食文化を大切にするイタリアは、かつてマクドナルドのイタリア進出をめぐって反対運動がおきました。「街並みの景観を損なわない」ようにという条件のもとに最終的にはイタリア側も受け入れたので、マクドナルドとは思えない目立たない地味な外観をしていますが、今ではイタリアの各地にオープンしすっかり日常的な風景になっています。イタリア人が受け入れやすいようにという配慮のもと、イタリア風にアレンジしたメニューを生み出しているので、外国からの観光客にも大評判のようです。ここでは、イタリアのマクドナルドを中心にファーストフードド事情をご案内します。
イタリアにマクドナルドオープン!
マクドナルドが日本に上陸した1971年に、ヨーロッパ第1号店がアムステルダムにオープンしています。イタリアと同じく食文化を大切にしているフランスには1979年に進出したにも関わらず、イタリアへの進出は1986年というのは、スローフード運動を始めとする住民が反対の意を表明していたからです。それでもイタリア第1号店はローマのスペイン階段のすぐそばというローマのシンボルである場所へオープンし、30年経った現在もたくさんの観光客でにぎわっています。
美味しいものがたくさんある食の国イタリアですが、レストランは値段が高いうえに時間もかかる、また口にあって美味しいかどうかわかりません。よく知っているいつも慣れたファーストフードで心配しないで食べたい、という観光客側の理由もあり、観光地であるローマのマクドナルドはいつでも満員御礼なのです。とはいってもイタリアの観光地にあるグローバル展開しているファーストフードといえばマクドナルドで、現在ではイタリア国内に540店舗もあるのです。他のファーストフードは「バーガー・キング」、「SUBWEY」それから最近「ケンタッキーフライドチキン」が進出し始めました。
スローフードとファーストフード
ご存知イタリアのスローフード運動。ファーストフードの概念とは全く正反対の食文化の歴史を大切にしてきたイタリア人。とはいっても、現代のイタリア人の生活は夫婦共働きで、食事の支度に以前ほど時間をかけれる家庭はどんどん少数派になっています。しかも、安価で手早く簡単に食べれることができて、子供たちも喜んで食べるとなればイタリア人の生活の中へ若者を中心にファーストフードがどんどん浸透しているのは当然の成り行きです。観光地のマクドナルドは観光客が大半ですが、郊外型の大型ショッピングセンターにあるマクドナルドでは、週末のお昼を家族で楽しむイタリア人でいつも混みあっています。
また、マクドナルドは「イタリア限定のイタリアの原料を使ったイタリア風ハンバーグ―」の展開を続けていて、イタリア人の心理的抵抗を少なくするような工夫をしています。特に2015年にミラノで開かれた「食の万博」にも参加し、若い農業生産者を育成するプログラムなどを展開し、単なるファーストフードではなく食材に対するこだわりをアピールしています。店内にも、食材についての説明をするインテリアを施したり、トレイに置かれるチラシにも生産者の紹介をするなど、イタリア人の罪悪感を減らす努力の手助けをしているようです。
イタリア限定メニューって?
まずイタリアのマクドナルドは、原材料の80%はイタリア製品を使っていてイタリアで作るので、イタリア人の雇用も促進しています。パンもイタリア製の小麦を60%使ったイタリア製です。いつも話題になるハンバーグのお肉も「グランディ・クラッシック」シリーズはすべてイタリア産牛肉100%です。また、エキストラヴァージンオリーヴオイル、バルサミコ酢、といったイタリア独自の食材も積極的に使用していますす。
ヘルシー志向をアピールするうえで欠かせないサラダ。日本よりサラダのメニューが豊富で、新鮮野菜はすべてイタリア産です。またヴェジタリアン用のハンバーグの用意まであります。
メニュー例
- モッツァレッラチーズのバーガー
- ステーキで有名なフィレンツェのキアニーナ牛を使ったバーガー
- イタリアのストリートフード、パンツェロッティという揚げ包みピザ
- 子供向けハッピーセットの中にパルミジャーノチーズの小さなブロック
- プロヴォローネチーズフライ
- イタリア製ビール
充実のマックカフェ
エスプレッソコーヒーへのこだわりがありバール文化が根強いイタリアでマックカフェを浸透させるため、普通のイタリアのバールのようなメニュー構成でバールに比べて低めの料金設定をしています。イタリア人が好むカップチーノとコルネットという甘いクロワッサンも全粒粉を使ったものやシリアルを配合したものなど、各種取り揃えています。また、イタリア人が好きなフレッシュオレンジジュースも置いています。店舗によっては、ジェラート屋さんのようなイタリアのジェラートも食べることができます。
スペイン広場店などは、マックカフェのテーブルの上に備え付けのコンピューターが設置していて、無料で使えるようになっています。
イタリアのマクドナルドの注文の仕方
ファーストフードとはいっても、注文するときには意外と難しいのがイタリア風マクドナルドの発音です。英語に自信がない人は、基本的にそのままローマ字読みしてみてください。特にRを強調して発音するのがポイントです。
- バリューセット:MC MENU(マック・メヌー)
- 指定のハンバーガー類かチキンナゲット、サイドメニューはポテトかサラダ、飲み物を選ぶ
- ハンバーガー:HAMBURGER(ハンブールゲル)
- ビック・マック:BIG MAC(ビック・メック)
- ダブル・チーズ・バーガー:DOUBLE CHEESE BURGER(ドッピオ・チーズ・ブールゲル) ※英語のDOUBLEをイタリア語ではDOPPIO(ドッピオ)。
- ・ ベーコンレタスバーガー: CRISPY MCBACON (クリスピイ・メックベイコン)
- マックフライポテト:PATATINE(パタティーネ)マックフライポテトのこと
- サラダ:INSALATA(インサラータ)
- ・ 飲み物:BIBITE(ビービテ)
- ハッピーセット:HAPPY MEAL(ヘッピー・ミール)
- 朝マック:COLAZIONE(コラツィオーネ)
- マックシェイク:MILK SHAKE(ミルク・シェイク)バニラ味はVANIGLIA(ヴァニリア)。
イタリアのマクドナルド店舗
日本のマクドナルドと同じく大きな駅や観光地の便利な場所に展開しています。トイレ事情が悪いイタリアでは、マクドナルドのトイレは無料で使えてとても便利なのです。ただ、みんな同じことを考えるので、かなりの行列は覚悟してくださいね。
<ローマ>
- スペイン階段店(PIAZZA DI SPAGNA46/47)
営業時間:7時~24時
- トレビの泉店(VIA DELLE MURATTE、31)
営業時間:10時~02時、金曜、土曜は06時まで
- テルミニ駅店(テルミニ駅内1階)
営業時間:6時30分~24時
<フィレンツェ>
- サンタ・マリア・ノヴェッラ駅店
営業時間:5時30分~23時、金曜、土曜、日曜24時まで
<ミラノ>
- ドゥオモ店(PASSAGGIO DUOMO 2)
営業時間:9時~24時、土曜は01時まで
・ミラノ中央駅店
営業時間:6時30分~23時
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