天満橋にある八軒屋浜は、水上バスのほか、遊覧観光船、風情のある屋形船などが多数行き来する発着点。特に桜や紅葉の季節には、水際からの景観を楽しめる人気スポットです。
毎年7月25日に開催される天神祭の船渡御では、この大川にきらびやかな何隻もの船が往来し、大阪一の夏祭りを盛大に演出します。
浜の北側には南天満公園の緑が広がり、浜に沿って天神橋筋までは、遊歩道が整備されています。
お昼時には、この遊歩道で休憩をとる人がたくさん。川に向かって降りる広い階段で、行き交う船の音を聞きながら、中之島の噴水を眺めながら、お弁当を食べたり読書したりする姿が見られます。生演奏を楽しめるクルーズも運航されているので、それに当たればラッキーですね。
八軒屋浜から一筋南へ行くと土佐堀通りがあります。どうやら昔はここが船着き場だったようです。
土佐堀通りの南側の老舗の昆布屋 永田屋前に、「八軒屋船着場の跡」の石碑があります。そのまま永田屋を少し西に進むと、チーズショップ世界のチーズ商会があり、その左脇には、新撰組の定宿とされた「京屋忠兵衛」の銘板が。近藤勇、土方歳三らもここに宿泊していたのでしょうか。新撰組と大阪。あまり結びつかないキーワードですが、ちゃんと大阪にも足跡を残してくれていたのですね。ちなみに、坂本龍馬の妻お龍も、妹を助けに大坂の丼池まで来た際に、この京屋を利用したと言われています。
「八軒屋」という名前は、当時このに八軒の旅籠があったことに由来します。
この京屋をはじめ、堺屋、島屋などという八軒の旅籠や、多くの料亭が立ち並んでいたようです。すぐ裏手の料亭大乃や、あい粂旅館などの老舗店は、現在も営業を続けています。
昔から永く、多くの旅人の疲れを癒していたのでしょうか。
江戸時代から、四天王寺、野崎観音、住吉大社、熊野大社への参道の起点として、大勢の人で賑わっていた八軒屋浜。今でこそ大阪と京都間は電車で30~40分ほど。ですが当時は6時間もかけて船でやって来ていたようですね。今では海外からの観光客も多く、水辺の玄関口として賑わっています。
さて、世界のチーズ商会の左手の路地には、北大江公園に向かう石階があります。趣のあるレトロな一角。ツタのからまる石壁には防空壕のような入口が。印刷所の地下倉庫なのだとか。レトロで歴史を感じさせるスポットです。
石段を上がった左手にあるマンションの脇に、三橋楼跡の史跡があります。三橋楼は、明治8年(かの大坂会議前)に、大久保利通や木戸孝允との間で事前打ち合わせが行われた料亭。高台にあったため、難波橋、天神橋、天満橋の三つの橋が一望できたそうです。
ちなみに大坂会議は北浜の花外楼にて開催されました。
その後三橋楼は本町橋に移転。その後はロシア教会大阪ハリトス正教会が建設されますが、戦火により焼失し、吹田に再建されました。
この近辺には、観光ガイドには掲載されていない歴史的スポットが点在しています。
八軒屋浜は川沿いに戻りまして、川の駅はちけんや。平成21年に水の都大阪再生の拠点として建設されました。オペラハウスを彷彿させる外観には、垢ぬけた雰囲気が漂います。
この川の駅はちけんやには、ウェデングにも利用できるフレンチレストランリバースイート大阪や、川辺のオープンカフェGREEN CAFEの2店舗が入居しています。
今回はヘルシーなランチをいただけるGREEN CAFEに行って来ました。
GREEN CAFEは、大きく開いたテラスが気持ちのよいカフェレストラン。ウッディなインテリアでとてもリラックスでき、ステキな雰囲気です。
昆布〆真鯛と18品目のサラダ丼、秋鮭、きのこ、淡路玉ねぎのホイル包み焼きなど、ランチメニューは種類豊富で880円~とリーズナブル。
Aランチ:長茄子とチキンの南蛮 銀杏のタルタルソース(980円)をいただきました。
ライスかパンかを選択します。
ボリュームのあるプレートが出て来て、うれしい悲鳴です。フリットされた熊本県産の長茄子、鶏のムネ肉が、たっぷりの甘酸っぱいタレにからめられています。タルタルソースに入った銀杏は、大き目にクラッシュされているので、しっかりと銀杏の風味と歯応えが残っています。ムネ肉の柔らかいこと。
きたあかりのポテトサラダ、葉野菜のサラダ、秋野菜のマリネがつきますので、野菜をたっぷりいただくことができます。ヘルシーでバランスの取れたお食事ですね。
ランチメニューには、スープ、ドリンクがついていて、自分で取りに行くブュッフェスタイル。気持ちのよい風にあたりながら、ゆっくりと過ごしたいカフェレストランでした。
GREEN CAFE
大阪市中央区北浜東1-2
06-6949-5775
最後に、八軒屋浜に隣接する天満橋の上から堂島方面を眺めてみて下さい(上)。ここからの眺望はまさに絶景ですよ。特にお天気の良い日の夕景と夜景がロマンチックで素敵です。
(下:天神橋からの眺め)
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