ローマの滞在中、たとえ短い時間でも、ローマっ子のような気分を味あうには市場へでかけてみるのが一番。いろんな種類の新鮮な野菜やくだもの、そしてサラミ、生ハム、チーズまで、何でもそろっています。しかも、芸術的感覚の優れたイタリア人らしく、毎朝色鮮やかにきれいに並べられていて、お昼過ぎにはすべて片づけられてしまうのが、もったいないような美しさです。
特に見どころはお肉やさん。大きな塊のまま、ケースの中に並べられていて、「ステーキ用に2枚』と言った具合に、その場で切ってもらいます。羊やうさぎなどは、そのままの形のままで並べられていたり、豚や牛も、内臓やしっぽ、足など、あらゆる部位に分けられている様子は、一見の価値ありです。
ローマには、たくさんの市場がありますが、ここでは、観光客でも行きやすい歴史的中心地区のカンポ・ディ・フィオリ市場、そして日本の野菜も並ぶ新エスクイリーノ市場、二つのおすすめの市場をご案内いたします。
ローマの市場の買い物の方法
ローマの各地区にある市場は、基本的に日曜、祝日をのぞいた朝市で、毎朝6時ころから営業をはじめ、午後2時ころには閉店してしまいます。午前中、早いうちに出かけましょう。
食料品は、基本的に1キロ単位の値段が表記されていますが、好きな量だけ購入することができます。日本と違って、形も大きさもそれぞれ違う野菜や果物が並んでいるので、好みに合わせて選べるところも楽しみです。商品を渡すと、お店の人が、量りで計って金額を教えてくれます。市場では、おつりをあまり用意していないところがほとんどなので、なるべく、10EURO札などの小額紙幣、小銭を持っているほうがいいでしょう。
<市場で使うミニイタリア語講座>
・「これはなんですか?」は「 Che cos’è questo? ケ・コゼ・クエスト」。この「QUESTO、クエスト」は、「これ」を意味するので、知りたいものを指さしながら、語尾を上げるイントネーションで聞いてみましょう。
・「これをください」は、「Prendo questo、プレンド・クエスト」
・料金が知りたいときは「 Quanto costa? クアント・コスタ?」。数字は、聞き取りが難しいので、量りに出ている金額を見せてもらって確認するか、紙に書いてもらうほうがいいでしょう。
・おつりを受け取ったら、おつりが手のひらにあるうちに金額を確認し、もし足りないようなら、そのままその場で聞いてみましょう。「Scusi, mi mancano ~、スクージ・ミ・マンカノ・~」は「すみません、~足りないのですが」です。~に足りない金額を入れてください。 または金額の代わりに、「少し」を意味する「Un po’、ウン・ポ」と言ってもいいでしょう。
おすすめの野菜や果物のイタリア単語
旅行中なら、おすすめは季節のフルーツ。日本と違って、あまり手をかけずに育てられているので大味ですが、素朴な季節の味覚が楽しめます。値段も日本に比べて、驚くほど安いので、気軽に試してみることができます。レストランでの外食が続く旅行中には、ビタミン不足の解消にもピッタリです。
りんご(mela、メーラ)
なし( pera、ペーラ)
ぶどう(uva、ウーヴァ)
いちぢく(fico、フィーコ)
桃(pesca、ペスカ)
あんず(albicocca、アルビコッカ)
いちご(fragola、フラーゴラ)
メロン(melone、メローネ)
オレンジ(arancia、アランチャ)
レモン(limone、リモーネ)
バナナ(banana、バナーナ)
トマト(pomodoro、ポモドーロ)
カンポ・ディ・フィオリ市場(MERCATO DI CAMPO DE’ FIORE)
ナボーナ広場とフランス大使館のあるファルネーゼ広場の間に位置するカンポ・ディ・フィオリは、ローマで最も歴史が古く、最も有名な市場です。
原っぱを意味するCAMPO(カンポ)という名前のとおり、1400年頃までは、羊などが草を食べているような草っぱらでしたが、周辺に、キリスト教巡礼者のための宿屋や食堂が作られるようになったのをきっかけに、1440年に広場として整備されました。1600年には、キリスト教会が、ジョルダーノ・ブルーノという学者をこの広場で、異端の罪によって火あぶりにしましたのもこの広場です。広場の真ん中に、そのジョルダーノ・ブルーノの像が建てられています。
歴史的中心地区にありアクセスが便利なため、現在は、観光客用のお店がたくさん並んでいます。いろいろな色や形のかわいいパスタや、小さなサイズのオリーブオイルやリキュール類、そして、パスタに和えるミックスハーブなど、お土産に便利な商品がそろいます。
また、フレッシュなオレンジジュースやザクロジュース、一口サイズにした季節のフルーツの盛り合わせなども売られているので、ぜひ、試してみたいところです。
この広場は、平日朝7時から午後2時ころまで市場として使われた後、きれいに片づけられ、午後からは同じ広場とは思えないほど、ガラッと雰囲気が一変します。広場に面したレストランやパブのテーブルが大きく並べられ、夜遅くまで若者や観光客でにぎわいます。
新エスクイリーノ市場(NUOVO MERCATO DI ESQUILINO)
テルミニ駅から地下鉄で一駅、「ヴィットーリオ・エマヌエーレ、Vittorio Emanuele」駅すぐに位置していています。
18世紀の終わりごろから始められたこの市場は、戦争中も継続して営業を続けたまさしく庶民の台所としての役割を果たしてきた歴史ある市場です。2001年に現在の屋根付きの大型市場に移転し、名称も、「新エスクイリーノ市場」となりましたが、一般には以前のとおり「ヴィットーリオ・エマヌエーレ市場」と呼ばれています。
もともとこの地区は、18世紀末にイタリア統一を成し遂げた北イタリアのサヴォイア家によって開発されたので、特にヴィットーリオ・エマヌエーレ広場に面した由緒ある建物は、トリノを彷彿させる回廊のあるエレガントな造りになっています。ところが、現在は、中国人をはじめとして、バングラデッシュ、パキスタン、モロッコやアルジェリアなどの北アフリカの人々など、ローマの中で最もエスニックな地域となっています。
この土地柄を反映して、現在のこの市場は、ローマの中でも独特の雰囲気です。イタリア人がいるお店のほうが少なく、ほとんどが外国人の店員さんで、大きな呼び込みの掛け声は、イタリアにいることを忘れさせられます。
この市場のおすすめは、中国人経営の八百屋。ここにくれば、中国のお豆腐やチンゲン菜などの中華の食材はもちろんのこと、大根、白菜、もやし、にら、レンコン、長芋など、日本の食材も手に入るので、長期滞在、在住者には、日本の味が濃いしくなった時に、最適です。市場の近くには、中国人経営の食材店も多数あり、海苔や醤油、味噌や日本米など、ほとんどの日本の食材が、安く販売されています。
また、インド人経営のお店では、クミンやターメリック、ガラム・マサラなどのカレー用のスパイスが量り売りされています。ここでは、いろんな種類の豆や米、そしてナッツ類なども量り売りされているので、気軽にエスニックな味も楽しめます。
また、北アフリカ系の八百屋では、見たこともない野菜に混じって、ニガウリやモロヘイヤ、オクラといった野菜も売られています。イスラム教徒のためのお肉やさんもあり、異国情緒満点です。
カメラを片手に持ったアメリカ人観光客などのツアーも目にしますが、この界隈は独特の雰囲気なので、身の回りの持ちものには気を付けて買い物をしましょう。
VIA PRINCIPE AMEDEO 184
営業時間:5時~15時(火、金、土は17時まで、日曜休み)
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