オーストリアでお買い物 ~スーパーマーケット編②~

オーストリア

オーストリアで、長期間滞在することになったのならば、出来た方が便利なのが自炊ですよね。でも、いざスーパーマーケットにお買い物に来てみると、「あれ?あの食材はドイツ語で何ていうんだろう!?」と焦ることって結構多いんです。前回は、オーストリアでのスーパーマーケットのお買い物の基本テクニックについてお話ししました。今回はもう一歩踏み込んで、オーストリアでの上級お買い物テクニックをご紹介しましょう。

1.野菜、果物

オーストリアの野菜や果物は、日本よりも大抵安く手に入ります。日々オーストリア料理ばかりを食べていると、肉料理に偏ってしまいがちなので、自炊するときは積極的に野菜や果物を取り入れていきたいですよね。

さて、オーストリアのスーパーマーケットで野菜や果物を買う時には、日本と少し違ったシステムが存在します。

1個いくら、1パックいくら、という売り方をしている野菜や果物ならば、そのままカートに入れてレジに持って行けばよいのですが、何グラムいくら、という売り方をしている野菜や果物は注意が必要です。自分で何グラムか重さを量ってレジに持って行かなければならない店舗があるからです。

まずは、自分が買いたい野菜、果物の売り場をざっと見渡してみてください。売り場の一角に量りが置いていませんか?量りが置いてあるお店は、自分で品物を計量しなければならないシステムです。

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この量りの上に、購入する野菜や果物を載せてみてください。品物の重さが表示されたでしょうか?

表示されたら、商品番号のボタンを押します。商品番号は、品物の札に書かれていますよ。

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札の一番下に書かれている、Waagentaste(ヴァーゲンタステ)というのが商品番号です。この商品の場合、商品番号は4番になります。

商品番号のボタンを押すと、機械から値段の書いたシールが出てくるので、それを商品に貼りつけてレジに持って行きましょう。少し面倒なシステムですが、これを忘れるとレジで販売を拒否してくる店員さんもいるので、必ず行うようにしましょう。

オーストリアに売っている野菜や果物は、日本で私たちが見慣れている野菜や果物と違う姿形をしていることが多々あります。知らないで購入してしまうと、思ったように料理できなくて悔しい思いをすることもあります。今回は要注意な野菜、果物たちをご紹介したいと思います。

■きゅうり

きゅうりはドイツ語でGurke(グルケ)といいます。オーストリアで売られているきゅうりは、ぱっと見ただけではズッキーニと勘違いしてしまうほど長くて大きいものが普通です。

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隣に並んでいる、トマトやパプリカと比べて頂けると、大体その大きさの想像がつくのではないかと思います。味は、日本で売っているきゅうりとほぼ同じですが、少し薄味でぼんやりとしたな印象があります。細くて短い、日本風のきゅうりが欲しい時は、市場などで手に入れることができます。

■かぼちゃ

オーストリアでは秋になると、店頭に数えきれないほどの種類のかぼちゃが並びます。かぼちゃはドイツ語でKürbis(キュルビス)と言うのですが、日本で煮物やお菓子を作るのに使う、甘くてほくほくのかぼちゃは、Hokkaido(ホッカイドウ)と呼ばれます。見た目が日本のかぼちゃそっくりでも、Hokkaido以外のかぼちゃで煮物やケーキなどを作ろうとすると、甘みがなく、水っぽいため、失敗してしまいます。オーストリアの人たちは、かぼちゃは主にスープにして食べているようです。

■ぶどう

ぶどうはドイツ語でTraube(トラウベ)と言い、オーストリアの人たちは、皮を剥かず、種ごとバリバリ食べます。(ぶどうに限らず、オーストリアの人たちは、ほとんどの果物を皮ごと食べます。)オーストリアにも、日本と同じようにぶどうには小粒のものと大粒のものがあります。大粒のものは、日本の巨峰にそっくりな見た目ですが、甘く瑞々しい巨峰と違って、味が薄く、水分も少ないです。甘いぶどうを購入したい場合は小粒なものを選ぶと良いでしょう。

■桃

桃はドイツ語でPfirsich(プフィルジヒ)と言います。オーストリアで売られている桃は日本の桃と比べると、酸味が強く、甘みやジューシーさに欠けるため、日本の桃の味わいを想像して口にすると、がっかりしてしまうかもしれません。日本の桃に近い香りと味がするのはSuturn(サターン)という平べったい桃です。是非試してみてくださいね。

2.小麦粉

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日本で小麦粉を使う場合、お料理によって薄力粉と強力粉を使いわけますよね。オーストリアでも小麦粉には様々な種類があります。小麦粉はドイツ語でWeizenmehl(ヴァイツェンメール)と言い、粉の粗さによってGlatt(グラット)、Universal(ユニバーサル)、 Griffig(グリフィック)、Doppelgriffig(ドッペルグリフィック)という種類に分かれています。

■Glatt….最もキメ細かく挽かれています。パラチンケン(クレープのようなもの)、シュトゥルーデル(パイのようなもの)、パン、デニッシュ、ケーキ、ビスケットの生地などに適しています。

■Universal….Glatt とGriffigが混ざった小麦粉。ユニバーサル(万能な)という名前が示すように、大抵のものに使うことができます。スープやソースのとろみ付け、ケーキやタルトの生地などに適しています。

■Griffig、Doppelgriffig…Glattよりも粗く挽かれた小麦粉。クヌーデル(小麦粉団子)やシュペッツレ(細かく刻まれたヌードル)の生地や、打ち粉に適しています。

さらに、オーストリアの小麦粉はいくつかのタイプ(Type)に分けられており、それは480から1600までの数字で表されています。これは小麦粉100グラムあたりにどれだけミネラルやビタミン、繊維が含まれているかを表していて、数字が少ないほど小麦粉は白く、多いほど暗い色をしています。

日本の小麦粉よりも種類が多くて迷ってしまうことが多いので、特徴を掴んで選ぶことができると良いですね。

余談ですが、小麦粉と間違えて買ってしまいがちなのが、こちらのGrieß(グリース)。

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パッケージが小麦粉とそっくりですし、店頭に陳列されている場所も同じなので実にややこしいのですが、Grießはセモリナ粉という、小麦粉よりも一段階粗い穀粉です。オーストリアではスープの具のお団子に使われたりします。

3.卵

オーストリアの卵は、日本に比べて割高です。動物愛護の考えが強い国なので、身動きが取れないほど狭いケージに閉じ込めた鶏に産ませた卵を売ることは、2009年から禁止されているのです。オーストリアの卵には、大きく分けて大きく分けて3つの種類があります。

■Bodenhaltung(ボーデンハルトゥンク)….ケージの中で飼われている鶏の卵ですが、1㎡あたり最大9羽までと決められています。狭いケージの中で鶏を飼うことを廃止された後の妥協策で、現在購入できる最も安価な種類の卵。

■Freilandhaltung(フライラントハルトゥンク)….日中放し飼いにされている鶏の卵。ケージの鶏の卵より高い値段で売られています。

■Bio Freilandhaltung(ビオ フライラントハルトゥンク)….日中放し飼いにされていて、さらに抗生物質を与えられておらず、有機の餌を食べている鶏の卵。最も高価です。

豆知識ですがオーストリアの卵には、コードが刻まれています。

コードは卵の種類で始まり(0= Bio Freilandhaltung、1=Freilandhaltung、2=Bodenhaltung)、続いてどこの国の卵か(ATならオーストリア)、育った鶏小屋のコード、賞味期限が記されています。コードの意味を知っていれば、パックを捨ててしまって、どの卵を買ったのか忘れてしまった場合にとても便利です。

まとめ

いかがでしたか?今回はオーストリアでの野菜、果物、小麦粉、卵のお買い物について少し詳しく触れてみました。はじめは見慣れない商品やパッケージばかりでちょっと戸惑うこともあるかと思いますが、色々試して美味しいお料理を作って下さい

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