など、これまでさまざまな場面で、check での支払いを求められてきました。

そこでこの記事では、お仕事や留学でこれから渡米される皆さんに向けて、アメリカ生活に必須の check の使い方をご紹介します。

小切手(check)を使う場面

日本にいると、見かける機会自体が少ない小切手。

しかし、アメリカでは日常生活のさまざまな場面で、「check(小切手)」での支払いを求められることがあります。

下に、代表的な例をいくつか挙げてみます。

  • 賃貸物件入居時の手付金
  • 家賃(特に、個人の大家による賃貸の場合)
  • 公共料金
  • 陸運局(DMV)への自動車登録手数料、更新料
  • 医療費(診療当日に支払うのではなく、後日、自宅に請求書が届く)
  • 自治体や学校などへの手数料

クレジットカード払いや銀行口座からの引き落としができる場合もありますが、まだまだ check 文化は根強い様子。

郵便でも送れること、(銀行口座に残額がある限り)高額の送金も可能なことから、ビジネスだけでなく、個人間でのお金のやり取りにも使われています。

また、

  • 給与受取口座を雇用主に伝える場合
  • 自分の銀行口座番号を確認する場合

にも、check を使うことができます(後ほど「Void check」の項目でご説明します)。

 

Check の使い方

Check は、アメリカで銀行口座を開設すると発行してもらうことができます。

口座の種類により、無料で何枚でも発行してもらえる場合、最初の数枚だけ無料の場合などがありますが、一般的には、「checkbook(小切手帳)」と呼ばれる、束になった状態のcheckを受け取る場合が多いかと思います。

束になった check(checkbook:小切手帳)の箱。Check を追加発行するための連絡先が書かれています。

お財布に数枚入れておくと、いざという時に便利です。

では、check の券面に何が印刷されているのか、どの欄に何を書くのかを、写真を見ながら確認していきましょう。

写真の赤枠部分(下の表の★印)が、自分で記入する部分です。

1)口座名義人/支払い者の氏名、住所印刷済みのため記入不要
2)★日付月/日/年の順に記入(例:01/31/2017)
3) ★支払先の名前(+住所)請求書などに記載されている内容に従う
4)★金額2ヶ所に異なる形式で記入(後述)
5)★品目省略する場合も(後述)
6)★サイン
7)口座番号等印刷済み
8)※裏面:Endorsement(裏書き)欄※主に、小切手を受け取った相手が使用(後述)

左上(1)には、銀行に登録してあるあなたの名前と住所が印刷されています。

2)には、記入当日の日付を書きます。書き方は「月/日/年」。例えば、2017年1月31日なら「01/31/2017」です。

3)の支払先欄の横には「Pay to the order of」と書かれているはずです。ここに続ける形で、支払先の名前や住所を書きます。

家賃であれば大家さんの名前を、公共料金や医療費の支払であれば、請求書に印刷されている支払先(「Make checks payable to:(支払先名、住所)」といった形で載っています)を記入しましょう。

4)の金額欄には、注意が必要です。

「$」マークの書かれている欄には、普段通りに数字で金額を記入すれば良いのですが、その下にある「_____ dollars」という欄には、「英字+分数」で記入します。

「$43.21」であれば、「Forty-three and 21/100」、

「$123.45」であれば、「One hundred and twenty-three and 45/100」です。

2種類の書き方をすることで、金額の読み間違いを防いでいます。

5)の品目欄には「For」と書かれています。日本語で言えば、領収証の「但し、○○代として」に近いかもしれません。

支払先から指定があった場合、商品名やサービス名、手数料の名称、請求書番号などを書きます。受験料なら「examination fee」、医療費なら「medical service」など。

支払先からの指定がなければ、この欄は空欄でも構いません。

6)の欄にサインをしなければ、この check は有効になりません。必ず最後に記入しましょう。

ちなみに、小切手の左下(7)には、Routing number(銀行コード)、Account number(口座番号)、Check number(小切手の通し番号)が、特殊な字体で印刷されています。

この3種類の番号のうち、左から2つ(Routing number、Account number)は、銀行送金でお金を受け取る際に尋ねられる番号です。

誰かから銀行振込でお金を受け取る機会があれば、手元の check を見て、これらの番号を確認しましょう。

8)の「Endorsement(裏書き)」欄は、check の裏面にあります。この欄は、主に受取人がサインする時に使います。

また、支払先から指定があった場合には、1行目に請求書番号(invoice number)や顧客番号(customer ID/customer account number)などを記入した状態で、相手に check を渡すこともあります。

受取人がサインする時に邪魔にならないよう、こうした書き込みは1行に収まるようにしましょう。「Number」という言葉は「#」の1文字で置き換えることができます。

もし、check を途中で書き間違えてしまったら、券面に大きく「VOID」と書くことで、無効化することができます。

 

Check を受け取ったら?

続いて、自分が check を受け取った場合の手続きを知っておきましょう。

返金(refund/reimbursement)や税の還付(tax return)などで、check が送られてくる場合があります。

こうした check で支払いを受けるための手続きは、銀行の窓口、もしくは銀行ATMで行うことができます。

公的機関から送られてくる check の場合、「deposit only」という指定がされていることが多いです。

これは、現金の形でお金を受け取ることはできず、銀行口座に入金(deposit)する形でしか、支払いを受けられないというもの。

受取人として指定されている人の口座にしか入金できないため、万が一盗まれても悪用を防ぐことができます。

窓口で入金手続きをする場合には、「deposit slip」という小さな用紙に記入します。

「List checks singly」(小切手を1つずつ列記)と書かれた欄がありますので、そこに受け取ったcheckの金額を書き込みます(金額の隣に、券面右上のcheck numberを書く場合も)。複数枚のcheckがある場合には、1枚ずつ行を改めます。

窓口担当者に deposit slip を渡し、サインを促されたら、check 裏面の8)endorsement 欄にサインを入れ、入金依頼は完了です。

その場で口座に入金が行われ、入金明細を受け取れるはずです。

 

ATMの場合には、裏面の8)endorsement 欄にサインした状態の check をATMに持参します。

銀行のカードをATMに入れ、暗証番号を入れたら「Deposit」(※銀行によって多少異なります。以下同様)のメニューを選びます。

続いて、「Deposit with check」(小切手で入金)を選んだら、画面の指示に従って、check をATMの指定の入り口に差し込みます。

これだけ?と不安になるかもしれませんが、check は無事に回収されるはずです。

ATM操作から1日〜数日後には check の処理が完了し、自分の口座に check の額面が振り込まれます。

 

「Void check」とは

最後に、check のちょっと違った使い方についてご紹介します。

アメリカで暮らしていると、時々「『void check(ヴォイド・チェック)』を提出して欲しい」と言われることがあります。

この「void check」とは、自分では何も記入していない check に、大きく「VOID」と書いたものです。(書き損じのチェックを無効化する時と、同じやり方です)

給与振込などの手続きに使う、「void check」(無効化したcheck)。銀行口座の情報を相手に伝えることができます。

Void check は、誰かにお金を払うときではなく、お金を受け取る(正確には、銀行口座に振り込んでもらう)時に使います。

あなたに対して銀行送金でお金を送りたい人に、void check を渡すと、相手がそれを見て、銀行送金に必要な Routing number と口座番号(Account number)、そして氏名・住所を確認します。

「VOID」の文字により、checkとしての機能は無効化されていて、これを使って相手がお金を受け取ることはできません。

給与の銀行振込の手続きの時に、雇用主から求められることが多いようです。

実際に void check を出す機会は少ないかもしれませんが、「VOID」と書くだけで簡単ですので、覚えておいて損はないと思います。

 

まとめ

初めて check を書く時には緊張するかもしれませんが、画像を見ながら練習しておけばきっと大丈夫です。

もし間違えたら、大きく「VOID」と書いて無効化しましょう。皆さんのアメリカ生活が順調にスタートしますように!

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