カリフォルニア州の多くの都市で、生活に欠かせないのが車の運転です。
留学や研究のための研修ビザ(F、Jなど)で滞在している人(nonresident alien:非居住外国人)は、日本の免許で運転することも可能ですが、身分証明やいざという時の手続きに備えて、カリフォルニア州の免許があると便利です。
この記事では、カリフォルニア州の運転免許を取得するための、筆記試験の申込・受験についてご紹介します。
筆記試験の申し込み
カリフォルニア州の免許をとるには、早めの準備が肝心。
予約が混み合い、筆記試験が1ヶ月以上先の日時になることもありますので、時間に余裕をもっておきましょう。
(※以下の情報は、すべて2017年2月現在のものです)
まずは、DMV(Department of Motor Vehicles:陸運局)のウェブサイトから、筆記試験の予約を入れます。
予約システムページ(https://www.dmv.ca.gov/portal/dmv/detail/portal/foa/welcome)のメニューの中から「Office Visit Appointment」を選択します。
「Which office would you like to visit?」という欄では、筆記試験を受けるDMVの場所を選びます。
「Map CA DMV offices」というボタンをクリックすると、カリフォルニア州内のDMVの場所を描いた図が表示されます。
次の「How many items would you like to process?」の欄には、「1 item」、「2 items」、「3 items」という3つの選択肢が。
筆記試験を自分1人で受験するだけ、という場合には「1 item」を選びます。
一方、同時に受験したい家族がいる場合、あるいは、自動車関係の他の手続き(車両登録など)も一緒にしたい場合には、人数、または手続きの数に応じて「2 items」、「3 items」を選びましょう。
例えば、夫婦2人で筆記試験を同時に受けるなら「2 items」です。
「Select the reason(s) for your visit.」の欄では、「Apply for an original driver license.」を選択。
「Customer(s) Information」の欄に自分の氏名と電話番号を入力し(同時受験の家族がいる場合は、その下の「Additional Customer(s)」欄に氏名を入力)、「Submit」ボタンをクリックすると、予約日時の選択画面へ移ります。
予約が完了したら、画面に表示される予約日時と確認番号を必ず記録しておきましょう。
申込画面にはメールアドレスを登録する欄がないので、予約確認メールは届きません。
必要書類などの準備
さて、筆記試験を受けるまでの間に、身分証明書などを準備しておきましょう。
必要書類・条件は次の通りです。
氏名、誕生日、アメリカに合法的に入国していることを証明できる書類 | 例)日本のパスポート + 有効なI-94 ※I-94(出入国記録)は、税関・国境警備局の専用サイト(https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home)でダウンロードできます。 |
SSN(Social Security Number) | 当日、申込書類に記入 ※SSNを持っていない方は記載不要 |
カリフォルニア州に住んでいることの証明 | DMVが認める証明文書(※)のうち、2つを持参 ※ 証明として使える書類の例 ・ カリフォルニア州内での住居賃貸契約書 ・ 光熱費の請求書 ・ 携帯電話料金の請求書 ・ 自動車登録書類 ・ 保険関係の書類 ・ 金融機関からの書類 など |
視力 | 20/40 visual acuity(=日本の単位で「視力0.5」に相当)が必要。 裸眼で基準に満たない人は、メガネやコンタクトレンズを着用 |
受験料 | $33:普通免許(class C)の場合 ※ 実技試験(behind-the-wheel test)も含めた料金。実技試験に落ちて再試験になった場合には、$7を追加で支払う ※ 支払い方法は、現金、小切手(check)、小為替(money order)、デビットカード・ATMカード。クレジットカードは利用不可 |
カリフォルニア州に住んでいることの証明書は、2通必要になりますので、早めに準備しておくのがおすすめです。
必要書類や受験料は、DMVのウェブサイトにも紹介されています。受験前に最新情報を確認しておきましょう。
Driver License Requirement Links
Requirements for a California Driver's License - California DMVA California driver’s license (DL) is a card which grants permission to an individual to operate a motor vehicle.
筆記試験の準備1:試験の言語を決めておく
運転免許取得のための筆記試験には、英語版のほか、日本語を含む外国語版もあります。どの言語で受験するかは、試験当日に選ぶことができます。
英語版と日本語版の試験の違いは以下の通りです。
英語版 | 日本語版 | |
受験方法 | コンピューター画面をタッチして回答 | 紙の冊子に書き込んで回答 |
試験問題 | ・文章問題36問 ・36問中、30問以上正解で合格(再試験の場合は33問以上) | ・文章問題36問+標識の意味を答える問題12問 ・48問中、42問以上正解で合格(再試験の場合は45問以上) |
制限時間 | あり(1問につき4分) | なし(終わり次第、窓口に冊子を持参) |
以前は、日本語版の問題文(英語版からの翻訳)が不自然でわかりにくいという難点があったそうですが、2016年に受験した際の問題を見る限り、翻訳の問題はかなり改善されているようでした。
日本語版の試験には制限時間がありませんので、制限時間があると緊張してしまうという方は、日本語版を受験するのがおすすめです。
英語版、日本語版を含む、各国語版の交通ルールハンドブック(California Driver Handbook)は、DMVに冊子が置いてあるほか、DMV のwebサイトでPDF版をダウンロード(※)することもできます。
※メニューから「Driver License」を選択→「Forms and Publications」→「Driver License Handbooks」
筆記試験の準備2:模擬問題を解く
筆記試験では、主に以下のようなタイプの問題が出されます。
問題は、いずれも3択の選択式です。
- 標識の意味を答える問題
- 道路や縁石のペイント(塗装)の意味を答える問題
- 右左折専用レーンの使い方、ライトの使い方など、規則に関する問題
- 違法行為の罰則(罰金額など)を答える問題
- 運転中の特定の状況に対し、その際の対応を答える問題(「○○が起きた場合、あなたはどうすべきか?」など)
- 安全意識に関する問題
効率的な試験勉強の方法は、模擬問題を数問ずつ解きながら、交通ルールハンドブックを参照して、対応する規則を覚えることです。
特に、数値(罰金や刑期、車間距離の規則など)や、道路・縁石のペイントの色と意味などは、知識がなければ答えることが難しいので、しっかりと覚えておきましょう。
英語版の模擬問題は、DMVのウェブサイトに掲載されています。
Sample Driver's License Knowledge Tests - California DMVIf you are preparing to take a knowledge test to get a driver’s license, it can be very helpful to see example questions...
日本語版の模擬問題は、現地の日本人向け電話帳(「羅府テレフォンガイド」)や、自動車学校のウェブサイトに掲載されています。
RISTA DRIVING SCHOOL 筆記問題練習問題集(http://www.ristadrivingschool.com/practicetest/)
当日の流れ1:申込書類(DL44)の記入
DMVの受付には、いつも長い行列ができています。筆記試験当日は、時間に余裕を持ち、早めに現地に到着しましょう。
受付に着いたら、予約時刻と氏名を伝え、運転免許の試験(driver license test)を受けることを伝えます。
受付番号カードと、運転免許証の申込書(DL44)を渡されますので、待ち時間の間に記入します。
DL 44 記入時の注意点は、以下の通りです。
- 髪色(hair color):「black」や「dark brown」など
- 瞳の色(eye color):日本人は、多くの場合「brown」(※black ではない)
- 身長(height):フィート・インチで記入(例:身長160cmなら、約5フィート3インチで、「5’3”」と記入)
- 体重(weight):ポンドで記入(例:体重50kgなら、約110ポンドで、「110 lb」と記入)
- 必要な免許の種類(license needs)は「basic class C」(普通免許の場合)
記載例(sample)が、DMVのウェブサイトに掲載されていますので、参考にしてみてください。
(検索欄に「California DL 44 driver sample」と入力すると、wordファイルのサンプルが出てくるはずです)
「STOP」の文字が出てきたら、そこで記入をやめます。
日付の記入とサインは、窓口職員に書類を確認してもらった後に行います。
当日の流れ2:手続き、視力検査、写真撮影
自分の受付番号が呼ばれたら、該当する窓口に行って手続きを行います。
記入済みのDL44と、必要書類を提出しましょう。ビザの提示を求められることもありますので、パスポートの中のビザの貼付ページを開けるようにしておきましょう。
職員の指示を受けたら、DL44の規定の欄に日付とサインを記入します。
DL44やその他の書類の情報を元に、窓口の職員がデータの登録を進めていきます。
手続き完了前に、書類を印刷したものを見せてくれますので、名前(スペルも要確認)、生年月日、住所など、登録情報に間違いがないか、しっかり確認してください。
窓口では、書類の確認の他、視力検査、指紋登録、料金の支払いを行います。
途中で、試験問題の言語を聞かれるはずですので、「English」、「Japanese」などと、希望を伝えましょう。手続き用の書類に、言語を記載してくれます。
窓口近くのブースで写真撮影を行ったら、筆記試験用の窓口に進みます。
当日の流れ3:受験、実技試験予約
筆記試験は、英語版の場合はコンピューター画面で、日本語版の場合は紙の冊子への書き込みで回答します。
英語版には制限時間が設けられていますが、1問につき4分と、余裕がありますので焦らずに。
日本語版は、回答が終わったら窓口に冊子を持参し、採点を受けます。英語・日本語とも、間違いが6問以内なら合格です!
合格の場合でも、間違いがあれば、正しい答えを確認しておきましょう。
試験に合格すると、仮免許の書類(Instruction Permit)を渡されますので、内容(名前や生年月日など)をよく確認した上でサインします。
この仮免許と、写真の入った photo receipt と呼ばれる書類は、実技試験に合格するまで必要となりますので、必ず保管しておいてください。
筆記試験に合格したら、実技試験の予約を忘れずに。
DMVのウェブサイトの「Office Visit Appointment」メニューから「Behind-the-wheel Test」を選んで予約します。
なお、筆記試験合格当日は、受験情報がデータベースにまだ登録されていないことがあります。その場合は、翌日以降に再度申し込みをしてみてください。
次はいよいよ実技試験。安全運転に気をつけて、準備を進めていきましょう!
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