ベルギーでお土産と言えばまず思い浮かぶのはチョコレートではないでしょうか。日本にも店舗を持つ有名店から個人で経営しているお店まで本当にたくさんあります。「どのチョコレート屋がオススメ?」とよく聞かれますが、値段・味がまちまちのためコレというのはとても難しいのが本音です。今回は味にお墨付きのある王家御用達のチョコレート屋の中から、周りの評判と個人的な感想を交えてオススメを紹介したいと思います。
・王家御用達チョコレートって?
ベルギーで王家御用達を名乗るには、厳正な審査を経て王室から認定される必要があります。職人の技や誇り、製品やサービスなどの質のよさを王家が保証するという仕組みです。認定を受けた企業にはライセンスが発行され、5年ごとの更新となります。王家御用達の認定を受けることができる企業は多岐にわたり、石油会社や通信会社などもあります。あまり知られてはいないのですが、ベルギーにある日本企業の中にも王家御用達に認定されている会社があります。2014年は新たに5つ、2015年には3つのライセンスが発行されました。厳しい門をくぐり抜け、王室から品質のお墨付きを受けた王家御用達のチョコレート屋は2016年現在で8つあります。
Leonidas レオニダス
Galler ガレー
Godiva ゴディバ
Mary マリー
Neuhaus ノイハウス
Wittamer ヴィッタメール
Pierre Marcolini ピエールマルコリーニ
Van Dender ヴァンデンダー
・地元の人オススメ、レオニダス
ベルギー人にオススメのチョコレート屋を聞くと、かなりの確率で返ってくるのがレオニダスです。よくよく聞いてみると、1番のお気に入りのチョコレート屋は別にあるけれど、そこは値が張るから滅多に買えない。しかし、レオニダスはおいしいのに値段が安いというわけです。確かにプラリネの詰め合わせは1キロで27.90ユーロと格安です。店舗数もとても多く、どこの街でも見つけることができ、お土産として気軽に購入できるのも人気の秘訣です。こちらでは王家御用達の中では庶民派という位置づけです。個人的には少し甘く感じましたので、甘めが好きな人や大量に購入する人には向いていると思います。
・日本人に人気、ガレー
ベルギー在住の日本人の中で人気なのがガレーです。レオニダスほど安くはないのですが、甘すぎることもありません。うれしいことに、高級なメーカーにもかかわらずスーパーでの取り扱いがあります。もちろんプラリネの詰め合わせはガレー店舗での販売ですが、チョコレートバーやアソートなどはスーパーで買えます。値段も安くそしておいしいです!チョコレートバーの値段は1つ1.50ユーロほど、アソートの箱は小さいものが15本入っていて大体5~6ユーロです。ちょっとしたお土産には最適ではないでしょうか。チョコレートバーは種類も多く、何個か組み合わせて友人へのお土産にしています。旅行中の小腹が空いた時にもちょうどいいですよ。高級なプラリネから手頃なチョコレートバーまであるうれしいお店です。
ここからは個人的に気に入っているチョコレート屋です。
・新参者、ヴァンデンダー
父親の店を継いだ現在のショコラティエ、へルマン氏はアントワープの製菓学校で学んだ後、スイス、フランス、日本で修行をしたという経歴の持ち主です。このときの経験からベルギー以外で唯一ヴァンデンダーのチョコレートを買うことができるのが日本なのです。日本に店舗があるのではなく、バレンタインやサロン・ド・ショコラなどの催事の時に販売しています。日本と関わりがあると、なんだか親近感がわきますよね。ベルギーのサロン・ド・ショコラに行き、何も知らずに購入したものがヴァンデンダーのチョコレートでした。9つ入りのプラリネはどれもおいしく濃厚な味がしたのを覚えています。ヘルマン氏は数々の賞を受賞し、ベルギー王室の皇太子の結婚式でも腕を振るいました。その後、功績が認められ2008年に王家御用達の認定を受けました。高い品質を維持するために、ブリュッセルに1店舗のみという経営を続けています。チョコレートだけでなくマカロン、洋菓子やパンまでお店では扱っています。カフェも併設しています。ブリュッセルを訪問した際は立ち寄ってもらいたいのですが、店舗は観光地から少し離れたところにあります。ブリュッセルで時間のある方は是非!
Van Dender(ヴァンデンダー)
Leuvensesteenweg 416, 1030 Brussels
火曜~金曜:6時から18時半
土曜:6時から16時
日曜:6時から15時
・老舗のマリー
創設者のショコラティエが女性というのは少し珍しいのではないでしょうか。店内にはどれもこれも思わず手に取りたくなるようなパッケージのチョコレートが、所狭しと並んでいます。パッケージデザインやディスプレイには女性らしさを感じます。もちろん見かけ倒しではなく、品質に強いこだわりを持ち、1942年に王室御用達の認定を受けたという歴史のあるチョコレート屋です。先日お店の前を通ったので何気なく入り、試食したところ上品な味ですぐに気に入りました。ブリュッセルの小便小僧近くにあるお店(28b Rue du Lombard、毎日10時半から20時まで営業)には、キレイな日本語を話す店員さんがおり、丁寧に接客してくれました。参考までに1キロのプラリネは78ユーロとお高めですが、小さめの詰め合わせも多く取り揃えているので、予算に合うものが見つかると思います。以前はブリュッセルのみの店舗展開だったのですが、ブルージュとアントワープにもできました。王室御用達の8つのチョコレート屋の中で唯一日本未上陸!です。
・まとめ
王家御用達以外にもベルギーには無数にチョコレート屋があります。どこで買うのかとても迷うと思います。筆者もいまだに悩みますが、ハズレがないのがここに挙げた王家御用達のお店です。今回はその中の4つを取り上げましたが、味や値段をどうとらえるかは人それぞれです。自分のお気に入りのチョコレート屋を見つける参考になれば幸いです。
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