ママ注目!オーストリアで育児休暇中にお金をもらう方法まとめ②

オーストリア

前回はオーストリアの育児休暇Elternkarenz(エルテルンカレンツ)中にもらえるお金、Kinderbetreuungsgeld(キンダーベトロイウンクスゲルト)を受給するための条件と、2つある受け取り方のバリエーションのうちの1つ、Das Kinderbetreuungsgeld- Konto(ダス・キンダーベトロイウンクスゲルト・コント)についてお話ししました。今回は、もう1つの受け取り方法であるEinkommensabhängiges Kinderbetreuungsgeld(アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルト)についてご紹介します。

 

Einkommensabhängiges Kinderbetreuungsgeld(アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルト)

 

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトは、仕事をしている人で、ある程度の給料を受け取っている人、また産後なるべく早く仕事に復帰したいと思っている人に有利なお金の受け取り方法です。

前回の記事でご紹介した、Das Kinderbetreuungsgeld- Konto(ダス・キンダーベトロイウンクスゲルト・コント)よりも多くのお金を受け取ることができるため、ほぼ給料の代わりのような感覚で受け取ることができるでしょう。

 

申請するための資格とは?

 

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを申請するためには、ダス・キンダーベトロイウンクスゲルトの場合と同様、

・子どもと同じ家で暮らしていること。その家の住所がHauptwohnsitz(ハウプトヴォーンジッツ(別荘のように時々過ごす場所でなく、基本的にいつも住んでいる家のこと)として登録されてあること。

・Familienbeihilfe(ファミーリエンバイヒルヒェ)を受け取る権利のある人

・生活の中心地がオーストリアにある人

・一年の大半をオーストリア国内で過ごしている人

・オーストリアの母子手帳Mutter-Kind-pass(ムッター・キント・パス)の健診(妊娠時の5回の母親の健診と子供が産まれてから5回の子供の健診)を行っている人

といった条件に加えて、

・母親の場合は産休(Mutterschutz(ムッターシュッツ))に入る直前の6か月間(182日間)、父親の場合は子供が産まれる直前の6か月の間、退職金と健康保険加入義務のあるオーストリアの企業に中断することなく勤めていたこと

・母親の場合、産休に入る直前の6か月間、父親の場合は子供が産まれる直前の6か月間、失業保険(Arbeitslosengeld(アルバイツローゼンゲルト)、Notstandshilfe(ノートシュタンドヒルフェ)Weiterbildungsgeld(ヴァイイタービルドゥンクスゲルト))等を受け取っていなかったこと

という特別な条件を満たす必要があります。

14日以下の中断は例外としてとらえられます。

また有給休暇や、会社の承諾を受けた病休の期間は「中断」には当たりません。

 

気になる受給金額はいくら?

 

Wochengeld(ヴォッヘンゲルト・・・産休に入る直前の3か月間に受け取っていた給料の平均額)の80%です。

ただし、最大一日66ユーロという制限があります。

この制限最大のお金を受給できたとすると、1か月ではおよそ2000ユーロを受給できることになります。

そのため、産休に入る前に月々5000ユーロの収入があった人も、この制限を超えて受給することはできません。

[例]

産休に入るのが8月5日のAさん

5月の給料2400ユーロ

6月の給料2500ユーロ

7月の給料2600ユーロ

Aさんの場合、産休直前の3か月間の給料の平均は

(2400+2500+2600)÷3=2500

と、2500ユーロです。

産休中に受け取ることができるヴォッヘンゲルトはこのまま2500ユーロとなります。

育児休暇中に受け取るアインコメンアプハンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトはこの金額の80%ですので、

2500×0.8=2000

と、2000ユーロを受け取る権利があることになります。

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトの受給金額は1日最大66ユーロです。1か月に2000ユーロを受け取る場合、1日の受給金額は31日ある月ですと、

2000÷31=64,516….

と、約64,5ユーロとなります。

Aさんは受給金額のリミットを超えていないため、月々2000ユーロを受給することが可能です。

産休に入るのが3月6日のBさん

12月の給料 5000ユーロ

1月の給料 5000ユーロ

2月の給料 5000ユーロ

Bさんの場合、産休直前の3か月の給料の平均は

5000×3÷3=5000

と、5000ユーロです。産休中に受け取ることができるヴォッヘンゲルトはこのまま5000ユーロとなります。

育児休暇中に受け取るアインコメンアプハンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトは計算上

5000×0.8=4000

と、4000ユーロを受け取れることになるのですが、アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトの受給金額は1日最大66ユーロです。1か月31日ある月ですと、

4000÷31=129,03….

となり、1日に受給できる金額のリミットである66ユーロを約63ユーロも超えてしまっています。

この場合、超えてしまった63ユーロ分は切り捨てられてしまいます。そのため結果的に受け取れる金額は

66×31=2,046

で、2,046ユーロということになります。

 

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを受け取れる期間は?

 

両親のうち一人だけが育児休暇をとるか、二人とも育児休暇を取るかで、受給できる期間が変わってきます。

・1人だけが育児休暇を取る場合・・・子どもの誕生日から最大365日目まで(子どもが1歳になる1日前まで)

・両親2人ともが育児休暇を取る場合・・・子どもの誕生日から最大426日目まで(子どもが15か月になる1日前まで)

どれだけ長く育児休暇を取得したとしても、1人で365日以上のアインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを受け取ることはできません。

またヴォッヘンゲルト(出産予定日8週間前から出産後8週間の間受け取ることができるお金)の受給中は、アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを受け取ることはできません。

 

受給中にアルバイトすることは可能なの?

 

育児休暇中にも、ちょっとアルバイトしたいと思うママも多いのではないかと思います。

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを受け取りながらのアルバイトは可能ですが、得ても良い収入の限度は、年間最大6,800ユーロまでとされています。収入が6,800ユーロを超えてしまった場合は、超えた分の金額がアインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトから差し引かれてしまいますので注意しましょう。

 

申し込み場所と申し込み方法は?

 

アインコメンアプヘンギゲス・キンダーベトロイウンクスゲルトを申し込む場所は、ご加入中の健康保険会社です。

申し込みは、窓口で行っても良いですし、手紙やオンラインで行うことも可能です。

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