地ビールで乾杯!サンディエゴのブルワリー&銘柄ガイド

アメリカ

アメリカ・カリフォルニア州といえばワインが有名ですが、近年では、小規模の醸造所(ブルワリー)でのビール造りも盛んに行われています。

小規模ブルワリーの醸造タンク。サンディエゴ国際空港から車で10分ほどの、North Park(ノース・パーク)エリアにある『Fall Brewing(フォール・ブリューイング)』。

その中でも、カリフォルニア最南端の街、サンディエゴは、クラフトビール製造の中心地。70軒以上のブルワリーが集まり、独自の味わいを競っています。今回は、現地を訪れた際にぜひ味わっていただきたい、サンディエゴの地元ブルワリーによるビールをご紹介します。

左側が『Ballast Point』の「カリフォルニア・ケルシュ(ペールエール)」。中央が『Karl Strauss』の「モザイク・セッション・エール」。右側は、サンディエゴよりも少し北の街、パソ・ロブレスにある『Firestone Walker(ファイアストーン・ウォーカー)』の「ダブルIPA」。

多彩で爽やか:Ballast Point

バラエティ豊かなビールを作る『Ballast Point(バラスト・ポイント)』は、海に面したサンディエゴらしい、魚の絵柄のラベルが目印です。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)出身のピートとジャック、そして、自家製ビールで数々の受賞歴を持っていたヨセフ(※カリフォルニアでは、ビールの自家醸造が法的に許可されています)の3人が出会い、1996年に創業されたブルワリーです。

『Ballast Point』のビールは、フルーティーですっきりした、飲みやすい味のものが中心です。

黄色のラベルにキハダマグロが描かれた「California Kölsch(カリフォルニア・ケルシュ)」は、香りの豊かさと喉ごしの良さを両立した、ケルシュタイプのペールエール。青いラベルの「Longfin(ロングフィン)」は、日本人にとって馴染みやすい、なめらかでキレのあるラガービールです。

『Ballast Point』の缶入りパッケージ。箱に描かれている魚のイラストは、瓶入りタイプのラベルと共通。一番右側が、グレープフルーツ入りのIPA「グレープフルーツ・スカルピン」。

変わったところでは、カリフォルニアの夏気分を味わえる、フルーツの味わいを加えたビールも。たとえば、「Grapefruit Sculpin(グレープフルーツ・スカルピン)」は、IPAの苦味と、グレープフルーツのさっぱりした酸味の組み合わせが絶妙です。ちなみに、よく似たラベルの「Habanero Sculpin(ハバネロ・スカルピン)」は、唐辛子入りですので間違えないように!

また、同社ではラムやジンなど、各種のスピリッツも作られていて、白地のボトルにフグの絵が印刷された、その名も「FUGU(フグ)」というウオツカがよく知られています。

『Ballast Point』の製品は、アルコール度数5%から7%のものが中心です。スタンダードな銘柄や季節限定の味は、大手スーパーや酒店にも並んでいますのでぜひお試しを。瓶入りのものはラベルも綺麗で、お土産にもオススメです。

 

邪悪なIPA:Stone Brewing

『Stone Brewing(ストーン・ブリューイング)』は、1996年に創業され、現在ではアメリカでトップ10の規模に入るブルワリーです。サンディエゴの空港内にも店舗があり、カリフォルニア旅行の始まりや締めくくりとして、同社のビールを楽しむことができます。

ロゴマークに使われているのは、コウモリのような羽と、ツノを生やした邪悪な怪物「ガーゴイル」。厳選された材料を使用し、加熱殺菌や化学物質添加など、味に影響を与える処理は行わないという、妥協を許さない精神を示しているのだとか。

野球場に並んだ地ビールのワゴン。左から『Ballast Point』、『Stone Brewing』、『Karl Strauss』。MLB球団サンディエゴ・パドレスの本拠地「Petco Park(ペトコ・パーク)」で。

同社の厳しいプロフェッショナル精神と同様、ビールの味も非常に力強いものです。主力の銘柄は、「Stone IPA(ストーン・アイピーエー)」シリーズ。ホップの強い苦味と香りが特徴のビール、IPA(India Pale Ale:インディア・ペール・エール)に、さまざまなバリエーションが用意されています。緑色でロゴが印刷された、スタンダードタイプでも苦味は充分。思わず唸り声をあげたくなるような、ビターテイストのビールが好きな方にはたまらない味です。

『Stone Brewing』のビールは、サンディエゴ市内各地の直営店のほか、カリフォルニア州の酒店、大手スーパーマーケットでも広く流通しています。主力銘柄のアルコール度数は、日本のビールより強めの6.5%から8.5%。アルコール控えめのものを試すなら、オレンジ色のラベルの「Go To IPA(ゴー・トゥー・アイピーエー)」4.5%をどうぞ。

 

街の定番:Karl Strauss

1989年にドイツ系移民によって創業され、サンディエゴの定番ブルワリーとして、その地位を確立しているのが『Karl Strauss(カール・ストラウス)』。サンディエゴ国際空港に近いダウンタウンエリアや、海辺の観光地、ラホヤなどに店舗を構えているほか、カリフォルニア州アナハイムのディズニーランド・リゾートにも販売ワゴンがあるそうです。

『Karl Strauss』のビールは、深みとボリュームに満ちた、安定感ある味わいが魅力です。瓶のラベルも、どこかレトロな雰囲気をまとっていたり、落ち着きのある色使いだったりと、ビールの印象とよくマッチしています。

赤い路面電車が描かれたラベルの「Red Trolley Ale(レッド・トロリー・エール)」は、ゆっくり少しずつ飲んでも美味しい、香ばしくまろやかな味のエール。お一人で、または、少しだけ飲んでみたいという方と分け合って、時間をかけて味わうのにぴったりです。

反対に、スムーズに飲み干したいという方には、モザイク模様のホップの絵が描かれた「Mosaic Session IPA(モザイク・セッション・アイピーエー)」などがオススメ。深い苦味とフルーティーな香りが溶け合い、つい次の瓶も開けたくなると言われるIPAです。

『Karl Strauss』の「モザイク・セッション・エール」。

ブルワリーのロゴには、黒地に白文字で「KARL STRAUSS Brewing Company ‘89」と書かれています。サンディエゴ第2位の規模を持つブルワリーだけあり、そのビールは量販店でも手に取ることができます。アルコール度数は、5〜6%前後のものが中心です。風味が豊かなため、度数の割に飲みごたえが強く感じられるかもしれません。

 

知っておきたい追加情報

これまで挙げた3社は、サンディエゴの中でも規模が大きく、スーパーマーケットなどでもその商品を購入できることが多いブルワリーです。他にも、マイクロブルワリーと呼ばれる小規模のブルワリーや、店内での飲食を中心にした、パブ併設のブルワリーなど、サンディエゴ市内にはさまざまなタイプのブルワリーがあります。

サンディエゴ醸造者組合のウェブサイト(英語)では、サンディエゴ市内・および近郊のブルワリーやパブを「MAP」メニューから検索することができますhttps://www.sandiegobrewersguild.org/)。レンタカーや自家用車を運転できる場合には、グループ内でドライバーになる方を決めて、気になるブルワリーを2、3軒巡ってみても。また、週末などに開催されている、ダウンタウンエリア発着のバスツアーを利用することもできます。

なお、カリフォルニア州でお酒を飲んだり買ったりできるのは21歳から。お酒の購入時にはID(身分証明書)を求められますので、パスポートなどを必ず用意しておきましょう。

日本へのお土産として持ち帰る際には、タオルや衣類などでしっかり保護し、預け荷物に入れることを忘れずに。ルールと安全性を守って、サンディエゴの地ビールの味を楽しみましょう!

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