谷町九丁目の少し北に位置する高津宮(たかつのみや)。
仁徳天皇が祀られている由緒ある神社です。ここは上方落語の「高津の富」などの舞台にもなっていることから芸能関係の参拝者が多く、今でも落語会や太鼓、雅楽などのイベントが定期的に開催されています。
北側の表参道から進んで行きましょう。
ここには梅の橋(右)、献梅碑、梅乃井という梅にまつわる石造物が残っています。かつては梅の名所であったことがうかがえますが、現在では、桜の名所として楽しまれています。その昔、梅の橋の下には川があり、道頓堀側に合流していたのだとか。
境内には、富亭と縁の深い五代目桂文枝氏の石碑があります。
下は、明治の儒学者 藤沢南岳氏作「勧善歌」の碑。人の道を説いた生活訓が記されています。
こちらが本殿。手水舎で手を清め、お参りをします。
さて、こちらが富亭。一文なしの男が富くじ(今でいう宝くじ)を当ててしまう騒動のお噺「高津の富」は、上方落語の演目として、多くの演者に語られてきました。
月に一度、この富亭では寄席が開かれており、小規模ながらも落語愛好家に長く愛されています。
その隣にあるのが富亭カフェです。緑あふれる境内を眺めながら、ちょっと一息というときにぴったりです。レトロな雰囲気がいいですね。
展望台として使われていた絵馬堂(上)、神輿庫(中)、あざやかな鳥居が目立つ高倉稲荷神社(下)。小さな境内ではありますが、見どころは凝縮されています。
さて、高津宮は高台にあり、境内に入るには階段や坂を上らなければいけません。
上は縁切り坂との別名を持つ西坂。以前まで坂の形状が三曲がり半(三下り半)になっていたことから、悪縁を絶つ坂として知られるようになったのだとか。
そして、下は、逆に縁結びの坂として知られる相合坂。この坂は三角状になっており、左右から上ってきた男女が、頂点で出会うと相性が良いとされているようです。男女の出会いの場、ということで「縁結びパーティー」も定期的に開催されているのですよ。
その他、年間を通じて行われる各種イベントの中でも、とりわけ人気なのが、毎年1月に開催される「とんど祭り」。
ミシュラン星付の居酒屋ながほり、フレンチビストロのLa Tortuga(ラ・トルトゥーガ)、イタリアンのGIOVANOTTO(ジョバノット)、北新地の焼鳥 市松などなど、そうそうたる顔ぶれのレストランが、この高津宮境内に日本一の屋台を出店させます。知る人ぞ知るこのイベントには、毎年各地からグルメファンがこぞって訪れています。
そして、このとんど祭りでは富くじが復活します。お米やレストランでのお食事券などの景品が当たるかも知れませんよ。
高津宮
大阪市中央区高津1丁目1番29号
60-6762-1122
GROVE cafe
それでは、参拝帰りに立ち寄りたいcafeをご紹介します。
GROVE cafe(グローブカフェ)は、高津公園の隣にあり、とても静かで緑が楽しめるカフェレストランです。今回はお昼どきの訪問でしたので、ランチをいただくとします。
11:30のオープンには、もうすでに何組かのウェイティングが見られました。人気のお店なんですね。
ランチはパスタ(1200円)、メイン(1400円)、両方(1800円)の3種。
メインをチョイスしました。この日は「豚肩ロース肉のロティ ムータルドソース」。
まずは前菜・サラダ・パンをブュッフェコーナーに取りに行きます。
厨房手前には、10種類近くの野菜を中心としたビュッフェコーナーが。野菜中心でとてもヘルシーです。ズッキーニのカルパッチョ、丸ごとピーマンのグリル、ピクルス、ジャーマンポテトなど。すべて無農薬か低農薬の野菜や、こだわりの食材・調味料を使用されているようです。味付けもよく、素材の味もきちんと味わえます。好きなものを好きなだけいただけるのが、うれしいですね。
無添加のパンは、そばに置かれたトースターで少し温めていただきます。
メインのロティです。ローストポークですね。ムータルドとはマスタードのこと。肩ロース肉はとても柔らかく、マスタードの粒が見えるブラウンのソースとよく合っています。薄くスライスしてあるので、切りやすく食べやすい。青梗菜が添えられています。
明るい光が差し込み、都会にいることを忘れさせてくれる空間。使用しているカトラリーや箸置きなどを扱う雑貨店も併設されています。帰りに立ち寄りたいですね。
GROVE cafe
大阪市中央区高津1-1-41
06-6765-7000
桜の名所としても知られる高津宮。4月上旬には、70本のソメイヨシノと1本のシダレザクラの開花にあわせたイベントが開催されます。夜には屋台も出店し、夜桜が楽しめることでしょう。
GROVE cafeでも満開の桜を愛でながらのお食事が、毎年の人気となっています。
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