歴史と芸術が響き合う!小樽芸術村に行ってみた

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歴史的建造物や小樽運河などで、北海道有数の観光都市である小樽市。石造りや赤レンガの倉庫や建築物は、リノベーションされさまざまな用途に活用されています。

そして、北海道発の大手家具企業「ニトリ」が「小樽芸術村」を9月にグランドオープンしました。芸術と歴史に触れるため、小樽市を訪ねてみました。

 

ニトリが歴史的建造物を再利用してオープン

小樽芸術村「株式会社ニトリホールディングス」が、北海道生まれの企業として長年の恩に報いるための手段として2016年7月に開設しました。最初はステンドグラス美術館一館だけでしたが、今年8月に旧三井銀行を整備しオープン、そして翌9月に旧北海道拓殖銀行を「似鳥美術館」としてオープン、3館が全面開放されたのです。

場所は小樽市色内地区にあり、目の前には小樽運河の代表的な撮影スポットである浅草橋があります。

まさに小樽観光の中心地に4つの建築物が小樽芸術村を構成しています。JR小樽駅からは徒歩で海側に下り約15分ほどです。受付は小樽運河に面する旧荒田商会の中にあります。同建築物は昭和10年建築の荒田商会の本店事務所でした。内壁の漆喰や照明器具、窓枠は当時の面影を残しています。レンガ造りのように見えますが、木造2階建てです。受け付けのほかにショップコーナーも備えています。3館の共通入場券で大人1500円となっています。受付の奥を通ると、旧高橋倉庫内の「ステンドグラス美術館」につながっています。

高橋倉庫大豆を収納する倉庫として大正12年(1923年)に建築された木造石造りの趣のある建物です。平成元年の店舗として改修されていました。平成6年(1994年)に歴史的建造物に認定されています。クイーンポトラス(対束小屋組)と呼ばれる欧風建築です。

このステンドグラス美術館は何とフラッシュを焚かなければ写真撮影OK!それでは中に入ってみます。

倉庫の中に入ると薄暗い暗闇の中にカラフルながら美しく荘厳なステンドグラスが壁にズラリと連なっています。同美術館に展示されている作品は19世紀後半から20世紀初めにかけイギリスで制作され、多くの教会の窓となっていステンドグラスです。

同美術館には35点もの大作が飾ってあります。近年、イギリスの諸事情で多くの教会が壊されるとともにステンドグラスも姿を消していきましたが、残ったものの一部が数奇な運命をたどり似鳥会長が買い取り、ここ小樽で日の目を見ることになりました。

中央のステンドグラスは「神とイギリスの栄光」です。倉庫正面壁の中央に威厳を持って飾られています。第1次世界大戦の戦勝と犠牲者追悼のために制作されました、イギリスの守護聖人、聖ジョージがキリストから王冠を受けている図です。フランスの聖女ジャンヌ・ダルクの姿も見受けられます。

ご存知の方も多いはずの、「最後の晩餐」です。イエス・キリストがユダの裏切りを知りながらも弟子たちと過越祭に最後の食事を取る場面となっています。「この中に裏切り者がいる」というキリストの言葉に弟子たちは驚いています。ユダは腰に裏切ったことで得た銀貨を提げた袋を持っています。1901年頃の作品と言われています。

「磔刑図」です。文字通りキリストが十字架に磔にされる姿を描いたものです。キリストの姿を中心に聖母マリアや弟子ヨハネなどイギリスにゆかりのある聖人が描かれています。5本の高窓で構成されています。とにかく吸い込まれるような美しさです。大作ぞろいなのですが、1階と2階が吹き抜けになっている部分もあり大変鑑賞しやすいです。知識がなくても、3館とも音声ガイドのヘッドホンを無料で貸し出してくれるので、思い思いに回りやすいと思います。

 

再整備され公開された旧三井銀行小樽支店

ステンドグラス美術館を出て、高橋倉庫の裏側に出ると、広い中庭があり、旧三井銀行小樽支店が豪華な姿を現します。明治から昭和初期、小樽は北海道経済の中心であり、多くの銀行支店がありました。そのいずれも豪華で荘厳な姿を見せていて、当時の繁栄を忍ばせます。

同銀行もその代表的な建築物のひとつです。昭和2年建築の鉄骨鉄筋コンクリート建ての当時の最先端の建築技術を駆使した建物です。大正12年の関東大震災の教訓を生かし、耐震構造の指針となった構造です。

正面の外壁に5つの石積みのアーチを連ね、軒に彫刻を施したルネサンス様式です。石は岡山県北木島産の花崗岩だとか。平成13年まで営業していましたが、翌平成14年に支店統合のため使命を終えました。とはいえ15年前まで営業していたことは驚嘆に値します。ニトリでは最初は美術館にする計画でしたが、建物の内観、外観自体が非常に豪華かつこだわって造られていたため、そのままを見せようという方針となったとか。

ちなみにこちらも撮影はOK!撮影が不可な美術館が多い昨今、うれしいことですね。吹き抜けの非常に開放的な空間で2階には、取引などを監視する回廊が取り囲んでいます。カーテンや家具、壁紙をオーダーメイドというこだわりです。

壕かな天井には30分ごとにプロジェクションマッピングを流して幻想の世界に誘います。2階には広い会議室などがあります。

まさに昭和初期の和洋折衷という雰囲気があります。ここの壁もカーテンもオーダーメイドなのです。シャンデリアも当時のものが使われています。金融恐慌前の銀行の力を見る思いです。

雨漏りによる壁の傷みもそのまま残していて、通り抜けた年月を感じさせます。

階段なども当時の大理石が使われています。カウンター窓口の者は昭和30年に張り替えられたものです。改修時に水洗いをして蘇りました。旧銀行の内部をそのまま公開するというのは珍しいと思いますが、ここの見どころは、地下の貸金庫室かもしれません。地下1階に降りると物々しい分厚いドアがあります。

営業停止まで顧客の資金を守っていた金庫です。中に入ると映画などで見た多くの引き出しがあります。

こんな場所に入れる人はやはり当時の富裕層や成金だったでしょう。貸金庫を使用する客は手持ちのカギを銀行員に渡し、銀行員は受け取った鍵と銀行の鍵で保管している貸金庫の桐箱を取りだし顧客に渡します。

顧客は受け取った桐箱を個室に入って中身の出し入れを行うという作業でした。個室の意匠が当時の雰囲気を感じさせます。また貸金庫室は地下にあり、夏場は壁が冷えて結露が発生するためタイル張りの回廊が通されています。

回廊の周りは死角ができるため防犯のため四隅に合わせ鏡が設置されています。当時のまま残されていて、今も鮮明に写っています。どちらにしろ、このような金庫をそのまま見学できる施設は全国的にも珍しいのではないでしょうか?

 

近現代の名作絵画を見られる「似鳥美術館」

旧三井銀行を出て歩いてすぐの場所に、旧北海道拓殖銀行小樽支店を改装した「似鳥美術館」があります。大正12年(1923年)竣工しています。

銀行内に貸事務所を併設する鉄骨鉄筋コンクリート4階建てで、当時の北海道を代表するビル建築です。銀行ホールは2階まで吹き抜けとなっています。

6本のギリシャやローマの神殿を想起させるような円柱がカウンターに沿って立っています。窓から光を受けると神々しさすら感じるとか。初期鉄筋コンクリート建築の主要遺構となり、平成8年、小樽市都市景観賞を受賞しています。こちらは撮影禁止で2階からは、似鳥会長が収集した圧巻の絵画コレクション群となっています。1階のショップ前のカウンターで受付し4階までエレベーターで昇ります。4階は加山又造や横山大観、片岡球子など近代の日本画、3階は岸田劉生をはじめとする洋画。また藤田嗣治、山下清などの作品も豪華でした。2階は棟方志功の版画と高村光雲とその弟子たちの木彫りコーナーもありました。

4階から階段を下って下の階へと見学していくのですが、その途中で、拓殖銀行当時の階段跡が残っていて時代を感じさせました。地階はアールデコなどのガラス館となっていてこちらも圧倒されるコレクションでした。

 

まとめ

古い建物をうまくリノベーションをして、再利用することは以前から行われていることですが、小樽芸術村はまさに十分な資金力がないとできない、歴史的建築物に直に触れながら、建築物と同じ時代の芸術を感じることができる贅沢な施設です。北海道で育った「ニトリ」が地元に還元するために精力をかけた新施設は、小樽の新しい人気スポットとなる可能性を十分に秘めていると感じました。

 

▽スポット情報

小樽芸術村

住所:北海道小樽市色内1丁目3-1

TEL:0134-31-1033

URL:http://www.nitorihd.co.jp/otaru-art-base/

 

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