日本と違って、鉄道の路線や便数が少なく、しかも時間通りに運行しない国イタリアでは、少し郊外の街へ自分で行こうと思うと、かなりの時間のロスを覚悟しなければいけません。もし、運転に自信があるのなら、国外免許を取得してみませんか?レンタカーを利用すれば、イタリアで自由自在に快適なドライブ旅行が楽しめます。ここでは国際免許を取得する方法、トラブルに遭わないように気を付けるべき方法についてご案内します。
エッ?これだけ!意外と簡単に取得できる国外運転免許証
外国で車を運転するなんて、特別な資格が必要だと思っていませんか?日本と同じジュネーブ条約の加盟国であるイタリアでは、有効期限内の日本の運転免許証があれば、国外運転免許証を取得することによって、日本国内と同じように自動車を運転することができるのです。
国外運転免許所の取得は、住民票のある運転免許試験場、運転免許更新センターで申請できます。運転免許証とパスポート、証明写真を持参して申請するだけです。他に手数料として2,700円が徴収されますが、特に技能試験や筆記試験があるわけではなく、即日発行してくれます。
国外運転免許証は、有効期限が1年です。有効期限内であれば、ジュネーブ条約加盟国内では、何回でも使用できるので便利です。
トラブルに遭った場合に適応される保険内容
普段加入している日本の自動車保険は日本国内でのみの適用なので、海外で運転中に万が一事故に巻き込まれた場合には、一切適用されないことが規定されています。ただ、海外へ出発する前に加入する通常の海外旅行傷害保険は、自動車事故の場合も適応が可能なものもあります。
たとえば「傷害死亡・後遺障害」、「傷害治療費用」は、レンタカーを使用していた時にも、本人に関しては適用されます。ただ、信号や運行速度を守って運転している時に、他の車から追突された、というようなときはある程度カバーされますが、本人が信号無視してて他の車と追突したというような場合には当然、適用されません。
「携行品の損害」も、レンタカーの中に置いていたものが盗難に遭ったり、破損した場合にも適用になります。ただ、自分で鍵のかけ忘れなどの場合は、適応外です。また、レンタカー自体が盗難にあったり、傷が付いた場合には対象外です。
通常、自動車の運転による「賠償責任」は対象外になります。対人や対物のための賠償責任の保険は、別途、車の運転のための特約に加入する必要があります。保険会社によって、保険内容が異なるので、必ず、海外旅行傷害保険の加入の際に、車を運転する旨を伝え内容を確認しましょう。
レンタカーを予約するのに必要なことは?
イタリアでレンタカーを借りる場合も、旅行前にインターネットや代理店での日本語での予約が可能です。レンタカーを運転できるのは、一般に年齢が25歳以上から65歳以下と、年齢制限もあります。レンタカー会社によって異なる場合もあるので確認が必要です。
ローマではフィウミチーノ空港や、テルミニ駅にレンタカー会社の窓口があります。空港からローマ市内への道路は、高速道路のようにバンバン飛ばすので、意外とテルミニ駅まで電車で行って、駅でレンタカーを借りる方が安心かもしれません。テルミニ駅には大手のハーツやエイビスなどのレンタカー会社が揃っています。
レンタカーを借りるためには、当日、日本の免許証、国外運転免許証、パスポート、万が一の保証のためのクレジットカードも必要です。
イタリアを運転するのにおすすめの車は?
歴史の古い街イタリアは、車の駐車スペースが少なく、小さなくねくねした細い道がたくさんあります。荷物や人数にもよりますが、絶対小さい車のほうが便利です。
また、せっかくだからと、イタリアの高級車をレンタルするというのはあまりお勧めできません。イタリアは交通マナーがよくないうえに、車の盗難などもよくある話です。駐車している間に当て逃げされる、なんてことも可能性としては考えられるので、普通の車のほうが無難です。
イタリア人は運転することが好きなので、オートマチックの車では運転してる気がしないとマニュアル車を好む傾向にあります。そのためオートマチック車両は数が絶対的に少ないようなので、オートマ車のみの運転を希望する場合は、必ず早めに予約しましょう。
またガソリン(BENZINA、ベンジーナ)だと思っていたのに、ディーゼル(DIESEL)車を貸し出されていて、給油を間違えてトラブルになってしまった友人もいます。日本と違って、係りの人がいろいろ親切に説明してくれるわけではないので、必ず、きちんと確認しましょう。
イタリアでは年齢は12歳以下、身長150cm以下までは、チャイルドシートの着用が義務付けられています。お子様と一緒のご旅行には、チャイルドシートなどのレンタルも、レンタカー会社に確認しましょう。
レンタカーの特約保険も加入して万全の態勢で!
レンタカーの利用料金には、自動車損害賠償保険が自動的に含まれていることがほとんどです。ただし、補償額が低いことが多いので、オプションで特約に追加加入することを勧められます。特に、車両損害補償制度(CDW)というのがあって、もしレンタルした車が破損した場合に、追加で支払う必要がない保険などです。事故に遭った場合は、言葉の問題もあるので、なるべく保険に入っておくほうが安心です。
上記に挙げたように海外旅行傷害保険である程度カバーできる項目もありますが、十分な補償金額ではないことが多いので、車を運転する場合の特約に加入していない場合は、万が一を考えて、追加で加入しておくとこをおすすめします。
イタリアで車を運転する際の注意点
まず、なんといっても左側通行である日本と違って、イタリアは右側通行です。ハンドルが反対側についています。慣れればどうということもないのですが、気を抜くと条件反射で逆のことをする可能性があるので、絶対気が抜けません。ただ、ギアを右側で操作するので、理屈でいうと右利きの人は左側通行より運転が簡単です。
また、イタリアの町は、町の中心地がZTL(一般車両通行禁止)エリアであることがほとんどです。レンタカーで入り込むと、罰金が請求されますのでご注意ください。
日本のように、駐車場が少ないことも難点です。路上の無料エリアは白線が引いてありますが、手入れが悪いので、色がわかりにくい場所が多々あります。有料エリアの場合は、看板に有料の時間帯などが記入されているので、近くにある自動料金支払いの機械で必要な金額を投入して、出てきたレシートを車のフロントガラスから見える位置に置いておきます。
日本にいるときと同じように、きちんと交通ルールを守って安全運転を心がければ、ひと味違うイタリアの魅力を満喫できる旅行になること請け合いです。特に、郊外のアグリツーリズモなどで自然を満喫したい場合にはぜひおすすめです。イタリアの交通ルールを守って楽しいドライブを楽しんでくださいね。
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