普段意識していないけれど、日本の水は軟水と言う口当たりの優しい飲みやすい水です。
一方、イタリアなどヨーロッパは水は硬水という種類で、日本と水の種類が違います。また、日本と違いレストランやバールで水は有料です。
しかも、イタリアは日本に比べて乾燥しているので、日本にいるときより、すぐに喉が乾いてしまいます。
ここでは水の種類、水の買い方、ペットボトルの水の種類などイタリアの水にまつわる情報をお伝えいたします。
イタリアの水は硬水
水(ACQUA、アクア)は大きく2種類に分かれていて日本の水は甘くて飲みやすいといわれる軟水です。
一方イタリアをはじめとするヨーロッパや北米は硬水といいカルシウムやマグネシウムなどの重要なミネラル分を多く含みます。
旅行用ガイドブックには「イタリアの水は硬水だから飲まないほうがよい」と書いてありますが、硬水に慣れていない日本人は、お腹を壊すというケースが時々あるそうです。
衛生的な問題ではないので普通にイタリアに住んでいる人は水道水も飲みますが、実際には味覚の問題でイタリア人でも水道水は絶対飲まずに、ペットボトルの軟水を愛飲している人はたくさんいます。
テレビや雑誌でも有名なサッカー選手やモデルによる水のコマーシャルを見かけます。
ローマの街にあふれる噴水の水
夏のローマは、太陽光がとても強く気温が40度前後まで上がり、雨はほとんど降りません。
それにもかかわらず、ローマの街中にトレヴィの泉をはじめとする数多くの噴水があり、惜しげもなく涼しげな水しぶきをはね上げています。時にはローマの近郊の街では、水不足のため断水が行われることがありますが、ローマでは水はいつでも豊富です。
それは古代ローマ時代に造られた2000年前の水道橋のいくつかが現在でも立派に機能していて近郊の山々から運んできた天然水があるからなのです。
当然、ローマの水道局の基準のもとに現在でも飲料水として利用されています。
ローマの街を歩いていると、時折飲み水用の噴水があり、器用にそのまま口を近づけて飲んだり、ペットボトルに水を詰め込む人たちを見かけます。手を近づけてみると、そのあまりの水の冷たさにびっくりしますよ。
レストランでも、水は有料
歩き回って疲れて入ったレストランで、すぐに無料の冷たい水を持ってきてもらえるのは、日本独特の素晴らしい習慣です。
イタリアでは水はすべて有料なので、まずはお水を注文しましょう。
水には日本のようなナチュラルな水(ACQUA NATURALE、アクア・ナトゥラーレ)と、発泡水(ACQUA FRIZZANTE、アクア・フリッザンテ)の2種類です。
イタリアはなんでも時間がかかるので、メニューを持ってきてもらうときにすぐ注文することをお勧めします。
普通のお水のことをガスが入らないという意味で「ノン・ガス」という言い方をすることがありますが、イタリア語は含めるという意味が「コン(CON)」なので、結構ややこしい言い方です。普通のお水が欲しいときは否定の意味で首を振りながら「アクア・ノン・ガス」と言うか、「アクア・ナチュラーレ」と直接言うか、イタリア語で含まないを意味する「センツァ(SENZA)」を使って「アクア・センツァ・ガス」というほうがわかりやすいと思います。
また、イタリアのレストランではお水といえば1000ml入りの瓶を意味します。多いと思うときは、小さい(PICCOLA、ピッコラ)瓶と指定しないと1000ml瓶が運ばれてきます。残念ながら500mlの小さい瓶がないところも多いですが。
どこで水を買う?
イタリアで水を買おうと思ったら、一番値段が安いのはもちろんスーパーです。
また、駅の構内などにある自動販売機は、機械が壊れていて商品が出ないことやおつりが出ないことが多いのであまりお勧めできませんが、値段が書いてあるのでわかりやすいですね。ただし、道端の自動販売機というのはまずありません。
観光地には、よく食料品を載せた出店のようなミニバンが停まっていますが、意外なことにかなり高額なので、買う前には値段を確認したほうがよいでしょう。もしバールがあれば、バールのほうがよっぽど良心的だと思います。
また、最近ではお土産物屋などでお水が売っていて、軒先に「AQUA 、1EURO」などと、500mlの水のペットボトルが1EUROである旨を書いているので、そういうところで買っても良いでしょう。
水のペットボトルは、どれを選ぶ?
ミネラルがわずかな水
180度に熱したときのミネラル含有分が1000ml当たり50ml以下になる水。
口当たりがよく、体への吸収がよい、日本人におなじみの軟水です。さすが硬水の国イタリアでは市販されている水のうち10%以下しかないそうです。
- SANT’ANNA(サンタ・アンナ):イタリアで人気の軟水なので比較的どこでも手に入ります。ミネラル分は40ml。
ミネラルが少ない水
WHOの規定では軟水はミネラル分が100ml以下ですが、イタリアでは50ml以上500ml以下の水を、ミネラルが少ない水(ACQUA OLIGOMINERALE、アクア・オリゴミネラーレ)と呼びます。市販の水の半分を占めているほど一般的で、デトックス効果が高いと言われます。
ちなみに日本で有名なフランスの水エビアンは304mlです。
- SAN PELLEGRINO(サン・ペレグリーノ):日本のイタリアレストランで人気の水。ミネラル分は200.8ml
- LEVISSIMA(レヴィッシマ):ミネラル分80.5ml。
- ACQUA PANNA(アクア・パンナ):ミネラル分142ml.
ミネラルウォーター
イタリアではミネラル分500ml以上1500ml以上の水をミネラルウォーターと呼びます。市販の水の4分の1を占めます。
カルシウムやマグネシウムが豊富ですが、塩分も多く含まれる場合があるので、高血圧などの方にはおすすめできません。
- FERRALERRE(フェッラレッラ):ミネラルウォーターの中では、天然の炭酸水が人気の水。ミネラル分1283mlと高く、カルシウムが豊富に含まれています。
- ACQUA SANGEMMINI(アクア・サンジェミニ):ミネラル分が988mlも含まれているのですが、ミネラル分がバランス良く配合されているので赤ちゃんにも最適と言われています。
ローマの水
- EGERIA(エジェリア):旧アッピア街道沿いの緑あふれる地区に湧き出るローマの水。638.1mlのミネラル分配合のミネラルウォーター。
地元の水なのでエコロジーです。普通の水(LISCIA、リッシャ)がピンク色、自然な炭酸水(EFFERVESCIENTE NATURALE、エッフェルヴェシェンテ・ナチュラーレ)が緑、そしてガス入り水(GASSATA、ガッサータ)が青いボトルの3種類あります。
間違えずに軟水を選ぶ秘訣
スーパーの水売り場はたくさんのメーカーのペットボトルが乱雑に山積みされているので、お目当ての軟水を選ぶのは難しそうですが、ナチュラルな水のペットボトル(BOTTEGLIA DI ACQUA、ボッティリア・ディ・アクア)は柔らかめ、というのが目安です。
炭酸水はペットボトルの中のガスを押さえるために固めの容器に入っているようです。ボトルの色は、ナチュラルな水は透明で、炭酸水は緑や青のボトルに詰められていることが多いです。
いろんな表記がありますが、軟水は「NATURALE(ナチュラーレ)」または「LISCIA(リッシャ)を選ぶと間違いないでしょう。
「EFFERVESCIENTE NATURALE(エッフェルヴェシェンテ・ナチュラーレ)」は自然な炭酸なので、間違わないようにご注意ください。
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