札幌都心のレトロモダン!札幌の歴史的建造物を歩いてみた

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190万都市という、北海道、いや日本でも有数の大都市となった札幌。しかし、その都心には開拓時代を中心に明治以降の歴史的建築物が残っていてレトロな雰囲気を醸し出しています。今回は都心にあり、大通公園や札幌駅からアクセスしやすいレトロモダンな建物を、定番から知られざる穴場まで巡ってみました!

明治から昭和初期までの和洋折衷のモダンな建築物

 

最北の島・蝦夷地が北海道となり、日本国に正式に組み込まれたのは、明治新政府が樹立して以降となります。北海道の近代史は開拓の歴史といって過言ではありません。日本が西洋文化を積極的に取り入れる中で、北海道の近代建築の特徴は和洋折衷のいいとこどりで、現在でもモダンでお洒落な雰囲気を醸し出しているのが特徴だと思います。

札幌には国指定文化財が8カ所、北海道指定文化財が2カ所、札幌市指定が3か所あり、そのほか32の歴史的建造物が市の都市景観条例に基づく「札幌景観資産」として認定されています。都心から歩きやすい場所にも数多くあるので、都心の観光と共に鑑賞できるレトロモダンな建物を紹介していきます。

中世ヨーロッパ風の教会が続々と

 

札幌観光の拠点、大通公園から東側、中央に創成川が流れる石狩街道を渡り街道沿いを北に歩くとすぐ、石造りの教会がビル群に隠れるようにひっそりとたたずんでいます。

日本基督教団札幌教会礼拝堂です。札幌景観資産で国登録の有形文化財です。明治22年(1889年)発足の札幌メソジスト教会の三代目礼拝堂として明治37年(1904年)建築されています。木骨石造りの構造で、建物正面の、バラ窓と呼ばれる円形のステンドグラスがひときわ目を引きますね。

風格ある札幌軟石が時を重ねて趣を出し、青いトンガリ屋根や、細長いアーチ窓が中世ヨーロッパのゴシック風、ロマネスク風建築の2つの要素を感じることができます。基本的には外観見学のみです。札幌景観資産の多くは今でも活用されていたり、カフェなどにリノベーションされているものも多いので、観光スポットというわけではないことをご承知ください。

同教会から北1条通りを東へ10分ほど移動すると、カトリック北1条教会聖堂同教会司祭館カテドラルホールにたどり着きます。札幌のカトリック布教は明治14年(1884年)からフォリー神父から始まったと言われています。

同教会聖堂は大正5年(1916年)、ラフォン神父により建設されたと伝えられています。木造一部石造りの構造となっていて、ロマネスク風の中央塔、左右ゴシック風の小尖塔など中世ヨーロッパ風の雰囲気が漂います。ミサなどの教会行事がなければ許可をもらって内部も見学できるようです。

聖堂隣のカテドラルホール明治31年建築の石造りの建築物。札幌軟石の石壁に、写真ではわかりにくいですが、瓦屋根を組み合わせた、和洋折衷のシンプルながらユニークな外観が目を引きます。

ほぼ当時のままの造りで残され、窓の上に水平に渡してあるブロック石が見どころで、「まぐさ石」と呼ばれています。古代ギリシャの建築にもみられるものです。現在はホールとして活用されています。

開拓使の住宅様式を今に残す「永山武四郎邸」

 

同教会から北に進むと、緑に包まれた公園の中に、古い風格ある邸宅が静かにたたずんでいます。旧永山武四郎邸で、建築は明治10年代前半のようです。北海道指定有形文化財となっています。

永山武四郎は北海道開拓に情熱を注ぎ「屯田兵の父」と呼ばれた、第2代北海道庁長官で、同建築は彼の私邸となります。質素な木造りですが、当時の北海道の建築らしい、開拓使が手掛けた和洋折衷の住宅様式を今に伝える貴重な建造物です。

北海道指定有形文化財で、内部観覧もできます。広い庭園も含め建物を含めた一帯は昭和60年(1985年)に札幌市に寄贈され「永山記念公園」となっています。南隣が複合商業施設「サッポロファクトリー」という都会のど真ん中でも緑が多く、まさに癒しの公園という雰囲気。休息するサラリーマンや犬の散歩をする市民がいて、憩いの場にもなっています。

サッポロファクトリーの「開拓使麦酒醸造所」

 

同邸宅の南隣は前述した札幌ファクトリーですが、こちらは「開拓使麦酒醸造所」(サッポロビールの前身)の建物を再利用されています。北海道遺産にも認定されている、開拓使の建築物を象徴する赤レンガ造りの荘厳な建築物です。

開拓使の官営のビール醸造業の工場として1876年(明治9年)9月に竣工し、近代工場として煉瓦造りとなったのは1892年(明治25年)頃。その後改築しながら1915年頃に、現在残っている形となりました。南側の外壁は蔦で埋め尽くされていましたが、開拓使のシンボル、赤い五稜星はしっかりと目立っています。

北3条通側からは荘厳な赤レンガの雄姿がよくわかります。写真奥が、麦酒醸造工場、手前が貯蔵庫(貯酒醗酵室)となり、貯蔵庫は現在ビアケラー(ビアホール)として使用されています。今は大型複合商業施設として生まれ変わっているので、ここで買い物、観光、グルメ、すべてを満喫することができます。

レトロモダンな戦後復興期の「岩佐ビル」

 

麦酒醸造所の北3条通り側の向かいには、古いビルが存在感を出しています。

戦後復興期の昭和25年(1950年)にラムネ工場として建設された「岩佐ビル」です。鉄筋コンクリートの柱簗構造のまさに昭和期のレトロモダンな建物だと思います。札幌景観資産のひとつで現在はカフェや演劇専門の小劇場など多数のテナントや企業が入っています。札幌では珍しい中庭がある口の字型ビルとなり、元は向上のため天井が高いのも特徴ですね。

大通公園東側の最後は岩佐ビルからは北3条通を西側に3分ほどにある、旧福山商店です。

さっぽろ・ふるさと文化百選に選ばれています。明治40年代建築の、煉瓦造2階建て構造になっています。醤油や味噌の醸造メーカーとして明治24年(1891年)に創業した「福山商店」は明治・大正時代にかけ北海道市一の販売量を誇りました、同建物はその販売店舗となります。寄棟屋根のまとまりある形体で、1階部分のアーチ形玄関、窓が印象的。数少ない、明治期の赤レンガ造りの商店となります。今はカフェとして利用されています。

明治天皇もご休憩された貴賓接待所「清華亭」

 

さて、ここからはJR札幌駅からアクセスしやすい「レトロモダン」を紹介していきます。JR札幌駅の西口を出て、西側に10分ほど歩くと、住宅街の中に、札幌市指定有形文化財の「清華亭(せいかてい)」があります。

明治13年(1880年)、札幌最初の公園となった偕楽園内に、開拓使の貴賓接待所として建てられ、開拓使長官・黒田清隆が「水木清華亭」と名付けました。明治天皇行幸の際、休憩された場所となりました。木造の洋風建築で、玄関部分の五稜星が開拓使ゆかりの建物であることがわかります。

内部も大きな出窓のある洋室と、縁側を設けた和室に分かれた和洋折衷となっています。内部観覧が可能です。超有名な時計台などは移築されていますが、清華亭は元の建築場所に今も静かに佇みながら歴史を刻み続けています。こじんまりとした建物ですが、風格やオーラを感じます。清華亭は北海道大学のすぐ隣なので、北大を見学した後にも訪問しても良いと思います。

全国的にも珍しい赤レンガの銭湯「北海湯」

 

今度は逆側、札幌駅北口を出て、創成川を渡り少し歩くと細い斜めどおりがあります。本村街道と呼ばれ、開拓草創期の石狩から旧札幌村を結ぶ街道として栄えた道です。そこから北7条の通りに出て東側に歩きます。約20分も歩くと、観光でも定番の「サッポロガーデンパーク」があります。

明治23年(1890年)に札幌製糖工場として建築され、同36年にサッポロビールの前身、札幌麦酒会社が買収し、精麦工場として昭和40年(1965年)まで稼働していました。現在はサッポロビール博物館・サッポロビール園として使用され、北海道開拓使を象徴する赤レンガ造りの建築物として北海道遺産に認定されています。詳しくは筆者がレポートした「サッポロガーデンパーク」をお読みください。

実は札幌駅からガーデンパークに向かう道すがらにも、地味ながら歴史的建造物があるのです。前述したななめ通りのそばに、レトロな赤レンガの建物が目に入ります。

北海湯という、明治40年(1907年)に建てられた元銭湯です。札幌景観資産に認定されています。赤レンガ造りの銭湯は当時は大変モダンなものであり、現在でも全国的に珍しいそう。

金文字の「北海湯」の看板が大変印象的です。現在でも十分お洒落な建物で、今は2階は貸しスタジオ、1階はスタジオバーとの看板が出ていました。麦酒醸造所ができてから、この銭湯も大変賑わったことが想像できますね。筆者も無類の銭湯好きなので、こんなお洒落な銭湯、一度は入浴したかったですね。

北海湯から信号を渡ってすぐ隣には、昭和初期の匂い溢れる木造の商店があります。

髙城商店という今も健在の酒屋さんです。こちらも札幌景観資産に認定された、昭和7年(1932年)建築という老舗。下見板張りの木造商店は建築当時のままだそうです。

今でもゆがみや痛みもほとんど見受けられず、頑丈な造りであることが伝わり、風格ある和風商店建築ですね。時代を感じる「千歳鶴」や「トリスウイスキー」の看板など、当時の界隈の繁栄や庶民の生活を今に伝える建築物です。酒店利用時のみ内部観覧できます。

まとめ

 

大通公園や札幌駅近辺には、旧北海道庁舎(赤レンガ庁舎)や時計台という超メジャーな建築物もありますが、それに関しての情報はたくさんあるので、あえてはずしています。今回紹介した建築物はマイナーなものが多いですが、間違いなく、札幌や北海道の近代史を今に伝えてくれるものです。現代の無味乾燥な建築物よりはよっぽど魅力的に感じます。過去があるから今がある。そんなレトロモダンを訪れる散策もたまには良いと思います。歴女やカメラ女子などにもオススメしたいですね。

 

スポット情報

日本基督教団札幌教会礼拝堂

北海道札幌市中央区北1条東1丁目3番地

TEL:011-221-2444(日本基督教団札幌教会)

 

カトリック北一条教会

北海道札幌市中央区北1条東6丁目10番地

TEL:011-231-4189(カトリック北一条教会)

 

旧永山武四郎邸

住所:北海道札幌市中央区北2条東6丁目2番地

TEL:011-232-0450(旧永山武四郎邸)

 

岩佐ビル

住所:北海道札幌市中央区北3条東5丁目

TEL:011-281-3181(岩佐ビル)

 

旧福山商店(現CAFÉ ROSSO)

住所:北海道札幌市中央区北3条東3丁目1-2

 

北海湯

住所:北海道札幌市東区北7条西3丁目

 

髙城商店 

住所:北海道札幌市東区北7条西4丁目

TEL:011-711-0722

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