ウィーンには、数多くの特色あるレストランやカフェがありますが、今回ご紹介させて頂くカフェレストラン、Palmenhaus(パルメンハウス)の特徴には特に目を見張るものがあるのではないかと思います。パルメンハウスはドイツ語で「温室」という意味。ここはその名前の通り、温室の中にできたカフェレストランなんです。屋内でもまるで屋外な気分の自然たっぷりなパルメンハウス、一体どんなカフェレストランなんでしょうか?
Palmenhaus
ウィーン1区。アルベルティ―ナ美術館の裏にあるBurggarten(ブルクガルテン)は、ウィーンっ子たちに愛される緑豊かな街中の公園。
夏になると多くの人たちがピクニックシートを持ってこの公園にやってきて、緑の草原の上に寝転んで日光浴をしたり、友人とのおしゃべりを楽しんだりしています。
そのブルクガルテンの中に建つこちらの建物が、今回ご紹介するカフェレストラン、パルメンハウス。
実際に見てみるとわかると思うのですが、かなりの大きさです。
それもそのはず。温室の全長は128メートル、床の総面積は約2,050平方メートルあるのだとか。
しかしカフェレストランとして利用されているのは、温室全体の真ん中の部分だけです。
温室の左翼部分はSchmetterlinghaus(シュメッタリングハウス)という、約500匹の生きた蝶々を鑑賞できる蝶々が舞う温室になっており、右翼部分は普通の温室として使われています。
このパルメンハウス、もともとは1823年から1826年の間にルードヴィヒ・フォン・レミーというオーストリアの建築家によって設計されました。温室の裏側の壁の一部は、当時ウィーンにあった城壁を利用して作られたそうです。
しかし、20世紀に入ると同時にこの温室は壊されてしまい、1902年から1906年にかけてフリードリヒ・オーマンというオーストリアの建築家により新しい建物が設計、建築されました。
1988年、老朽化した建物は安全上の理由で一時立ち入り禁止になりましたが、1996年から1998年にかけて大金を投じて大規模な改装工事が行われ、1988年にパルメンハウスは現在の形で再オープンを果たしたということです。
それでは、早速パルメンハウスの中に入ってみましょう。
高い天井のアーチから、柔らかい太陽の日差しが差し込んできます。
店内は白く、神殿風の柱やアーチでできているのですが、照明やインテリアはモダンで、古さと新しさが心地よく両立した空間になっています。
しかし、何といってもこのパルメンハウスで一番に目をひくのは店内あちこちに生えている南国の木々。
太陽の光と緑に満たされたマイナスイオンたっぷりの空間は、絶対に訪れる価値ありです。
パルメンハウスの朝食メニュー
こんな緑たっぷりの素敵な空間で、一日をスタートさせたい方は、是非パルメンハウスで朝食をとってみてはいかがでしょうか?
パルメンハウスには、健康的でリーズナブルな朝食セットメニューが5つ用意されています。
最もシンプルなメニューはWiener Frühstück(ヴィーナー・フリューシュトゥック)。バターキプフェルという甘いふわふわのパン、ゼンメルというオーストリアで最もよく食べられる風車型のパン、有機のバター、手作りジャム、地元でとれたはちみつのセットで6,4ユーロです。
一番値段が高いのは、お店の名前を冠したPalmenhausfrühstück(パルメンハウスフリューシュトゥック)で、有機の卵で作られたスクランブル・エッグ、地元で作られた新鮮なヤギのチーズ、ゼンメル、手作りジャム、マンゴースムーシー、はちみつのクラッカー、全粒粉のパンのセットで12,50ユーロです。
足りない場合は有料ですが、ハムやチーズ、卵などを単品で追加注文することができます。
パルメンハウスの食事メニュー
パルメンハウスでは、エレガントで健康的な食事を楽しむことができます。そのメニューは、ウィーンの伝統的な料理が基本ですが、お肉料理だけにとどまらず魚のメニューも豊富に揃っています。
料理のレベルはかなり高いですが、その分お値段も高め。
例を挙げると、ヴィーナー・シュニッツェルが22,50ユーロ、牛肉のバーガーが18,80ユーロ、フィレ・ステーキが32ユーロです。
筆者は試しに牛肉のバーガーを注文してみました。
ソースでお皿が飾られていて、本格的な雰囲気です。
牛肉はつなぎが少なく、濃密でジューシーな味わいでした。トマトは肉厚で、その上にかけられているソースも、フルーツの甘さがほんのりと漂う優しい味わいです。バーガーの上に載せられたグリーンのサラダも、とてもフレッシュでした。
この材料の良さを考えると、ちょっと値段が高いというのも納得です。
パルメンハウスの食事メニューは、季節によって変わるということです。旬の味を楽しめるレストランって素敵ですよね。
パルメンハウスの昼食セットメニュー
とは言っても、昼食に何千円も払うのってちょっと、、とためらってしまうこともありますよね。
そんな時は、月曜から木曜日までのお昼限定で楽しめる、昼食セットを頼んでみてはいかがでしょうか?
昼食セットメニューならば、小さなサラダとメイン料理で12,10 ユーロ、スープとメイン料理、またはメイン料理とデザートで14,60ユーロとかなりお得です。
昼食セットのメニューは毎日変更になるので、ついつい通ってしまいそうですね。
甘いもの好きさんには
パルメンハウスの入口を入ると、すぐにケーキのショーケースが目に入ってきます。ショーケースの中には、チョコレートケーキや、フルーツのタルト、パイなどのスイーツがいっぱいに並んでいます。ケーキは大体4ユーロ前後。素朴な味で、しつこくなく食べやすいです。スイーツ好きの方は、是非味見してみてくださいね。
バーとしてのパルメンハウス
パルメンハウスは、美味しい料理が食べられるカフェレストランですが、夜には種類豊富なカクテルが楽しめる、ロマンチックなバーラウンジとしての顔も持ち合わせています。
カクテルの値段はどれも1杯10ユーロ前後。パルメンハウス特製のPalmenhaus Hugo(パルメンハウス・フーゴ)やPalmenhaus No 1(パルメンハウス・ナンバーワン)などを注文すれば、パルメンハウスを訪れた思い出にもなるのではないかと思います。
また、パルメンハウスでは、カクテルだけでなくビールやワイン、シャンパンの種類も実に豊富です。
食事やお茶よりも、アルコールの方が好き、という方にもお勧めできます。
Palmenhaus
住所: Burggarten 1, 1010 Wien
電話番号: +43 1 5331033
営業時間: 月曜日から金曜日 10:00~0:00、土曜日9:00~0:00、日曜日 9:00~23:00
アクセス: Burgringから徒歩2分
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