北海道の夜景の代表といえば函館でした。もちろん札幌の圧倒的スケールの夜景も函館、小樽とともに、北海道三大夜景のひとつだったわけです。昨年10月、兵庫県神戸市で「夜景サミット2015」なるものが開かれ、新しい日本三大夜景が決定し、その中で札幌市の藻岩山の夜景が2位に選ばれたのです(1位・長崎市、3位・神戸市)!そこで今回は藻岩山を含む札幌市の(個人的)三大夜景スポットを紹介、その魅力を語っちゃいます。
「恋人の聖地」として大人気!藻岩山展望台
元々、圧倒的な光の多さ、地平線が続く雄大な札幌の夜景は日本ばなれしたダイナミックなスケール感で今回の結果がなくとも評価は高かったのです。日本三大夜景になってもそれほど驚きはありません。そして札幌の夜景の代表といえば藻岩山でした。藻岩山は標高531mのそれほど大きくない山ですが、市街地に近接しているにもかかわらず自然に恵まれ北海道自然百選に選ばれた美しい山です。
山の北側には藻岩山原始林が広がり国の天然記念物に指定されています。登山や森林浴など市民にも愛される山です。札幌市は人口約190万人の全国有数の大都市ですが周りは自然に囲まれ、都心のそばに大自然が広がっています。さすが北海道というところでしょうか。これほど自然に恵まれた大都市はそうないと思います。
アクセスは観光客の方なら市電の利用が便利です。大通公園近くの市電の「西4丁目」電停から乗車し、約20分で「ロープウェイ駅」下車。「もいわ山ロープウェイ」山麓駅まで徒歩なら約15分。無料送迎バスも15分間隔で運航しています。展望台のある「もいわやま山頂駅」にはロープウェイで中腹駅まで登り、そこからは「もーりすカー」というケーブルカーで移動します。料金は往復で大人1700円。札幌市民の方なら身分証明書提示で1000円の割引料金で乗車できます。2011年にリニューアルした「もいわ山ロープウェイ」核施設はすべてバリアフリー化し、お年寄りから体の不自由な方まで利用しやすい施設に生まれ変わっています。
ロマンチックな夜景に2012年恋人の聖地に認定
山頂駅の展望台からは札幌市を一望できる大パノラマが広がります。南には雄大な石狩平野が広がり、東側に円形は雄大な山々が広がる絶景はやはり感動ものです。函館や小樽のような宝石のような繊細な煌めきとは対極の光の海が地平線のどこまでも広がります。
もちろん、昔からカップルのデートスポットやドライブコースとして定番の人気を博しています。そして、山頂展望台には幸せの鐘があり、そこで鐘を鳴らしたカップルは幸せになれると言い伝えられ、周りの手すりには「愛の南京錠」を取り付けられるようになっています。
そのように恋人達に親しまれていることが評価され、NPO法人地域活性化支援センターから「恋人の聖地」サテライトに認定されました。美しく広大な夜景とこの幸せの鐘、こんなロマンチックな雰囲気ならカップルには永遠の愛の魔法がかけられると思いました。
展望台以外にも夜景を一望できる展望レストラン「THE JEWELS(ジュエルズ)」、スターホールにはプラネタリウムクリエーター・大平貴之氏がプロデュースしたスーパープラネタリウム(大人700円)など愛を深められる施設も整っていて、仮に悪天候であっても、飽きることはないはずです。
迫りくる光の海!藻岩山に劣らぬ人気の旭山記念公園
近年、藻岩山に勝るとも劣らぬ人気があり、観光客にも注目されているのが旭山記念公園です。最初に言っちゃいますが、ここは藻岩山以上に、恋人一択!と言えるほど雰囲気が良い場所です。1970年、札幌市の創建100周年を記念し、円山から藻岩山に連なる山地の斜面に開園。標高137.5mに位置しています。
アクセスは地下鉄東西線の大通公園駅から乗車し、円山公園駅下車。バスターミナルからJRバス旭山公園線に乗車し、終点の旭山公園で下車し、公園の門から坂道を登ると5分ほどで展望台に到着します。写真の噴水がありコロッセオのような雰囲気のある階段の上が展望台となっています。藻岩山の山地に連なっていることもあり、豊かな自然に囲まれ、遊歩道の周りは春は桜、秋は紅葉に包まれ昼間も市民でにぎわいます。犬の散歩をする地元民の方も多く市民公園として親しまれています。夜になると、噴水がライトアップされ、ムードも高まり、噴水の向こうに光の海が迫ってきます。
この噴水のライトアップが美しい夜景をよりロマンチックに仕立てあげていると思います。大体、午後7時を過ぎるとカップルが続々と集まってきて、一人で撮影している筆者はちょっと肩身の狭い思いが。標高が違うので、藻岩山とはまた違った趣のある夜景です。
展望台から階段を降りたところにも第2展望台があり、また違った雰囲気があります。
樹木の向こうに光の海が広がり、ビル街のネオンが綺麗です。標高が少し変わるだけで雰囲気が変わるのが楽しいです。とにかく見物客が多くても静かで雰囲気が良いので、カップルの邪魔にはなりません。恋人との旅行などには外せない場所です。
都心のド真ん中に静かな夜景スポット!JRタワー展望室「T38」
ラスト3つ目は、夜景の“新興勢力”といえるJRタワー展望室「T38」です。JR札幌駅に直結している、総合複合商業施設て市民や観光客で賑わっている「JRタワー」。
2003年にオープンしている施設の中でひときわ目立つ高層ビル(JRタワーホテル日航)の38階にあります。アクセスは超簡単。JR札幌駅から商業施設の「ステラプレイス」6階に行くとインフォメーションカウンターがあります。料金は大人720円です。エレベーターを降りると展望室内は間接光だけの薄暗い落ち着いた雰囲気です。
写真は明るく写っていますが、実際はもっと暗いです。窓際にはテーブルやソファが置かれ、カフェもあるので軽食や各種ドリンク、お酒を飲みながらゆったりと眺められるようになっています。時間帯や時期によってはかなり観光客も増えますが、しっとりとした雰囲気なので静かに観賞する方が多いです。予想以上に落ち着けるので、都会のオアシスと言ってもいいかもしれません。
個人的なオススメは日没直後の薄暮の時間から灯りが少しずつ増えていく時間帯でしょうか。日没後のわずかな時間帯はマジックアワーの美しくもはかない瞬間です。空も暗くなれば光が主役となります。都心のど真ん中の地上160mから東西南北すべてのサイドで圧巻の美しい光景が広がります。これぞ、360度のパノラマです。4方向、それぞれ夜景の特徴があり、南側はテレビ塔や官公庁街、ススキノがあるので、ネオン街もあり一番華やかです。
西サイドは緑や山地が多く、変化に富んだ風景。大倉山ジャンプ競技場のライトアップが空中に浮かび上がるような光景が幻想的です。北サイドは石狩平野が広がり石狩湾や小樽もせん望でき、広大な景色で光の海がどこまでも続くよう。スケールが大きいです。
とにかくどの方向を眺めても、ため息をつくような光景に出会えるはず。友達同士や家族はもちろん、カップルにも最適。北日本最大の歓楽街ススキノにすぐ行けるのも利点です。
まとめ
札幌は広い街なので、夜景を見る場所も事欠きません。この3つ以外にも、大通公園にあるテレビ塔、ススキノにほど近い「ノルベサ」の観覧車なども人気ですが、個人的にはご紹介した3施設が王道だと思います。どの施設もカップルには最高かと思います。日本新三大夜景2位となった札幌の夜景を存分に堪能して頂けたらと思います。
【スポット情報】
もいわ山ロープウェイ
住所:北海道札幌市中央区伏見5丁目3-7
旭山記念公園
住所:北海道札幌市中央界川4丁目
URL:http://www.sapporo-park.or.jp/asahiyama/
JRタワー展望室「T38(タワー・スリーエイト)」
北海道札幌市中央区北5条西2丁目(受付)JRタワーイースト6階
URL:http://www.jr-tower.com/t38
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