豪快に吹き出す温泉!しかべ間歇泉公園に行ってみた

北海道

函館市内から約1時間半の北東部にある茅部郡鹿部町は人口約4100人の漁師町。北海道の名峰のひとつ駒ケ岳を望む風光明媚な街です。その活火山による地熱により温泉も多く隠れた名湯の地でもあります。そこで昔から有名な「しかべ間歇泉公園」>が道の駅として昨年リニューアルしたという話を聞いたので、久々に訪れてみました。

昨年3月にリニューアルオープン

 

JR函館駅からは普通列車で約1時間。路線バスで1時間半かかります。水産業が盛んな小さな街です。スケソウダラ、昆布、ホタテ貝が代表的な産物です。著名人としては、プロ野球で、横浜ベイスターズで、「ハマの大魔神」と言われた佐々木主浩さんとダブルストッパーで他球団に恐れられた、故・盛田幸妃さんが有名です。

そして、町内全域に温泉源が30カ所以上あるという温泉の町であることが自慢の町。鹿部町の代表的な観光スポットがまさに、温泉パワーの集約となる「しかべ間歇泉公園」なのです。平成11年4月に見学しやすいよう公園化され。さらに昨年3月に道の駅「しかべ間歇泉公園」としてリニューアルオープン。鹿部町の観光拠点施設として生まれ変わりました。

道の駅内のショップや食堂施設「鹿部・食とうまいもの館」はもちろん無料で入場することができますが、そのショップ内からの奥にある間歇泉の施設に入るには300円の入場料がかかります。ショップなどの紹介は後にします。まずは早速、間歇泉の施設へ行ってみました。

10分間隔で15mの噴きあがりが迫力満点

 

すでに間歇泉が勢いよく吹き出しています!間歇泉ひろばは広いスペースの中に、間歇泉を取り囲む「眺望の館」、休憩スペース「集いの館」、そして足湯スペースで構成されています。岩石の壁に囲まれているのが間歇泉スペースで、眺望の館は階段で2階に登り、間近から間歇泉が噴き出すのを観ることができます。

2階の外側は噴火湾や駒ケ岳がそびえ、晴れた日は、対岸の室蘭市や蝦夷富士と言われる羊蹄山の姿も見ることができます。残念ながら、冬期間は凍結で滑るため2階へ上がることはできませんでした同館の1階部分「洞窟の道」ではガラス越しで間近で間歇泉を眺められます。さらに間歇泉のメカニズムをパネルで学ぶことができます。

ここで鹿部町の間歇泉について少し説明しておきましょう。大正13年、温泉の試掘中に見つかったと言われています。地中から上がってくる熱水は温泉管からゆっくりあふれている間は26mも下の温泉管底では103度の熱水が2.6気圧の水圧に抑えられ沸騰できません。やがて100度を超えた熱水が次第に上昇し始め地表近くの水圧が低い場所に来ると沸騰しはじめます。

沸騰でできた気泡がパイプの中の水圧がさらに下がるので、より沸騰しやすくなり、熱水の湧き出す量が増えます。最後に本格的な激しい沸騰が起こり、熱水が勢いよく空高く吹き上がってきます。

これが噴き出てきた瞬間です。寒い時期なのでもうもうと湯気が立ち込め、最高で15mもの噴水状態になります。

これは目の前で見られるので迫力があります。自然の神秘と迫力を感じる瞬間です。温泉の町だからこそのナチュラルエンターテインメントと感じます。しばらく噴き上げると熱水の湧き出す量が追い付かなくなり水位が下がり、噴き出せなくなります。熱水の温度も100度以下に冷え、パイプ上部に留まるので沸騰が終わります。鹿部の間歇泉はこの感覚が10~15分間隔で起こります。間歇泉は鹿部町初め、全国で6カ所しかない珍しい現象だそうです。

うれしい足湯スペースでゆったり観賞

 

ここのスペースでうれしいのは足湯があること。足は第二の心臓とも呼ばれますよね。血行を良くし自律神経を安定させ、リラックス効果があると言います。服を着たまま手軽に入浴できるのが人気の秘密でしょう。できれば手と足を同時に浸けて、1回10~20分ずつ数回入ると疲労回復に効果的だとか。

同公園にはドライブで来られる方が多いですから、ドライバーの方も固まった身体をほぐせるうれしい施設ですね。タオルも無料で貸し出ししているので安心です。

写真のように、足湯に浸かりながら間歇泉の噴きだしを楽しむことができます。目で楽しみ、足で癒される。まさに地熱パワーの恩恵を受けられるということです。泉質はナトリウム・塩化物泉。30以上の源泉がある温泉の町と前述しましたが、鹿部温泉の歴史は古く、寛文8年(1666年)、津軽の伊藤源五郎が傷を負ったエゾ鹿が温泉で傷を癒しているのを発見。そこでここに温泉場を開き、旅人や、地元の漁師などに広まったと言われています。箱館戦争でも、鹿部町の隣町、森町鷲の木に上陸した旧幕府軍の中、土方歳三隊など二隊が鹿部を通って進軍。土方隊は鹿部で戊辰戦争の連戦で疲れ切った身体を癒すため夜営した記録が残っているそうです。土方歳三も、鹿部で温泉に浸かり、つかの間の休息を取ったのかも知れません。

まだまだある!天然温泉アイテム

 

さて間歇泉はこのぐらいにしましょう。間歇泉以外にも、地熱を利用したアイテムがあります。物産館「鹿部・食とうまいもの館」の入り口を出た屋外に温泉蒸し処とバーベキュー処の東屋があります。

特に温泉蒸し処は昨年のリニューアルから新しく誕生したコーナー。利用の仕方はまず、物産館で、専用の食材を購入します。数種類あり、肉・野菜セットや温泉卵セットなどが600円からあります。

筆者は肉と野菜のセットを選択。4つある温泉熱を利用した蒸釜にそのまま入れます。蒸し釡の温度は約70度ほど。蒸し時間の目安は7分です。

7分たつと、しっかり蒸しあがっています。

非常に熱いので作業は専用の手袋をはいて取り出します。調理した食材は物産館内の食堂を使うことができます。普通にガスで蒸すよりも、良い意味で硫黄っぽい匂いもあり、柔らかに蒸されている印象がありました。温泉熱を利用した良いアイデアの体験施設だと思います。

最後に、鹿部町はスケソウダラの産地で有名。>博多名産の辛子明太子は、北海道やロシアで水揚げされるスケソウダラで作られています。鹿部町も自前で噴火湾産のたらこを使った商品を各水産加工会社が開発し、鹿部の明太子も北海道のブランドとなりつつあります。>

こちらは高田水産の「雪たらこ」>です。九州のものより、辛さは抑えられていますが、ご飯や酒の友に最高だと思います。地産地消商品ですので、コスパも良いと思います。現在、同町の8社がこだわりのたらこ食品を作っているので、色々と食べ比べをしても面白そうです。

ドライブがてらの方やカメラが趣味の方は、駒ケ岳>の素晴らしい眺めを楽しむのもオススメです。

鹿部町、七飯町、森町の3町にまたがる標高1131mの活火山で今も煙を出し、噴火レベルに応じて入山を規制されています。鹿部町の方々も昭和初期までの度重なる大噴火に大きな被害を受けてきましたが、反面、恩恵も受け、観光の中心となっている温泉や間歇泉も駒ケ岳の地熱の力です。1640年の大噴火で山の3分の1が吹き飛んだだめ、位置によって、まったく異なる姿を楽しめます。北海道らしい雄大な景色としてもオススメです。自分なりのビュースポットを探しては如何でしょうか?

まとめ

 

正直、かつては単なる間歇泉だけの見学施設で、観光客を呼ぼうという工夫が足りないと感じていましたが、昨年のリニューアルで大きく変わったと思います。今回紹介したほかに体験・研修棟があり、地元で採れた食材で浜の家庭料理を習うことができる「浜のかあさん地元料理体験」を開催しています。間歇泉を観て、また自分で体験できるコーナーもあり、充実したスポットとして楽しむことができるはずです。

 

道の駅 しかべ間歇泉公園

住所:北海道茅部郡鹿部町字鹿部18-1

TEL:01372-7-5655だ

URL:http://shikabe.jp/skk/(鹿部温泉観光協会)

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