前回の記事では、ウィーンの王宮内にあるシシィ博物館やスペイン乗馬学校のご紹介をさせて頂きました。でも、ウィーンの王宮の見所はそれだけではありません。ウィーンの王宮の敷地はとても広く、隅々まで見学しようと思ったら一日では足りないほどなんですよ。今回はウィーン王宮内にある、美しすぎる国立図書館の大広間と天使の歌声が聞ける王宮礼拝堂のご紹介をしたいと思います。
オーストリア国立図書館大広間(Österreichische National Bibliothek Prunksaal(エスタライヒッシェ ナチオナル ビブリオテーク プルンクザール)
オーストリア国立図書館は、英雄広場(Heldenplatz(ヘルデンプラッツ))に面して建っている新王宮(Neuen Burg(ノイエン ブルク)内にあり、740万点以上の収蔵がある国内最大級の図書館です。今回はこの国立図書館の一部である、プルンクザールをご紹介します。
入口はこちら。ヨーゼフスプラッツ(Josephsplatz)という広場を通り抜けたところにあります。
入ると中は広々としたホールになっていて、そこにチケットボックスがあります。
チケットを購入したら、石造りの階段を上ってプルンクザールに行きましょう。
一歩足を踏み入れただけで、その美しさに言葉を失うのではないでしょうか。プルンクザールとは、ドイツ語で「豪華なホール」という意味。その名前の通り、とにかくきらびやかで美しい図書館です。まるでファンタジー映画の中に出てくる図書館のようですね。
見てください、この本。本当に映画に出てきそう!
プルンクザールの歴史と建築
もともと皇室の本は、1630年まで王宮内の別の場所に収蔵されていたのですが、トルコ軍の攻撃によって破壊されてしまったことをきっかけに、新しく作られることになりました。
カール6世が図書館の建築を命令し、1723年から1726年にかけて宮廷建築家のヨハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エアラッハが建築にとりかかりました。彼の死後は息子のヨーゼフ・エマニエルにその作業が引き継がれました。
奥行77,7m、幅14,2m、高さは19,6m、(丸天井の部分の高さは29,2m)もあるプルンクザールは、丸天井の部屋と、右翼、左翼と3つの部屋に分かれています。
丸天井には、美しいフレスコ画が描かれています。この画はオーストリアのバロック画家、ダニエル・グランの作品で、1726年から1730年に渡って描かれました。
プルンクザールの蔵書
プルンクザールには、1501年から1850年までの、約20万冊の蔵書があります。そのうち15,000冊がオーストリアに仕えた名高き軍人プリンツ・オイゲンの蔵書です。
これらの蔵書は残念ながら手に取ることはできません。でも、ガラスケースに入って展示されている本もあるので、間近でじっくり本を眺めることは可能です。
その場所に身を置くだけでなんとも幻想的な気分になる不思議な空間の国立図書館プルンクザール、皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。
料金
大人 7ユーロ
学生(27歳以下)4,5ユーロ
シニア 5,5ユーロ
国立図書館 プルンクザール
住所: Josephsplatz 1, 1010 Wien
電話: +43 5341 0394
営業時間: 火曜日から日曜日まで 10:00~18:00
王宮礼拝堂(Hofburgkapelle(ホーフブルクカペレ))
日曜のミサなんて行ったこともないし、興味もない、という人もウィーンの王宮礼拝堂で行われる日曜日のミサは訪れてみたい、と思うのではないでしょうか?
ウィーンの王宮礼拝堂のミサでは、なんと日本でも大人気のウィーン少年合唱団の天使の歌声を聞くことができるんです。また、ミサ曲を演奏する音楽家たちは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽家たちなんです。そんな贅沢なミサが、立ち見席だったら無料!どうです、行ってみたいと思いませんか?
王宮礼拝堂の入口はこちら。
ミヒャエル門(Michaelertor(ミハエラトーア))をくぐって、王宮の敷地に入ったのでしたら、そのまままっすぐ進んだあとに出る広場の左手にある、こちらの赤い門、スイス門(Schweizertor(シュヴァイツァートーア))
をくぐると、王宮礼拝堂がある中庭への入口に辿り着きます。
王宮礼拝堂の歴史と建築
王宮礼拝堂は、1296年にゴシック様式で建てられたとされています。その後、何度も改築、改装されて、時代によって礼拝堂は姿を変えて行きました。現在の礼拝堂の姿になったのは、18世紀後半、マリア・テレジアと皇帝フランツ2世の時代です。
内装はエレガントでシンプル。石造りの高いアーチ型の天井が印象的です。
王宮礼拝堂の日曜日のミサ
王宮礼拝堂では、9月の半ばから6月の終わりまでの期間、毎週日曜日9:15分から礼拝が行われています。これは500年以上続くの伝統なのだそうです。礼拝内で演奏されるミサ曲のレパートリーはバロック音楽から現代音楽までと大変幅広いですが、特に大事なレパートリーとされているものはハイドン、モーツァルト、ベートーベン、シューベルト、ブルックナーなどのウィーンにゆかりがある作曲家のミサ曲です。
ミサのチケット
普通、教会のミサにはチケットがないのでお金はかからないものなのですが、ウィーンの王宮礼拝堂のミサに座席に座って参加したいのならば、チケットを購入する必要があります。
チケットの値段は座席によって変わり、10ユーロ、16ユーロ、26ユーロ、36ユーロの4カテゴリから選べます。
10ユーロの席は、視界があまり良くないため、その席からウィーン少年合唱団の姿を見るのは少し難しいかもしれません。
・インターネットで購入
チケット購入は、インターネットが便利です。日本語もあるので安心です。
王宮礼拝堂ミサ、チケット購入ページ
Wiener HofmusikkapelleKomödie am Kai/Culturallインターネットでは、座席まで指定して購入することができます。ウィーン少年合唱団が歌うのは、座席表で「Orchester/Chor」と書かれているところです。
・現地で購入
王宮礼拝堂のチケットオフィスがオープンしている時間帯は、金曜日の11:00~13:00、15:00~17:00 、またはミサの直前である日曜日の8:00~8:30です。現地で直接チケットを購入したい場合は、この時間帯にチケットオフィスを訪れてもよいでしょう。
・メールやファックスで予約する
チケットの予約は、E-mailやファックスでも可能です。メールやファックスでチケットを予約する場合は、希望日程と枚数、チケットカテゴリー、名前、ファックス番号、メールアドレス、住所を書いて、 office@hofmusikkapelle.gv.atにメールをするか、+43 1 533 99 27 75にファックスしましょう。
予約から3週間以内、またミサの2日前の17時までにはチケット代金は支払うようにしましょう。
チケットは送付してもらうことができません。王宮礼拝堂のチケットオフィスが開いている時間帯に、自分で取りにいきましょう。
・立ち見席
立ち見席は無料です。8:30から入場可能ですが、8:00くらいには立ち見席への長い列ができていることがほとんどです。かなり早い時間に並べば、立ち見席スペースに入ることができますが、立ち見席スペースがいっぱいの場合は、エントランスホールにあるモニターでミサを見学することになります。立ち見席はかなり混み合いますので、体力に自信がない方や、小さな子供を連れている方は、座席を購入した方が安心でしょう。
写真が撮りたい
ミサの後には、ウィーン少年合唱団のメンバーが中庭に出てきます。彼らとの記念写真が撮りたい場合はこの時がチャンス!写真を撮っていいか、お願いしてみましょう。きっと快くOKしてくれるはずです。
王宮礼拝堂
電話: +43 1 533 99 27
見学ができる時間帯: 月曜日、火曜日10:00~14:00、金曜日11:00~13:00
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