オーストリアに来たのならば、是非訪れてほしいのがシェーンブルン宮殿とその庭園。オーストリアにある、9つのユネスコ文化遺産の一つで、国内で最も多くの観光客が訪れる場所です。その美しさと優雅さは、季節を問わず見るものを魅了して止みません。今回は、ウィーン観光の目玉、シェーンブルン宮殿とその庭園群についてご紹介したいと思います。
1. シェーンブルン宮殿の歴史

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16世紀半ば、この地はハプスブルク家の所有の地になりました。17世紀中ごろに、皇帝フェルディナンド2世の皇妃がここに小宮殿を建てましたが、第二次ウィーン包囲の際に、オスマン帝国軍に大きく破壊されてしまいます。17世紀末、当時の皇帝レオポルド1世が帝位継承者の為、新たにこの地に狩猟用の別荘を建てさせました。18世紀の半ば、マリア・テレジアの時代に、宮殿と庭の形は現在の形に完成されました。この美しいバロック様式の宮殿は、18世紀半ばから第一次世界大戦が終了するまで、オーストリアの歴代皇帝の夏の離宮として使用されました。シェーンブルンという名前は、1619年、皇帝マティアスが狩猟の際この地に大変美しい泉を見つけ、Welch´ schöner Brunn!(「何と美しい泉だ!」)と叫んだことから来ていると言われています。
2.シェーンブルン宮殿へのアクセス
街の中心地から行くのならば、地下鉄4号線で行くのが便利です。宮殿を訪れるのならShönbrunn(シェーンブルン)という駅で下車しましょう。改札を出て、大通りに出ると、すぐ目の前に黄色い建物の壁が目に入ってきます。この壁に沿ってまっすぐ歩いて行きましょう。5分程歩けば、入り口に辿り着きます。
入口の門をくぐって、すぐ左側の建物がチケットセンター&お土産屋さんです。

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宮殿を見学したい場合は、ここでチケットを購入しましょう。庭園は無料なので、(一部の庭園は有料)庭園だけを見学したい場合はチケットを購入する必要はありません。
シェーンブルン宮殿は、季節を問わず多くの観光客でにぎわっています。特に、夏期は混み合うことが多く、チケットを購入しても入場制限がかかっていて、すぐに宮殿に入場できないことがあります。チケットには、何時から入場可能かということが記されているので、この時間をよく確認してから宮殿の入り口に向かってください。入場できる時間まで長く待たなければいけない場合は、カフェハウスでくつろいだり、庭園を見学したりするとよいでしょう。
3.シェーンブルン宮殿内部見学ツアー
シェーンブルン宮殿内には合計1441もの部屋がありますが、一般公開されているのは建物2階部分の45部屋のみです。6歳のモーツァルトが御前演奏をした鏡の間、マリア・テレジアが秘密の会議に使った円形の中国の部屋、フランツ・ヨーゼフ一世の執務室や、ウィーン会議が行われた大広間など、
シェーンブルン宮殿内部見学ツアーには以下の種類があります。
■Imperial Tour(インペリアルツアー)…フランツ・ヨーゼフの部屋、エリザベート妃の部屋、大広間など、シェーンブルン宮殿の主要な22室を見学するツアー。所要時間は30分~40分。
■Grand Tour(グランドツアー)…インペリアルツアーよりも長いツアー。宮殿内の40室を見学できます。所要時間は50分~60分。機械のオーディオガイド付きのものと、ガイドさんと一緒にまわるものがあります。
[料金](2016年3月15日から2017年3月14日まで)
インペリアルツアー (オーディオガイド付き) | グランドツアー (オーディオガイド付き) | グランドツアー (ガイド付き 英語、ドイツ語のみ) | |
大人 | 13,3ユーロ | 16,4ユーロ | 19,4ユーロ |
子供(6歳~18歳) | 9,8ユーロ | 10,8ユーロ | 12,3ユーロ |
学生(19歳~25歳) | 12,3ユーロ | 15ユーロ | 18ユーロ |
障がい者 | 12,3ユーロ | 15ユーロ | 18ユーロ |
オーディオガイドには日本語もあります。宮殿の入り口で受け取るので、是非活用しましょう。学生料金で入場したいときは、国際学生証が必要です。チケットを購入するときに提示してください。障がい者の方は、証明書が必要です。付き添いの人は無料で入場できます。
4.シェーンブルン宮殿の庭園
シェーンブルン宮殿の庭園が、一般に公開されるようになったのは、1779年頃からです。東西に1,2キロメートル、南北に1キロメートルにも広がる広大な美しい庭園は、ウィーンの人々の大切な憩いの場所となっています。特に、春には色とりどりの花が咲き乱れ、大変美しいので、訪れるのにはお勧めの季節です。

入園は基本無料ですが、いくつか有料の庭園もあります。その中で、特にお勧めなのが、Schönbrunner Irrgarten(ショーンブルナー イアガルテン)。生垣でできている迷路庭園で、迷路全体を見渡せる高台や、子供用の低い生垣などもあり、大人も子供も楽しめる庭園です。
[料金](2016年3月15日から2016年11月6日まで)
大人: 5,2ユーロ 子供(6歳から18歳まで): 3ユーロ 学生: 4ユーロ
家族(大人2人、子供3人まで):12,4ユーロ
14歳以下の子供の入園には、大人の付き添いが必要です。(出てこれないほど難しい迷路ではないのですが。。)また、迷路庭園は夏期シーズンのみの開園となります。
5.Tiergarten Schönbrunn(ティアガルテン シェーンブルン)…シェーンブルン動物園
皇帝フランツ1世が1752年に建設させた、世界最古の動物園です。動物の檻はゆったりとしたスペースがあり、自然に近い環境で飼育されています。17ヘクタールの広さの園には、なんと8300以上の動物がいます。人気があるのは、潜水が観察できるシロクマのコーナーや、ジャイアントパンダやコアラなどの珍しい動物のコーナーです。訪れるのが春で、運が良ければ、かわいい赤ちゃんが見られるかもしれませんよ。シェーンブルン動物園に直接行くのならば、地下鉄4号線、Hietzing(ヒーツィング)駅で下車し、Hietzing門から入園するのが良いでしょう。
[料金]
大人: 18,5ユーロ 子供(6歳から18歳まで): 9 ユーロ
[開園時間]
年中無休で9時から開園していますが、季節によって閉演時間が違うので、注意してくださいね。
1月:16時半まで
2月:17時まで
3月:17時半まで
4月から9月:18時半まで
10月:17時半まで
11月と12月:16時半まで
6.Panoramabahn(パノラマバーン)…ミニ汽車

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シェーンブルン宮殿とその庭園の敷地は広大です。全部歩いて見て回るのはちょっと無理、という人は、園内を走るミニ汽車を利用してみてはいかがでしょうか?この黄色いかわいい汽車は、時速約10~15キロでのんびりと走ります。園内には9つの駅があり、大体50分程で一周します。汽車の最後尾の車両はバリアフリーになっていて、車いすやベビーカーでも乗車できます。汽車は10時から18時時まで30分~1時間間隔で走っています。
[料金]
一日乗車券
大人: 7 ユーロ 子供(14歳まで): 4ユーロ
これに乗れば、きつい坂を上らなければたどり着けないグロリエッテや、宮殿からは少し離れた場所にある動物園までも楽々と移動できます。是非試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?隅から隅まで見学しようと思ったら、丸一日かかってしまうほど見どころ満載のシェーンブルン宮殿とその庭園。花が美しい春は、もちろん最高のシーズンですが、11月の後半からクリスマスにかけては、雰囲気の素晴らしいクリスマスマーケットが開かれます。季節を問わず楽しめる観光地なので、是非訪れてみてくださいね。
Schloß Schönbrunn
住所: Schönbrunner Schloßstraße 47, 1130 Wien
Tel: +43 1 811 13 239
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