オーストリアのファッシング

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オーストリアの街中で、仮装した人々を見かけることができる時期が年に2回あります。それは、ハロウィーンの時期と、ファッシングの時期です。ハロウィーンは、日本でも大きなイベントになっていますので、ご存知の方も多いと思うのですが、ファッシング、というのは聞いたことが無い方もいらっしゃるのではないでしょうか?今日は、オーストリアのファッシングについてお話ししたいと思います。

 

ファッシングって何?

 

ファッシング(Fasching)という言葉を聞いたことがなくても、謝肉祭やカーニバル、という言葉はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?

カーニバルと聞くと、仮装をして楽しく踊るパーティー行事といったイメージがありますが、実はオーストリアのファッシングは、宗教と深く結びついた期間のことなんです。

オーストリアは、カトリック教徒の多い国です。そのためキリストが磔で命を落とした後、復活したと信じている人はとても多いです。キリストが復活したと言われる日は、オーストリアでは復活祭として盛大に祝われます。

その復活祭の前1か月間ほどの期間をファステンツァイト(Fastenzeit)と言います。この期間、人々は肉類やお酒、自分の好きな物や事(チョコレートやテレビを見る事など)を断って暮らします。これは、キリストの断食の修行にちなんでいるそうです。

そして、そのお肉や好きな物を断つ期間の、さらに前の期間がファッシングです。

復活祭の直前はお肉やお酒や嗜好品を断つことになるので、その前に美味しいものたくさん食べてどんちゃん騒ぎしよう、というわけなのです。

 

ファッシングの期間は?

 

聖マルティンの日でもある、11月11日の11時11分をファッシングの開始日と定めている地域が多いです。

しかし、その時期からオーストリアではちょうどクリスマスマーケットが始まりますし、その後もクリスマス、大晦日、新年、といった行事が続きますので、実際は11月12日から1月6日までは、ファッシングも休止状態と言えるでしょう。ファッシングが再スタートするのは、1月6日のHeilige Dreikönig(ハイリゲ ドライケーニヒ)という祝日が終わった後です。

このファッシングという期間が続くのは、灰の水曜日(Ascher Mittwoch(アッシャー ミットヴォッホ))という日までです。

灰の水曜日は復活祭から数えて、日曜日を除いた40日を遡った水曜日のことです。

復活祭が移動休日なので、灰の水曜日も日にちも毎年変わります。2017年の灰の水曜日は3月1日でした。

灰の水曜日の2日前の月曜日は、バラの月曜日(Rosenmontag(ローゼンモンターク))と呼ばれ、パレードなどが行われます。灰の水曜日の1日前は、ファッシングの火曜日(Faschingsdienstag(ファッシングスディーンスターク))と呼ばれ、この日ファッシングは最高潮を迎えます。

街中で仮装をしている人を見かけることもあります。レストランやバー、スーパーマーケットや売店などではカラフルな飾り付けがされたりします。また、店員さんが仮装をしているお店も見かけることでしょう。

 

ファッシングと子供達

 

現地の学校ではこの時期、ファッシングのイベントが行われます。イベントの日、子供たちはケーキなどのお菓子を学校に持ち寄り、仮装を楽しみます。

衣装はどうしたらいいの?手作りしなくてはいけないの?と焦る必要はありません。ファッシングの時期が近づくと、スーパーマーケットや洋服屋さん、アクセサリー屋さんには、ファッシングの仮装用の衣装やアイテムが出回ります。

 

ファッシングに欠かせない食べ物、クラプフェン

 

オーストリアのファッシングの季節に欠かせない食べ物と言えば、このクラプフェン(Krapfen)というお菓子。

クラップフェンは粉砂糖がたっぷりふりかけられた、丸い揚げドーナツのようなお菓子で、中には杏子のジャムが入っています。ファッシングの時期に限らず、パン屋さんやスーパーマーケットで購入できる人気のお菓子ですが、ファッシングの時期には「ファッシングクラプフェン」(Faschingskrapfen)と呼ばれ、特に好んで食べられます。

クラプフェンは、昔はお金がない人でも安く手に入れることができましたし、尚且つ栄養がある(カロリーたっぷり!)ため、とても人気がありました。お肉や甘いものなどを断つファッシングの前にエネルギーを蓄えるという意味でも、食べることを推奨されていたようです。

味はふわふわしていて、甘く、日本人の口にも合うと思います。

クラプフェンの中のジャムは、杏子のジャムであることが基本なのですが、中にはバニラクリームやコーヒークリーム、チョコレートクリーム入りなどのクラプフェンもあります。Aida(アイーダ)というカフェには、見た目もかわいくて、たくさんの種類のクラプフェンがあるので、特にお勧めです。ファッシングの時期にウィーンを訪れることがあれば、是非食べてみてください。

 

灰の水曜日に食べるニシン料理

 

灰の水曜日。この日を境に、ファッシングは終了し、ファステンツァイト(断食期間)が始まります。灰の水曜日にオーストリアで伝統的に食べられる料理は、Heringsschmaus(ヘリングスシュマウス)と呼ばれるニシンのサラダなどの料理。昨今では、ファステンツァイトが始まってもお肉やお酒を断つ人も少なくなってきています。それでも、このヘリングスシュマウスを灰の水曜日に食べるという伝統は、今でも根強く残っているようです。

 

舞踏会のシーズンでもある

 

ドイツでファッシングと言えば、仮装パレードが有名ですが、オーストリアでは、パレードよりも舞踏会が有名です。舞踏会のことを、オーストリアではBall(バル)と呼びます。

ウィーンで年間に開催される舞踏会は400以上。そのハイシーズンが、ファッシングの時期なのです。

舞踏会は、オーストリアの人たちにとって重要な社交イベントです。街のドレス屋さんでは舞踏会用のドレスがショーウィンドーに並びます。お菓子屋さんでは、シューズやドレスをモチーフにした、色とりどりのお菓子が目を楽しませてくれるでしょう。

ウィーンの舞踏会で一番有名なのはOpernball(オーパンバル)という、国立歌劇場で開かれる舞踏会です。この日国立歌劇場はゲストのために地下室から天井裏まで全てをオープンします。劇場の中には、レストラン、バー、さらにはカジノまで入り、この日劇場は巨大なアミューズメントスペースと化します。

オーパンバルのオープニングでは、180組ほどのデビュタントと呼ばれる若者たちがダンスを披露します。この日は、彼らにとって社交界のデビューを果たす記念の日なのです。

オーパンバルの一般参加チケットを手に入れるのは少しややこしいですが、観光客でも気軽にチケットを購入するだけで入場できる舞踏会もたくさんあります。

ダンスができなくても、雰囲気を楽しむだけでも十分素敵な時間が過ごせると思います。ファッシングの時期にウィーンを訪れるのでしたら、舞踏会も是非訪れてみてくださいね。

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