話題の高速列車フレッチャロッサ1000に乗ってみよう!

ローマ

これまで「イタリアの列車は遅い、遅れる」のが定説でしたが、私鉄イタロの参入によりようやくイタリア国鉄も近代化されました。高速列車フレッチャが登場し鉄道の旅はかなり便利になりました。美しいイタリアの景色を窓から眺めながらの鉄道の旅は格別です。ローマからあちこち日帰りの旅も可能になりました。ここでは高速列車フレッチャの運行路線、所要時間、料金などを、新型車両フレッチャロッサ1000を中心にご紹介します。

 

便利なトレニタリアの高速列車フレッチャ

 

イタリアでは、イタリア国鉄のトレニタリア(TRENITALIA)が、イタリア国内やヨーロッパ諸国の主要都市あわせて約250の街を高速で結んでいます。以前はインターシティやユーロシティなどの特急列車のみでしたが、現在は、矢を意味するフレッチャと呼ばれる高速列車があります。

フレッチャは速度や運行路線などにより、フレッチャロッサ(FRECCIA ROSSA)、フレッチャアルジェント(FRECCIA ARGENTO)などに分かれています。最近ではフレッチャロッサに新機能を搭載したフレッチャロッサ1000が好評です。

ちなみにフレッチャ以外の在来線は、これまでどおり遅延が多いので、おすすめできません。

ローマからの所要時間の目安

 フレッチャロッサ1000フレッチャロッサ

 

フレッチャ

アルジェント

フィレンツェ1時間31分1時間32分1時間33分
ミラノ中央駅2時間55分3時間20分なし
ヴェネツィア3時間45分3時間45分3時間45分
ナポリ1時間7分1時間10分1時間12分

フレッチャロッサとフレッチャアルジェント 

フレッチャロッサは、最高時速が300kmにも達する高速列車で、イタリアの主要都市を1日171路線結ぶ便利な列車です。

  • トリノ、ミラノ、レッジオ・エミーリア、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、サレルノ間の主要幹線は1日101便運行。そのうち2本はサレルノから南端のターラントまで運行。
  • 次いで、トリエステ、ヴェネツィア、パドヴァ、ビチェンツァ、ヴェローナ、ブレシャ、ミラノ、トリノ。北イタリアを東西に走る線が44便。
  • ヴェネツィア、パドヴァ、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、サレルノは、22便。
  • ミラノ、レッジオ・エミーリア、ボローニャ、リミニ、アンコーナ、ペスカーラ、フォッジア、バーリ間のアドリア海沿いを南北に走る線が4便。

フレッチャアルジェントフレッチャロッサの主要駅に次ぐ駅とローマを結ぶ路線です。ジェノヴァ、ピサ、マントヴァ、モデナなどの駅へも合計1日44便、最高時速250kmで、運行しています。北のボルツァーノやベルガモ、南のイタリア半島のかかとの街レッチェやレッジオ・カラーブリアなどへも高速で運んでくれます。少し前までは、ナポリ以南の電車は絶対に信用するなと言われていたのがウソのようです。

フレッチャは、全席に電源用のコンセントが配置されていてWIFIがフリーで使えます。また、車椅子のまま乗れるようなスペースもあり、各車両にあるトイレには障害がある方や赤ちゃんを連れた方でも使いやすいような広いスペースを用意しています。

おすすめフレッチャロッサ1000

 

フレッチャロッサの新顔フレッチャロッサ1000。最新技術を駆使し、快適、安心、エコロジーな「降りたくなくなる」列車をキャッチフレーズにしています。しかも、最高時速は400kmという超高速の列車です。

環境を考え、二酸化炭素の排出や騒音、振動も従来に比べて少ないので、快適に旅行を楽しめます。またフレッチャロッサ1000の車体は、ほぼ100%リサイクルの素材で作られている環境に優しい列車です。

フレッチャ1000は全長202m、先頭はエクゼクティブクラス、そしてビジネスクラス、ビストロのあるビジネスクラス、4号車がプレミアムクラスで、残り4車両がスタンダードクラスという8両編成です。

運行は、トリノ、ミラノ、レッジオ・エミーリア、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、サレルノ、ポテンツァ、ターラント。または、ヴェネツィア、パドヴァ、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、サレルノという2路線です。

フレッチャロッサ1000の快適な車内

フレッチャ・ロッサ1000のエクゼクティブクラスは、1号車内に10席しかない贅沢な造りです。幅74cmもある快適な本革肘掛け椅子は180度回転し、座席どおしの間隔は1m50cmもあります。また32インチのモニターのある5人用の会議室もあります。

飛行機のように、テレビで有名なシェフ、カルロ・クラッコの昼食、夕食や、コーヒーなどの軽食、新聞、雑誌などが座席まで運んでもらえるサービスがあります。駅では、フレッチャクラブの専用ラウンジが使え、出発のホームまで担当者が案内してくれるサービスも用意されています。

続くビジネスクラスも、幅69cmある本革の椅子で、前後の間隔は1m以上、リクライニングは109度まで倒せるゆったりサイズ。ビジネスクラスの3号車には、イタリアの伝統料理の食事ができるビストロや、障害のある方へ配慮したトイレも用意されています。

プレミアムクラスも本革の椅子で、ビジネスクラス同様109度まで倒せるリクライニングがあるので料金的に一番お得な人気の席種です。スタンダードも、エコレザーの椅子ですが、サイズはプレミアムクラスの大きさで、従来の列車より快適に過ごせます。

フレッチャの料金体系

フレッチャは車体が変わっても、すべて同じ料金です。ただしフレッチャアルジェントは、席種の名称が他と異なり、スタンダードが2等席、ビジネスが1等席に相応しています。

ローマからの席種別の基本料金バーゼ(BASE)            単位:EURO

 スタンダードプレミアムビジネスエグゼクティブ
フィレンツェ475767115
ミラノ中央駅91107122220
ヴェネツィア86102117194
ナポリ455561110

基本料金BASE(バーゼ)のほかに、エコノミー(ECONOMY)、スーペル・エコノミー(SUPER ECONOMY)という早割のような割引チケットもあります。

  • エコノミー:バーゼの約25%割引。変更は出発の24時間以内のバーゼ料金で可能。バーゼ料金への差額が必要。キャンセルの場合、返金不可。
  • スーペル・エコノミー:バーゼの約40%割引。変更、キャンセル不可。

その他の割引

往復割引(AR IN GIORNATA、アンダータ・リトルノ・ イン・ ジョルナータ):同日の往復には、バーゼ料金に対して一定の特別割引。ただし往復とも1回ずつの時間変更のみ可能。日にち変更、キャンセル不可。

子ども割引(BIMBI GRATIS、ビンビ・グラーティス):2人から5人までのグループ内に、最低大人が1名と15歳未満の子供が1人いる場合、大人のみがバーゼ料金で旅行できます。ただし、日にちと席数限定。出発前の場合、1回のみ差額料金が必要ですが変更可能。キャンセルは20%の手数料必要。

 

街はずれの空港に到着する飛行機よりも手軽な鉄道の旅。お得なプロモーション料金をうまく利用して鉄道で旅してみることをお勧めします。

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