カリフォルニア州は、米国内ワイン生産量の80%以上を占める、アメリカ随一のワイン産地です。
北部のナパやソノマが有名ですが、近年では南カリフォルニアでもワイン作りが盛んです。
今回ご紹介するテメキュラは、牧畜を中心産業としてきた小さな町。ここ数十年で、ワイン造りを目指す人々が移住し、個性豊かなワイナリーが開かれました。この記事では、ワイン初心者も気軽に楽しめる、ワイナリー巡りのポイントをご紹介します。
ワイナリーで昼食を
テメキュラのワイナリーが集中する、「Rancho California Road」。この日はお天気がすぐれませんでしたが、晴れていれば、ぶどう・柑橘類・オリーブの畑が、輝くような緑色を見せてくれます。
テメキュラまでは、ロサンゼルスやサンディエゴなどの観光拠点から、車で約60〜90分。寄り道しながら移動すれば、現地に到着する頃にはちょうどお昼時です。まずはランチで腹ごしらえをして、ワイナリー巡りや観光を楽しみましょう。
家族でわいわい:Ponte Winery
広い敷地がきれいに整備されたワイナリー。屋外のレストラン「The Smokehouse」で食べるランチは量も十分で、家族連れや大きめのグループにも人気です。
チーズ・ジャム・パンの盛り合わせは、風味豊かで、お酒を飲まない方にもおすすめ。お子さんのいる家族に人気なのは、窯焼きピザだとか。
屋外で食事をするため、日焼け対策・防寒対策は入念に。小さなお子さんがいる方は、食後に庭園を散歩するのも楽しいかもしれません。広々としたテイスティングルーム内にはお土産売り場もあり、ワインをテーマにした観光センターといった雰囲気も。
レストランの営業時間は11:00〜16:00、ワイナリー本体は10:00〜17:00の営業です。
「Ponte Winery」のレストランにて。秋冬シーズンのサイドディッシュには、イチジクやリンゴなど、季節の果物を使ったジャムが登場しました。穏やかなランチタイム:Faulkner Winery
丘の上にある、家族経営のワイナリー。併設された、眺めの良いレストラン「Pinnacle Restaurant」で、美味しい食事を楽しめます。
パンと一緒に出されるオリーブオイルは、ワインビネガーやハーブがブレンドされた深みのある味。肉料理、パスタ、シーフードなどは、主張しすぎない適度な味付けで、日本から来た方の口にもよく合います。食事と一緒に味わうボトルワインは、単独で購入する場合よりも割引に(2015年現在)。もちろん、ボトルに残った分は持ち帰れます。
レストラン内は広々としているため、一旦、席に着いてしまえば、ゆったりとした時間を過ごすことができます。泊まりがけのテメキュラ観光を締めくくるのにもおすすめです。
レストランの営業時間は11:30〜15:30、ワイナリー本体は10:00〜17:00の営業です。
「Faulkner Winery」に併設された、眺めの良いレストラン「Pinnacle Restaurant」。テーブル間の間隔も十分で、落ち着いた時間を過ごせます。
ワイナリー巡りとテイスティング
テメキュラのワイナリーは、糸杉の並木がある「Rancho California Road」沿いと、その近辺エリアに点在しています。数十のワイナリーが、比較的小さなエリアにまとまっているため、気ままに車を走らせ、目に留まったワイナリーに立ち寄るという楽しみ方もできます。
ほとんどのテイスティングルームでは、料金を支払って回数券やスタンプカードを受け取り、好きなワインを1種類試すごとに、回数券を渡す/スタンプを押してもらう、というシステムをとっています。中には「Tasting Flight(テイスティング・フライト)」として、決まったワインのセットを提供しているところも。
小さなワイナリーでは、まず、先方のおすすめをいただいてみましょう。個性の強いワインに出会って、嬉しい衝撃を受けることも。作り手の方が、直接ワインを紹介してくれるかもしれません。
一方、多くの種類を取り揃えている大きめのワイナリーでは、自分の好み(赤/白、甘口/辛口 など)を伝え、それに合ったタイプから試すと良いかもしれません。
なお、ワイナリーによっては、小さな試飲用のグラスをお土産にもらえるプランがあります。ホームページや、テイスティングルーム内のメニュー表に「$15 for 6 tastes with a take-home glass(テイスティング6回に、持ち帰り用グラス付きで15ドル)」などと書いてありますので、ご参考に。
テイスティングルームは立ち飲みのところがほとんどですが、テメキュラ最古の商業ワイナリー「Bella Vista Winery」、宿泊施設を備えた「Carter Estate Winery and Resort」、スパークリングワインが有名な「Thornton Winery」など、テーブルやバーカウンターで味わえるテイスティングルームもあります。
ぶどう畑に囲まれて眠る
ロサンゼルスとサンディエゴの中間地点近くに位置するテメキュラは、両都市の移動途中に立ち寄るのにも便利な観光地です。数時間の滞在でも、テイスティングやワイン購入を楽しむことはできますが、せっかくなら、日が沈んだ後のワイナリーに宿泊して、夜の静けさをゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
静寂の中のプライベートルーム:Carter Estate Winery and Resort
平屋建ての静かな宿泊棟が魅力の「Carter Estate Winery and Resort」。椅子に座れるテイスティングルームは、18:00まで開いていて、ワイナリー巡りの締めくくりにもぴったり。
2015年に新たに開業した、Rancho California Road の中央部に位置するワイナリーです。宿泊エリアは専用ゲートの先にあり、落ち着いた時間を過ごすことができます。
客室はすべて、1階建ての平屋建て。1棟を丸ごと使う独立タイプの部屋と、玄関ホールを2部屋で共有する、半独立タイプの部屋があります。ぶどう畑に面したパティオが全室にあり、部屋の向きによって、朝日、もしくは夕日に照らされた木々を眺めることができます。
高級感のある内装と、窓の外に広がる静かな景色に、コストパフォーマンスの高さを実感します。広いバスタブ付きのお風呂で、シャワーが別になっていることも、日本人にとっては見逃せないポイントです。
可愛らしさに気分が高揚:Ponte Winery
家族連れにも人気の「Ponte Winery」。レストラン入り口では、イタリア国旗、アメリカ国旗、カリフォルニア州旗がお出迎え。
ランチの項目でもご紹介したワイナリー。2階建ての宿泊棟は、ベージュやブラウンを基調とした客室と、バーやレストランなどを備えた充実の空間です。「ロクシタン」のアメニティや、優雅な作りの庭園などがあり、女性から特に人気だとか。
こちらのワイナリーは、軽くて飲みやすい味のワインが中心なので、食事時に楽しむにはぴったりです。レストランやバーは、多少お値段が張りますが、夕食を同じ建物内で楽しめるのは大きな魅力(テメキュラのワイナリーエリアから、夜間に食事のできる飲食店までは、車で10分ほどかかります)。バランスの良い味と盛り付けで、特別な日の滞在にもぴったりのディナーが楽しめます。
覚えておきたいポイント
テメキュラへの旅は、同じカリフォルニア州内の、ロサンゼルスまたはサンディエゴを拠点にするのが便利です。
自家用車/レンタカーを使うか、旅行会社が提供しているワイナリーツアーなどに申し込みましょう。日本の旅行会社でも、ロサンゼルス発の現地ツアーを用意しているようです。
ロサンゼルスからテメキュラまでは、高速道路「I-10 East」と「I-15 South」を利用して約90分。サンディエゴからは、高速道路「I-15 North」を利用して約60分。高速道路はいずれも無料です。
なお、テメキュラのあるカリフォルニア州で、自動車等の運転時に許容されている血中アルコール濃度は0.08%未満です。たとえ基準の範囲内でも、現地での運転に慣れていない方には、お酒を飲んでの運転はおすすめできません。お酒を飲まないドライバーを決める、現地で一泊するなど、無理のないプランを心がけましょう。
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