今や世界的人気観光地!小樽運河のちょっとディープな楽しみかた

北海道

近年、アジアを初め海外からの観光客も増えている北海道・小樽。古い倉庫群を中心にした古い町並みは函館と並び北海道屈指の観光都市です。その中で小樽の観光の中心といえば、小樽運河。今や世界的に人気となった運河のちょっとディープな楽しみ方をお伝えします。

ニシン漁や開拓使の玄関港として栄えた港町

小樽市は人口12万2000人(2016年4月現在)の中規模都市。かつてはニシン漁で栄え、その時代の港の倉庫群など、異国情緒とレトロ感あふれる街並みが観光客に人気を呼んでいます。その中で、小樽を代表する観光スポットといえば、小樽運河。近年はアジアの方を中心に観光客も激増し、平日でも見学客でごったがえしています。小樽運河は日本でも珍しい埋立式の運河で、小樽港の海岸線を埋立し1922年(大正12年)に開通しています。戦後になると港湾整備によりその役割を終えます。昭和61年、十数年における埋立論争の末、一部が埋め立てられ、運河の幅半分が道路や散策路として整備され、現在の形に生まれ変わりました。

全長は1140m。ほかの運河とは違い、あくまでも海であり、大きく湾曲しているのも特徴です。運河沿いの石造倉庫群は当時のままの姿で残され、レトロ感タップリの雰囲気を醸し出しています。その多くはレストランやビアホールなどに再利用されています。

観光客が少ない北運河に穴場あり!

運河を楽しむにはまずは歩くこと。観光案内所がある浅草橋を拠点に歩くことが多いでしょう。散策にオススメの時間帯は薄暮から日没の時間帯、そして夜でしょう。マジックアワーの時間帯は分刻みに表情を変え晴れていれば空が茜色に染まり、よりロマンチックな雰囲気に。夜は、本物のガス灯63基が点灯され、オレンジ色に夜の運河を照らし出し、ムードはより高まります。ガス灯で2億円以上もかかっているそうです。

ここからは、ちょっとディープな小樽運河を紹介します。観光の方は前述したとおり、浅草橋を拠点として北方面に中央橋、竜宮橋の手前まで歩く方がほとんどです。竜宮橋、以降は北運河と呼ばれていますが、この北運河が日本人より中国など海外からの観光客が、日本人がいない穴場として人気があるそうです。

 

北運河は観光化されている浅草橋近辺と比べると、クルーザーや漁船も多く停泊していて生活の匂いもする光景が広がります。この北運河は石造りの倉庫群が中心の運河にあって、北海製罐(株)小樽工場の大正10年~昭和10年までに建設された工場群が異質な姿を見せています。その中で海外の方に最も注目されているのが、北海製罐の旧第3倉庫なのです。

「仮面ライダー倉庫」として海外の観光客にカルト的人気

これらの工場群は今も現役で活躍していますが、この鉄筋コンクリートの倉庫は非常に質実剛健な立ち姿が不思議と運河に調和していると思います。そしてなぜ、アジアの方に人気なのか?皆さん、仮面ライダーをご存知ですよね?藤岡弘が変身するあれです。40代以上の方は分かると思いますが、伝説的な実写アニメです。この仮面ライダー1号の敵、ショッカー軍団の秘密基地として、第3倉庫が使われていたのです!私も40年以上生きてきて、最近知って驚きでしたが、中国人などにはSNSなどであっという間に広がり、カルト的なスポットになったのです。Youtubeなどでは「倉庫 ショッカー」などで検索すれば多くの動画が出てきます。

北海製罐の工場も1921年(大正10年)創業当時の姿を見せて稼働していて、窓ガラスなどは創業時のまま使用されているとか。これら工場群は小樽市指定歴史的建造物に指定されています。この工場群の向かいには、ライブハウス「GOLD STONE」あります。旧渋沢倉庫を改装した穴場中の穴場。カフェもありデートにも最適でしょう。夜のライトアップが非常に美しいです。

倉庫群とは違う、ちょっとマニアックな北運河も実は見どころ多し!皆さんも少し足を伸ばしてみて下さい。

運河観光の新定番となった「小樽運河クルーズ」

小樽運河にはまた違う楽しみ方があります。歩くのではなく、ボートで観光するのです。

小樽駅から駅前通りを真っ直ぐ海側へ約10分歩くと運河に到着し中央橋のほとりに「小樽運河クルーズ」の乗り場と販売所があります。30分ごとに運航しています。乗車券は日中の便が1500円。人気のナイトクルーズは1800円となります。季節によってナイトクルーズの時間帯は変動します。やはり、オススメは薄暮の時間帯か、ナイトクルーズです。私はナイトクルーズ便に乗りました。運河内を巡るボートは20人も乗れば満席となる小型のものですが、運河の雰囲気を壊さないように木造設計で景色に溶け込んでいます。乗船前に救命胴衣を腰に巻き出航します。

散策や、橋の上から眺める光景とは明らかに趣が違います。水面が目の前に迫り、ライトアップされた倉庫群が浮かび上がる様は幻想的です。船長さんのガイドを聞きながら浅草橋に向かい、Uターンして、港湾の方にも出てくれます。先ほど紹介した北運河にも向かいます。例の旧第3倉庫も朱色に妖しく照らされ眼前に迫ってきました。

一気にショッカーの秘密基地という雰囲気も出ていますね。約40分のナイトクルージングは歩くだけでは絶対にいけない場所も通り、ロマンチックでもあり、冒険的でもあり。カップルやいつもとは違う体験をしたい方はぜひ乗船してみて下さい。

地ビールや若鶏半身揚げでお腹も満足

ここからは番外編でグルメもちょっと紹介しておきます。小樽というと皆さんお寿司や海鮮ものはお調べするでしょうから、あえて外します。運河沿いの倉庫は飲食店などになっていますが、そこでオススメなのは小樽ビール醸造所「小樽倉庫No.1」。ここは倉庫内がビアパブになっていて、醸造所としてビールも製造しています。

醸造所の無料見学会も1時間に2回開催、実際の発酵しているタンクなどを見学できますよ。

ぶくぶく、醪が元気で濃醇な麦の匂いが漂ってきました。ビールも本場ドイツ流で日本の軽さとは違います。個人的には爽やかなピルスナー、色も味も濃厚なドンケルが好みでした。

もう1軒、こちらは小樽駅に近いですが、「若鶏時代 なると本店」の若鶏半身揚げです。こちらは小樽市民に親しまれ、昼間はいつも並びます。ここの半身揚げは、皮はパリッと、中身はジューシーに揚げられ、シンプルな塩味で食べ飽きしません。

食べきれなかったら持ち帰りのパックをいただけるのでご心配なく。ライス、味噌汁、お新香がついた定食が税込1000円ですから、リーズナブルだと思います。海鮮だけではなく、このような地元に根付いた名物を食べるのも旅の醍醐味かもしれません。

まとめ

今回は小樽運河のちょっと違った楽しみ方を紹介しました。皆が集まるような場所を少しはずれて歩くだけで、面白い光景や穴場を発見するのも旅の楽しみです。王道を抑えながらも今回のような普通の観光客が知られざる小樽運河の発見を楽しむのも面白いのではないでしょうか?

 

<スポット情報>

小樽運河クルーズ

住所:北海道小樽市港町5-4

予約・問い合わせ:0134-31-1733

URL:http://otaru.cc/

 

小樽ビール醸造所・小樽ビールNO.1

住所:北海道小樽市港町5-4 小樽運河倉庫群

営業時間:パブ11:00~23:00

URL:http://otarubeer.com/jp/

 

なると本店

住所:北海道小樽市稲穂3丁目16-13

営業時間:11:00~21:00

URL:http://otaru-naruto.jp/index.html

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