王宮に行ってみよう①

オーストリア

「ちょっと王宮に行ってくる」なんて、日本では使いようのないフレーズですよね。でもウィーンに住んでいれば、「じゃあ王宮で待ち合せね」という会話が普通に成り立ったりするんです。ウィーンのHofburg(ホーフブルク)と呼ばれる王宮は、1918年までハプスブルク君主国の中心地でした。現在では博物館や宝物館などになっており、世界中の人たちが訪れる観光スポットになっています。今回はウィーンの王宮をご紹介したいと思います。

 

シシィ博物館(Sisi Museum(シシィ ムゼウム))

シシィって誰?

ウィーンのホーフブルクで必見の見所と言えば、シシィ博物館でしょう。

シシィとは、16歳で皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と結婚し、オーストリア皇后となったエリザベートの愛称です。

シシィは当時、ヨーロッパの宮廷で一番を誇る美貌の持ち主でした。また身長172cm、体重50kg、ウエスト50cmという驚異のプロポーションの持ち主でもありました。

自由奔放な気質を持つシシィは、厳格な宮廷の生活を嫌い、療養、公務、旅行、などの口実をつけてはウィーンから抜け出し、生涯のほとんどを旅の地で過ごしました。

1898年、ジュネーブに旅行中、イタリア人のルイジ・ルケーニに暗殺されて生涯を終えています。

その美しさとドラマチックな人生から、彼女の生涯は多くの映画や舞台の題材とされました。

シシィ博物館で見学できるもの

そのシシィが生活した空間が、今は博物館となっています。

この博物館では、実際にシシィが身に着けていたサマードレスや、日傘、扇子、など300を超えるコレクションが展示されています。

 

皇帝の住居(Kaiserapartment(カイザーアパートメント))

 

ウィーンのホーフブルクは、当時皇帝の家族の冬の住居でした。

現在では、皇帝ヨーゼフ1世と皇后シシィが暮らした住居が見学が可能となっています。

見所は、広々とした謁見の大広間、ヨーゼフ1世の寝室、ダイエットと美容のための運動器具が備え付けられたシシィの私室などです。19世紀後半の家具や、陶器タイルが使われた18世紀のオリジナルの暖房の美しさにも、目を引かれる事でしょう。

 

宮廷銀器コレクション(Silberkammer(ジルバーカンマ―))

 

宮廷銀器コレクションでは、皇室の食器のコレクションを通して、当時の食文化を知ることができます。

1918年にハプスブルク帝国が崩壊した後、ハプスブルクが所有していたものはオーストリアが所有することになりました。中には売られてしまったものもあったのですが、多くのものは、ここに保管されました。1995年より、宮廷銀器コレクションがオープンし、現在でも150,000ものコレクションを見ることができます。

豪華な食器や食卓飾りは、ため息の出る美しさです。

料金

シシィ博物館、皇帝の住居、宮廷銀器コレクションは、Sisi Ticket(シシィチケット)で見学することができます。

Sisi Ticket(シシィチケット)・・・シシィ博物館、皇帝の住居、宮廷銀器コレクション共通

大人 12,9 ユーロ

子ども(6~18歳)7,7ユーロ 

学生(19~25歳)11,9ユーロ

Sisi Museum, Kaiserapartment, Silberkammer

住所: Michaelerplatz, 1010 Wien

電話: +43 1 533 75 70

営業時間: 9月から6月まで 毎日9:00~17:30

7月と8月 毎日9:00~18:00

 

スペイン馬術学校(Spanische Hofreitschule (スパニッシェ ホフライトシューレ)

 

古き伝統を持つスペイン乗馬学校

シシィ博物館のちょうど真向いにあるのは、スペイン馬術学校の入口です。

ウィーンのスペイン馬術学校は、世界で最も古い馬術学校です。また、ルネサンス時代に集大成された古典馬術の最高技術を450年以上に渡って守ってきた世界で唯一の馬術学校でもあります。スペイン乗馬学校の古典馬術の伝統は2015年にユネスコ無形文化財に登録されました。

ところで、ウィーンにある馬術学校なのに、なぜスペイン乗馬学校と呼ばれるのでしょう。

その由来は16世紀まで遡ります。

スペインで育ち、後にオーストリアに移住した神聖ローマ帝国の皇帝フェルディナンド1世が、イベリア半島からウィーンに、エレガントでありながら強く、そのうえ賢いという素晴らしい馬を持ち込んだのです。この馬は、伝統的な古典馬術にぴったりの馬種でした。

リピッツァナー(Lipizzaner)と呼ばれる、今も高度な馬術で世界中の人々を魅了する馬は、このフェルディナンド1世が持ち込んだスペインをルーツとする馬の子孫たちなのです。

優雅な馬術を堪能できるガラ公演は、馬術をたしなむ人や馬好きの人はもちろん、そうでない人も必見です。

会場はバロックの巨匠ヨーゼフ・エマニエル・フィッシャーが設計した屋内馬場で、「世界で最も美しい馬場」として建築されました。

馬場はその美しさ故に、馬術の披露のみならず仮面舞踏会や宮廷舞踏会の会場にもなりました。現在でもこの会場では、夏に「Fete Imperiale」という舞踏会が開かれています。

どんな公演が行われているの?

・実演(Vorführung(フォアフュールンク))

「白馬のバレエ」とも言われ、世界的に有名なリピッツァナーの実演です。チケットの値段は座席によって異なり、25ユーロ~217ユーロです。予算を抑えたい人には、立ち見席がお勧めです。

・ウィーン賛歌(A Tribute to Vienna(ア トリビューテ トゥ ヴィエナ))

ウィーン少年合唱団の合唱と、リピッツァナー白馬の演技の夢の競演が楽しめるプログラムです。チケットの値段は25ユーロ~135ユーロです。

・朝の調教(Morgenarbeit(モルゲンアルバイト)

ホールで行われる朝の調教を見学することができます。トレーニングの様子を見学するものなので、本公演のように必ずしも高度な芸を鑑賞することができるわけでありません。本公演にはまだ出場しない若い馬のトレーニングの様子なども見ることができます。

チケットの料金は大人15ユーロ、学生(27歳まで)とシニア(65歳から)10,5ユーロ、子ども(6歳~18歳)7,5 ユーロです。全席自由席になっています。

・ガイドツアー(Geführter Rundgang(ゲフュールター ルントガング))

馬場や、馬たちの住む厩舎のガイドツアーです。値段は大人18ユーロ、学生(27歳まで)とシニア(65歳から)14ユーロ、子ども(6歳~18歳)9ユーロです。朝の調教とガイドツアーがセットになったお得なチケットもあり、値段は大人31ユーロ、学生(27歳まで)とシニア(65歳から)23ユーロ、子ども(6歳~18歳)15ユーロとなっています。

ガイドツアーは一年を通して行われていますが、実演は毎日行われているわけではありませんし、夏季にはまったく行われていない時期もあります。絶対に実演を見学したい!という方は、スペイン乗馬学校のホームページで公演の予定をチェックしてから、旅の予定を組むようにすると良いでしょう。

 

スペイン乗馬学校公式ホームページ

SRS: Spanische Hofreitschule
Die Spanische Hofreitschule Wien ist die älteste Reitschule und die einzige Institution der Welt, an der die klassische ...

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