意外にも日本の北海道と同じくらいという高い緯度に位置するローマ。サマータイムが終わって11月になると、夕方17時頃になるとかなり薄暗くなります。そのためかなり早い時間から、観光スポットが美しくライトアップされた様子をみることができます。夕食前の早い時間に、昼間と違う表情を楽しめるナイトツアーを楽しんでみませんか?ここでは、ローマのおすすめライトアップスポット3選と、歩き方、注意点をご案内します。
たくさんのライトに照らされた幻想的なローマの夜の表情
世界有数の観光地ローマでは、日が落ちて暗くなると、観光スポットが美しいライトで照らされます。日本のように信号や街灯、ネオンサインがほとんどない世界遺産の街だけに、観光地のライトがより美しく夜の闇の中で輝きます。
昼間明るいところで見る古代ローマの遺跡も、全く違う幻想的な雰囲気に大変身していたり、昼間は市場として使われているカンポ・ディ・フィオリ広場は、市場はきれいに片づけられて、レストランやパブのテーブルが並ぶ夜のスポットに変身します。
また普通の通りでも、クリスマスのイルミネーションが美しく飾り付けられます。クリスマス前の数週間だけではなく11月下旬から2月末くらいまでの比較的長い冬の間、いわゆる「ルミナリエ」という灯りのデコレーションが続きます。
ライトアップを楽しむためには何時頃が最適?
日本のように治安がよくないイタリアでは、ライトアップがきれいだからといって、あまり遅い時間まで出歩かないようにすることが大切です。10月の最終日曜日にサマータイムが終わり、11月に入ると17時には日が暮れてしまいます。そして12月22日頃の冬至に向かって、さらに夕暮れの時間が早くなります。
この時期、大体16時くらいから街灯に明かりがともり、夕暮れの光と薄明るい街灯の光が独特の効果を生み出して、昼とは違う表情を見せ始めます。ナイトツアーと言っても、この時間にはスタートすることができます。
ローマの夜の街の治安は、何時ころまで大丈夫?
ローマの街は、20時ころまでは仕事帰りの通勤の人、ショッピングをする人、など普通の人たちでも賑わっているので、あまり危険なことはないと思います。ただ、20時になるとほとんどのお店は閉店し、夕食の時間になるので、途端に人通りが減ってきます。20時を過ぎてもウロウロしないことをお勧めします。
またバスや地下鉄などの交通機関は、通勤の人などで19時頃をピークにラッシュの時間を迎えます。人込みを狙ったスリなども多発するので、ご注意ください。何日か滞在する場合は、一度に欲張ってあちこち動き回らずに、夜景スポットの近くのレストランで夕食を取るようにして、毎日少しづつ見て回る方が安全なやり方だと思います。
映画でも有名な夜景がきれいなおすすめ観光ポイント3選
(1)聖ピエトロ大聖堂とサンタンジェロ城
夜になるときれいにライトアップされたクーポラが王冠のように輝いて宝石のように美しい聖ピエトロ大聖堂。昼間は観光客であふれている30万人収容の聖ピエトロ広場も、すっきりとした静謐感が漂っていてまるで絵のようです。回廊に並ぶ4本の柱の陰影がより立体感を生み出します。
ここは、ローマ法王の住居もあるだけあって、たくさんの警察や軍隊が警備しているので、意外と安全です。聖ピエトロ大聖堂の前のコンチリアツィオーネ通りをまっすぐ進んだ先にタクシー乗り場があるので、帰りはタクシーを利用するほうが安心です。
また、コンチリアツィオーネ通りの突き当りを左に曲がると、サンタンジェロ城です。映画「ローマの休日」の大乱闘のシーンとして有名な名所。ここも軍隊が警備していますが、なんとなく夜は寂しい雰囲気です。あまりゆっくり長居はせずに、天使の輝くサンタンジェロ橋を通って、さっさと人出の多いローマの中心側に渡りましょう。
(2)ナヴォーナ広場とパンテオン
レストランやバルなど、飲食店が多いエリアにあるお馴染み観光スポット。このあたりは食事をする人で賑わっているエリアなので、比較的安心して回れます。どちらも、広場の真ん中にオベリスクのある噴水があって、美しくライトアップされています。
映画「天使と悪魔」にも出てきたナヴォーナ広場の噴水は、夜見ると更に迫力満点です。
ナヴォーナ広場からパンテオンへは、間に上院であるマダーマ宮があって、しっかり警備されているので安心です。
暗闇の中で見るパンテオンは、得体が知れない怪物のような一種独特な迫力を持って迫ってきます。
(3)トレヴィの泉とクイリナーレ宮殿
言わずと知れたローマの夜景スポットの代表トレヴィの泉。有名な映画「甘い人生」で、ヒロインがドレス姿のまま泉の中へ入っていって、主人公を呼ぶ有名なシーンも夜でしたね。
修復後きれいになった泉は、ライトに照らされてため息が出るほど美しく蘇っています。ここも当然、警察などが警備していますが、物売りの人などもごった返していて、なんとなく物騒な雰囲気です。持ち物には十分注意しましょう。
トレヴィの泉に向かって右手には、大統領府であるクイリナーレ宮殿があります。たくさんの人が行きかうレストランが建ち並ぶ通りを登っていくと、ローマの7つの丘で一番高いクイリナーレの丘です。この警備が厳重な大統領宮殿の前にあるクイリナーレ広場からは、ローマの街の眺望が広がっていて、遠くには聖ピエトロ大聖堂のクーポラまで見えます。
広場中央にあるオベリスクのある噴水には、古代ローマ時代に造られた巨大な大理石の双子像があって、ライトアップされている姿は壮観です。
かなり注意が必要な古代遺跡群
ライトアップされた姿は、とても美しいコロッセオやフォロ・ロマーノの遺跡群。ただ、普通のイタリア人が行き来する場所ではない観光地なので、日が暮れるとかなり寂しくなります。訪れる観光客も警察も軍もいることはいるのですが、遺跡が巨大なだけに何かあった時を考えると危険なのであまりお勧めできません。
どうしても行きたい場合は、すっかり暗くなる前、早い時間に行くことをお勧めします。
2015年11月にパリで起きた大規模なテロ事件から、ローマ市内を拳銃を片手に兵士が警備をしてくれています。警察もあちこちにいるので、もし、危険な目に遭いそうになったら、恥ずかしがらずに大声で助けを呼びましょう。
夜のローマのライトアップは本当に一見の価値があるので、気を付けて楽しんでくださいね。
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