絵画が好きなら絶対チェック!美術史美術館

オーストリア
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ウィーンには、数多くの美術館や博物館があります。観光でウィーンを訪れているのならば、限られた滞在時間内ですべての美術館や博物館を訪れるというのは難しいですよね。どれか一つ、ウィーンで訪れる美術館を選ばなければならないのだとすれば、筆者は美術史美術館をお勧めします。膨大な芸術品のコレクションと、その建物自体の美しさに、きっと満足すること間違いなしだと思います。

 

1美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)

 

ウィーン1 区、リンク通りに面した、マリア・テレジア広場(Maria-Theresien-Platz)には、広場の中央にあるマリア・テレジアの像を挟んで、左右にそっくりな形の建物が2件建っています。

双子ミュージアム、などと呼ばれるこの二つの建物の一つは、オーストリア最大の博物館である自然史博物館(Naturhistorisches Museum)。そして、自然史博物館と対になって建っている建物が、今回ご紹介する美術史美術館です。古代から19世紀までの、ヨーロッパ各地の美術品を収蔵しています。

 

 2 美術史美術館、建築の歴史

 

美術史美術館は、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命で、ハプスブルク家の皇帝や大公たちが何世紀にもわたって集めた美術品を収蔵するために、1872年から建設が始まりました。

1876年までは、ドイツのドレスデンにあるゼンパーオーパーを設計したことで有名なゴットフリート・ゼンパーが、その後はカール・ハーゼナウアという建築家が設計を手がけました。オープンしたのは1891年のことです。

ネオ・ルネッサンス様式の、その豪華絢爛な建物は、100年以上たった今でも圧倒的な美しさで人々を魅了し続けています。

 

3 チケット料金とオーディオガイド

 

美術史美術館の正面入り口には2つの扉があります。(かなり大きくて重たい扉です。風で強く閉まったりすることもあるので注意しましょう。)どちらの扉から入っても、入った直後にチケットを買う場所があります。

チケットの料金は、大人1枚15ユーロ。19歳以下は無料です。

ウィーンに長期滞在している美術好きの方にお勧めなのは年間パスポート。発行から1年間訪れ放題で34ユーロと、3回訪れれば元が取れてしまうお得な料金です。

このチケットは、美術史美術館だけでなく、英雄広場にある新王宮と共通のチケットです。新王宮も見ごたえたっぷりな場所なため、時間に余裕がある日に美術史美術館と新王宮を、セットで訪れるプランが筆者のお勧めです。

チケットを購入したら、いよいよ美術史美術館の中に入りましょう。入ってすぐのところに、チケット係の人が立っているので、購入したチケットを見せて入場してください。

入った瞬間、豪華な装飾が施されたエントランスホールに、きっと息を飲むことでしょう。

 

美しいエントランスの左手奥と、右手奥にカウンターがあります。

左手奥のカウンターでは、オーディオガイドが貸し出しをされており、日本語のオーディオガイドも4ユーロで貸し出しされています。

右手奥のカウンターでは、館内地図とインフォメーションのパンフレットをもらうことができます。こちらも日本語のものがあります。

 

4  階段を上って、絵画ギャラリーへ

 

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絵画ギャラリーは、美しい大理石の広い階段を上った先の2階(オーストリアでいう1階)にあります。階段を上っていると、絵画ギャラリーにたどりつくまでの階段ホールが、すでに素晴らしい芸術作品だということに気づくでしょう。

そして、振り向けば

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なんと、クリムトの絵画まであるんです。そう、この階段ギャラリーは、当時まだ若かったグスタフ・クリムトも制作に関わっていたんですね。

絵画ギャラリーは大小合わせて全38室。階段を挟んで右側と左側でオランダ・フラマンおよびドイツ絵画のパートと、イタリア、スペインおよびフランス絵画のパートに分かれています。また、階段の裏手には特別展があります。

館内は広々としています。各部屋の中央には、観賞用のソファが置かれているので、気に入った絵画の前に座り、心ゆくまでじっくり鑑賞することができるでしょう。

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美術史美術館で、是非鑑賞しておくべき、「バベルの塔」「子供の遊戯」「雪中の狩人」「農民の婚礼」「農民の踊り」などのビーテル・ブリューゲルの作品はⅩ番の部屋に、「絵画芸術の寓意」などヨハネス・フェルメールの作品は22番の部屋に(21~24の部屋は2017年2月まで改装のため閉鎖していますが、フェルメールなどの重要作品は、ほかの部屋に分散されており、観賞可能)、「白いドレスの王女マルガリータ」などのディエゴ・ベラスケスの作品は10番の部屋に配置されているので、見逃さないようにしましょう。

 

5  美術史美術館の世界一美しいカフェ

 

美術史美術館の2階の丸天井ホールには、世界一美しいカフェ、と言われるカフェがあります。

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実際には、カフェ・レストランで、軽食や飲み物の他にも、ウィーン風シュニッツェルのようなしっかりとした料理も堪能できます。

 

6  美術収集室と古代コレクション

 

建物の中二階には(この美術館では0.5階という表記になっています)クンストカンマーと呼ばれる美術収集室と古代ギリシャ・ローマ・コレクションおよび古代エジプト・オリエント・コレクションがあります。

美術収集室では、宝石の容器や彫刻、ブロンズ像、時計など、2200点もの芸術作品を鑑賞することができます。

古代ギリシャ・ローマ・コレクションには、ローマの皇帝たちが実際に手にした芸術品や、民族大移動時代の珍しい発掘品など、歴史を感じる古美術品が並びます。古代エジプト・オリエント・コレクションでは、貴重なパピルス文書、古代エジプト様式の壁装飾、石像やレリーフなどが数多く展示されています。眺めていれば、古代の歴史や文化を肌で感じることができるでしょう。

 

7  コインコレクション

 

建物の3階(オーストリアの2階)にはコインコレクションがあります。美術史美術館のコインコレクションは、世界で5本の指に入る規模のコレクション。何と50万点もの貨幣とメダルを見ることができます。

 

8  ショップ

 

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建物の入口右手の半地下1階には、美術史美術館のショップがあります。絵画集や絵葉書などはもちろんのこと、有名絵画のモチーフのトランプ、ぬいぐるみ、クッションなど、お土産に最適なものがたくさんそろっているので、是非訪れてみてください。

なお、ショップだけを訪れたい人は、入場券を買う場所でその旨を伝えると、ショップのみを訪れる人専用の、首にかけるタイプの通行証を無料で貸し出してもらえます。ショップだけ訪れたい人はこの方法で入場してみてくださいね。

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