春にウィーンを訪れると、あちこちに野外のマーケットが立ち並んでいたり、スーパーマーケットや雑貨屋さんに卵やウサギがモチーフのお菓子や飾りものなどを見かけることがあるのではないでしょうか?これらはオーストリアの伝統的な行事、イースターを祝うためのものなんです。今回は、ウィーンのイースターについてお話をしたいと思います。
イースターって何?
イースターは日本語で「復活祭」、ドイツ語ではOstern(オーステルン)と言われます。
イースターは、十字架に磔になって命を落としたイエス・キリストが復活した日を祝うもの。敬虔なキリスト教徒の多いオーストリアでは、イースターは一年の中で最も重要な祭日となっています。日本ではクリスマスの方がメジャーなイベントですが、オーストリアではイースターの方が大切な日としてとらえられているほどなのです。
イースターは移動祝祭日ですので、毎年時期が異なります。正確には「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」と定められています。ちょっとややこしいですよね!大体3月の半ばから4月の半ば辺りになります。
ウィーンのイースターマーケット
イースターが近づくと、ウィーン市内の広場ではOstermarkt(オースターマルクト)と呼ばれるイースターマーケットが開かれます。
イースターマーケットでは、卵やウサギなどがモチーフにされたイースター用の装飾品や、オーストリアの工芸品などを購入することができます。それに加えて、飲み物や軽食などのスタンドも出ます。
マーケットによっては、ライブミュージックや子供用のプログラムが用意されているところもあります。
ウィーン市内のイースターマーケットが行われている主な場所をご紹介しておきます。
■シェーンブルン宮殿前
60近くのスタンドが出る人気のイースターマーケット。ライブミュージックや工作などの子供用のイースター・プログラムが用意されています。
住所: Schönbrunner Schlossstraße, 1130 Wien
オープン: 10:00~19:00
■フライウング広場
フライウング広場のイースターマーケットはAltwiener Ostermarkt(アルトヴィーナー・オースターマルクト)と呼ばれます。色とりどりの卵の飾りが所狭しと並ぶ光景は、圧巻!ライブミュージックや人形劇などの子供用のイースター・プログラムが用意されています。
住所: Freyung, 1010 Wien
オープン: 10:00~19:30
■アム・ホーフ
ウィーンの工芸品のお店が多く出展されているマーケットです。
住所: Am Hof, 1010 Wien
オープン: 月曜日から木曜日11:00~20:00、金曜日から日曜日、祝日 10:00~20:00
■カルヴァリエンベルクガッセ
芸術がテーマのマーケット。朗読やライブミュージックの他、油絵や、ビートボクシング、ジャズなどのワークショップがあります。
住所: Kalvarienberggasse, 1170 Wien
オープン: 月曜日から金曜日 10:00~18:00、土曜日、日曜日 9:00~18:00
■プラーター
ウィーンの遊園地プラーターでは、特に子供向けのプログラムが充実しています。園内をウサギの着ぐるみを来たスタッフがまわっていて、子ども達にチョコレートのプレゼントをしてくれます。イースター中はSammelpass(ザンメルパス)という、プラーターのアトラクションをお得に楽しむことができるパスポートもあります。パスポートは園内で一枚6ユーロで販売されています。
住所: Prater, 1020 Wien
オープン: 期間中毎日 11:00~
■フランツ・ヨーナス広場
スタンドの数はあまり多くないですが、春の花やイースター用のロウソク、色とりどりの卵など、たくさんの飾り物が揃っています。
住所: Franz-Jonas-Platz, 1210 Wien
オープン: 期間中毎日9:00~20:00
■ノイゲボイデ城
お城の庭で行われるイースター・マーケット。工芸品がたくさん揃っています。
住所: Otmar-Brix-Gasse 1, 1110 Wien
オープン: 木曜日から土曜日14:00~20:00、日曜日10:00~19:00
■ブルーメンガルテン・ヒアシュテッテン
30ほどのスタンドでは、イースター用のデコレーションを購入することができます。子供用の観覧車や、エア遊具もあるので家族連れにお勧めのマーケットです。
住所: Quadenstraße 15 oder Oberfeldgasse, 1220 Wien
オープン: 期間中毎日10:00~18:00
イースターの過ごし方
オーストリアではイースターは祝日扱いになるので、イースターの翌日の月曜日は会社やお店などがお休みになります。学校にも1週間~2週間のイースター休暇があります。
オーストリアの人々は、クリスマスと同様イースターは家族と過ごすことが一般的です。近所でお世話になっている人たちや、仲の良い友達、親戚の子供達にお菓子やプレゼントを贈ることもあります。
子供のいる家庭では、卵の形のチョコレートを家の中に隠して子供に見つけさせる遊びをすることもあります。Osterhase(オースターハーゼ)と呼ばれるイースターのウサギがチョコレートを隠しに来るんだ、と両親は子供たちに教えるため、子供たちはある程度大きくなるまでオースターハーゼの存在を信じていたりします。ちょっとサンタクロースのようですよね。
また、ゆで卵や中身を抜いた卵の殻に色を塗ったり絵を描いたりして、イースター用の卵を工作するのも一般的です。
ネコヤナギ(Palmkätzchen(パルムケツヒェン))や、レンギョウの枝を家に飾るのも伝統的な風習です。これらの枝は、お花屋さんやイースターマーケットで購入することができます。
イースターの食べ物
イースターによく食べられるものには、Osterscinken(オースターシンケン)と呼ばれるハムや、Osterpinze(オースターピンツェ)と呼ばれる甘くてふわふわの丸いパン、Osterstrietzel(オースターシュトリーツェル)と呼ばれる、三つ編みのような形の甘いパンがあります。
お土産品
イースター期間中にウィーンを訪れるのならば、イースター用の装飾品などのお土産を購入すると、きっとよい思い出の品となるでしょう。
しかし、美しい絵や模様が描かれた本物の卵や、陶器でできた卵の飾り物などはとても壊れやすいので、日本に持って帰るのはなかなか大変ですよね。手作業で作られる品は、値段も安いものではないので、持って帰ったときに割れてしまっていると結構ショックです。
日本に持って帰りやすいイースターの装飾品ですと、プラスチックや木でできた卵の飾りや、卵の形のキャンドルなどが壊れにくいですし、重たくもないのでお勧めです。
お友達にプレゼントするお土産ならば、スーパーマーケットなどで手軽に購入できる、ウサギや卵の形のチョコレートやなどがお勧めです。中身が空洞のチョコレートは、やはり壊れやすいので、空洞になっていないタイプのチョコレートを購入すると安心して持ち運びができるでしょう。
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