ウィーンで子どもが産まれたママやパパが忘れてはならない作業の一つに、「子どものパスポートの取得」があります。これから一生オーストリア国外に出ないのであれば話は別ですが、帰省や旅行などで急きょパスポートが必要になってくることは必ずあるのではないかと思います。いざ必要になったときに慌てないためにも、子どもが産まれたら、時間に余裕があるときにパスポートを作っておくと良いでしょう。
子どもの日本のパスポートを作る
両親ともが日本人の場合はもちろん、両親のうちどちらかが外国人でも、子どもが22歳に達するまでは重国籍が認められています。
そのため、両親のうち片方が日本人であれば日本のパスポートを作ることが可能です。
オーストリアでは、日本のパスポートは在オーストリア日本国大使館で作成します。
オーストリアの日本国大使館は、ウィーン1区、Schottentor(ショッテントーア)という駅のすぐそばにあります。
日本国大使館はドイツ語でJapanische Botschaft(ヤパーニッシェ・ボートシャフト)と言います。
在オーストリア日本国大使館
Access Denied
パスポートを申請するのに、予め予約する必要はありません。
日本のパスポートができるまでの所要日数
原則、土曜日と日曜日、祝日等の閉館日を除いて申請翌日の午後以降に出来上がります。
子どもの日本のパスポートを取得する際の申請書類
・子どもの写真1枚・・・カラー、白黒のどちらでも可。縦4,5cm×横3,5cmで6か月以内に撮影されたもの。
・手数料・・・12歳未満の5年有効券は49ユーロ
・申請用紙・・・大使館でもらうこともできますが、インターネットでダウンロードすることも可能です。ダウンロードは以下のサイトから
ダウンロードは海外でのみ可能です。
・戸籍謄本または抄本・・・6か月以内に発行されたもの
・代理申請人の身分証明証(パスポートなど)
・婚姻証明書、または出生証明書・・・両親のどちらかが外国人で、ローマ字表記や別命併記を希望される人のみ
日本のパスポートには5年パスポートと10年パスポートがありますが、20歳未満の子どもが取得できるのは5年パスポートのみです。
パスポート申請は本来本人が行うものですが、未成年のパスポートは代理申請が可能です。本人が記入すべき個所や、本人がするべき署名も代理人が行うことができます。
在オーストリア日本国大使館
住所: Heßgasse 6, 1010 Wien
電話番号: +43 1 531 92 0
開館時間: 月曜日から金曜日9:00~12:00、13:30~16:30
アクセス: Schottentorから徒歩3分
子どものオーストリアのパスポートを作る
オーストリアにお住いのママ、パパの中には配偶者がオーストリア人という方も多いと思います。
日本人とオーストリア人の間に産まれた子どもは、22歳になるまで重国籍が認められていますので、日本のパスポートだけでなく、オーストリアのパスポートを取得することも可能です。
基本、日本のパスポートさえあればどこにでも移動は可能なのですが、EU内の移動をする場合や、オーストリア人の配偶者が子どもと移動する場合などは、オーストリアのパスポートの方が便利なこともありますので、子どもが産まれたら一応取得しておくことをお勧めします。
子どものオーストリアのパスポートを作成するためには、役所(Bezirkshauptmannschaft(ベチルクスハウプトマンシャフト)に行きましょう。お住いの区に関係なく、どの区の役所でもパスポートは申請することが可能です。
以下のリンクで、ウィーン市内でパスポートが申請できる役所の住所の一覧が確認できます。
オーストリアの未成年のパスポートは、子の法定代理人が代理で申請します。
本人が署名する箇所は、子どもが自分で署名できれば自分で、まだできないようであれば代理人が署名します。
オーストリアのパスポートができるまでの所要日数
・ノーマル・・・土曜日、日曜日、祝日を除き、約5日後に送付してもらえます。
・エクスプレスパス(Expresspass)・・・急ぎでパスポートを手に入れたい人は、このエクスプレスパスを希望すると、他のパスポートよりも優先的に早く作ってもらえます。ただし手数料がかかります。
・1日エクスプレスパス(Ein-Tages-Expresspass(アイン・ターゲス・エクスプレスパス)・・・土曜日、日曜日、祝日を除き、申請した翌日にパスポートを発行してもらえます。ただし手数料がかかります
子どものオーストリアのパスポートを取得するための必要書類
・代理申請人の身分証明証
・子どもの写真1枚・・・カラーのみ可。縦4,5cm×横3,5cmで6か月以内に撮影されたもの
・子どもの出生証明書(Geburtsurkunde(ゲブルツウアクンデ))
・子どもの国籍証明書(Staatsbürgerschaftsnachweis(シュターツビュルガーシャフツナハバイス))
・結婚証明書(Heiratsurkunde(ハイラーツウアクンデ))等、自分が子どもの保護者であることを証明できるもの
・手数料・・・
・2歳まで
・ノーマル 無料
・エクスプレスパス 45ユーロ
・一日エクスプレスパス 165ユーロ
・2歳から12歳まで
・ノーマル 30ユーロ
・エクスプレスパス 45ユーロ
・1日エクスプレスパス 165ユーロ
・12歳から18歳まで
・ノーマル 75,90ユーロ
・エクスプレスパス 100ユーロ
・1日エクスプレスパス 220ユーロ
実際に作ってみた感想
筆者は子どものために、日本のパスポートとオーストリアのパスポートの両方を申請しました。
どちらも大きな問題もなくスムーズに作成できましたが、少しだけややこしいと感じたのは、日本のパスポートを作成する際の、申請書に書き込むカタカナ表記の難しさでした。
本来はアルファベットである住所や、配偶者の名前を全てカタカナで書きこまなければならないのですが、カタカナ表記のルールが少し難しく、何回か書き直しをすることになりました。
筆者は日本国大使館の閉館時間ぎりぎりに訪れたために、その日のうちに修正が終わらず、翌日出直すことになってしまいました。日本のパスポートの申請書の書き込みは、思ったよりも時間のかかる作業でしたので、初めて申請する人は、時間に余裕をもって大使館を訪れることをお勧めします。
また申請の際提出する顔写真ですが、日本のパスポートの申請では、規格に沿っていれば自分で撮影したものでよいということだったので、自宅で撮影していきました。しかし、光の加減や背景の色合いなどでNGとなり、結局大使館の近くのパスポート用の写真を撮ってくれる写真館に行くことになりました。
※写真: パスポート写真の基準を満たしているというマーク
写真屋さんで撮ると、それなりの値段がするのでもったいない気がしたのですが、やはり自分で撮るよりも綺麗に取れます。
またオーストリアのパスポートを申請した際、その写真がパスポート用の写真として写真屋で撮られたかチェックされましたので、時間と手間を省くのならば初めからプロの写真屋に撮ってもらう方が便利だと感じました。
コメント