オーストリアの首都、ウィーンの公共交通機関は大変発達しているため、車がなくても大抵の場所には公共交通機関でたどり着くことができ、とても快適で便利です。今回は、ウィーンの公共交通機関の種類、特徴、注意点などをご紹介したいと思います。
1.U bahn(ウーバーン )…地下鉄
ウィーンで最も利用しやすい乗り物といえば、地下鉄と言って良いでしょう。現在ウィーンには1号線から4号線、そして6号線と、合計5路線の地下鉄が通っています。(2023年に開通予定の地下鉄5号線は2018年から建設予定。)青いUの文字の看板が、地下鉄の駅の印です。
[運行時間]
朝の5時頃から深夜0時半頃まで
[運行間隔]
平日6時頃から20時半頃: 約2分から5分間隔。
日曜日、祝日、平日の5時から6時又は20時半以降: 約5分から8分間隔
[週末と休日]
金曜日から土曜日にかけて、土曜日から日曜日にかけて、又は休日の前日は0時半以降も15分間隔で運行。
[チケット]
駅の券売機、Tabak Trafiken(タバック。タバコ屋)、携帯電話で事前に購入。地下鉄の中で購入することはできません。
運行間隔が大変短いので、時刻表を気にすることなく利用できますし、何よりも週末は24時間運行というところがとても便利ですね。
地下鉄の車両には、古いタイプと新しいタイプがあります。新しいタイプのものはバリアフリーで、車いすやベビーカーの乗り入れが便利なだけでなく、専用のスペースもあります。
どちらのタイプの車両の扉も、日本の地下鉄のように自動では開いてくれません。古いタイプの車両にはレバー、新しいタイプの車両にはボタンが扉に着いており、レバーを引いたり、ボタンを押したりしなければ、扉は開かないので注意しましょう。
2.Straßenbahn(シュトラーセンバーン)…市電
地下鉄より速度はゆっくり走るため、移動に時間がかかりますが、地上を走るので景色を楽しみたい人にはお勧めの乗り物です。ウィーン市内の市電の路線は全部で29路線です。
[運行時間]
路線によってかなりの違いがありますが、朝の5時頃から深夜0時頃まで運行している路線が多いです。
[運行間隔]
およそ5分から10分程と、地下鉄よりは少し長いと考えたほうがよいでしょう。
[週末と休日]
運行間隔が長くなり、本数が減ります。
[チケット]
市電の停留所には切符売り場があ りません。もしも切符を持っていない場合は、車内で購入することが可能ですが、割高です。予め鉄道や地下鉄の駅の券売機で購入しておくとよいでしょう。
市電にも古いタイプの車両と新しいタイプの車両があります。
古いタイプのものは、乗り込むときに狭く急な階段を数段上らなければならないため、大きなトランクなどを持っている場合は大変不便です。市電の停留所には、大抵次の市電が何分後に来るかを表示する電光掲示板が備え付けられています。そこに、車いすのマークが表示されている市電は、新しいタイプのバリアフリーの市電なので、重たい荷物がある際は、新しいタイプの市電を待って乗ると便利です。
市電のドアも、自動では開きません。古いタイプの車両にも、新しいタイプの車両にも、扉にはボタンが着いているので、乗りたい時や降りたい時は、ボタンを押すことを忘れないようにしましょう。
3.Schnellbahn(シュネルバーン)…国鉄列車
略してS-Bahn(エスバーン)とも言われます。停車駅が少ないので、遠くまで行きたい時に利用すると早く着くことができます。現在ウィーンには10路線のシュネルバーンが走っています。青丸に白抜きでSの文字の看板が、シュネルバーンの駅のマークです。
[運行時間]
5時頃から0時半頃。路線や駅によって異なります。
[運行間隔]
20分から30分程と、地下鉄や市電と比べると大分長い間隔が開きます。利用したい時は、時刻表をチェックして、時間の無駄を防ぎましょう。
[週末と休日]
運行本数が減る路線も多いので(特に早朝の便)注意しましょう。
[チケット]
シュネルバーンの駅の券売機や、切符売り場で購入することができます。
シュネルバーンにも、地下鉄や市電と同様古いタイプと新しいタイプの車両があります。古いタイプの車両は市電と同じく、乗り込む際に狭く急な階段を数段上がる必要があります。新しい車両はバリアフリーです。シュネルバーンは地下鉄や市電に比べると、乗客が少ないことが多く、座って快適に移動できることが多い半面、地上を運行するため天候が悪い時などには遅延することも多いです。本数も少ないですので、シュネルバーンで移動するときは、時間に余裕を持って行動するようにしましょう
4.Autobus(アウトーブス)…バス
ウィーン市内には、バスの路線が縦横無尽に張り巡らされています。路線数が多いため、どのバスがどこを走るかわかりづらく、利用しづらい印象を受けるかもしれませんが、使いこなせるようになるととても便利です。
運行時間と運行間隔は、路線によって大きくことなります。朝5時から深夜まで運行している路線もあれば、20時には運行が終わってしまう路線もあります。週末や休日には、運行本数が減る路線が多いです。また、運行自体がなくなってしまう路線もあるので、バスで移動を計画する際には、必ず時刻表をチェックすることを忘れないようにしましょう。
チケットは、地下鉄や国鉄の駅の券売機で購入することもできますし、車内で購入することもできます。チケットを持っている場合は、バスのどこの扉から乗車しても構いませんが、車内で購入したい場合は、一番前の扉から乗車して、運転手さんから購入しましょう。
5.Night Line(ナイトライン)…深夜バス
週末や休日の前夜は、ウィーンの地下鉄は夜通し走っているので、街でうっかり飲みすぎてしまっても安心して家まで帰れますが、平日に終電を逃してしまったら、どうすればよいのでしょう?タクシーや徒歩で帰るしかないのでしょうか?
いいえ、ウィーンにはナイトラインと呼ばれる深夜バスがあります。ウィーンの深夜バスは0時~1時頃(駅によって異なります)から、4時頃まで30分間隔で運行しています。紺の丸の中に、黄色いNの印があるバスの停留所が、ナイトラインの発着所になります。週末は運行していない路線も多いので、時刻表をよく確認するようにしましょう。チケットは、普通の1回券を利用することができます。ただし、8-Tage-Klima- Karteなどチケットの種類によっては深夜1時までしか有効でないものもあるため、心配な時は運転手さんに問い合わせましょう。車内で購入することも可能です。
まとめ
いかがでしたか?とても便利なウィーンの公共交通機関。上手に使って、快適な旅を楽しんでくださいね。
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