1916年3月26日、北海道新幹線が開通し、開通した新幹線周辺の町は盛り上がりを見せています。
ゴールデンウィークも木古内町などは毎日、町民の人口をはるかに上回るなど函館を初めとする道南地方にたくさんの観光客が訪れました。
今回は、日本有数の観光都市・函館ではなく、新幹線駅周辺のおすすめ観光スポットを数カ所ピックアップして実際に訪れてみました!
函館周辺市町にも魅力的スポットあり!
北海道新幹線は新函館北斗駅を発着駅として、「木古内駅」、青森側の「奥津軽いまべつ駅」、「新青森駅」間の約148㎞の区間になります。そ
のうち53.85㎞が青函トンネルの中を走ります。1日に13往復し、東京へはなんと最短4時間2分で結ばれるのです!
北海道から東京まで陸路でわずか4時間とはさすがに隔世の感があります。2030年には札幌まで延伸する予定です。
この「新函館北斗駅」は函館中心部から北西へ18㎞の距離の北斗市(旧大野町地区)に位置しています。新幹線が通過する北海道の各市町は、福島町、知内町、木古内町、北斗市です。
新幹線で話題になって初めて、町の名前を知った方も多いでしょう。新幹線で旅行に来られる方々は、全国有数の観光都市・函館はご存知でしょうから、あえて函館ははずし、新幹線周辺の観光スポットに注目しました。
知内町の新幹線撮影スポットが静かな人気
新幹線駅はありませんが、青函トンネルの北海道側進出入口となる知内町の、あるスポットが注目を集めています。
知内町は人口わずか4643人の漁業や農業が盛んな町です。特産品としてはニラ、マコガレイ、そして近年は牡蠣の養殖が盛んです。
演歌界の大御所・北島三郎の出身地でもあります。この知内町には、青函トンネル進出入口となる湯の里地区には簡素な「青函トンネル展望台」が設けられていましたが、新幹線開通により撮影スポットとして俄然人気が高まったのです。
展望台には新幹線の通過時間の看板も設置されているので、時間に合わせて訪れても良いと思います。
新幹線は青函トンネル内では低速走行となるので、進出入のスピードは比較的遅く、撮影しやすいです。トンネルから新幹線「はやぶさ」「はやて」の出入りの風景は、道民にとっては非常に新鮮です。撮影目的の方には電線がやや邪魔なのがたまにキズですが、全国の鉄道や新幹線が好きな方は、絶好のスポットとなるでしょう。
近くには小規模ですが、知内町の道の駅もあるのでそこで買い物をして時間をつぶすのもお勧めです。
大盛況となった道の駅「みそぎの郷 きこない」
知内町の隣にある木古内町。お正月の凍てついた海に、選ばれた4人の男性が褌一丁で海に飛び込み昼夜を問わず身を清める神事「寒中みそぎ」で知られた町です。
こちらには新幹線駅も出来たため、わずか4452人(平成28年3月末現在)の町は空前の盛り上がりを見せています。
木古内駅の南口の目の前には今年1月13日にオープンした道の駅「みそぎの郷 きこない」がGW期間中は大変なにぎわいをみせていました。
1日あたりの入館者数が5月3日に1万人を超えるという大盛況ぶり。ですから有に2倍以上の観光客が訪れていることになります。
地元や道南地区の新鮮な野菜や特産品のみならず、全北海道や東北の特産品もそろえています。GW中はバナナのたたき売りや、焼きホタテやツブ、牡蠣、ジャガイモの量り売りなどが行われていました。
木古内駅で降りレンタカー移動、もしくは函館へ向かう第3セクター「道南いさりび鉄道」に乗り換える方にもぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。
クッキーで有名なトラピスト修道院
木古内駅から道南いさりび鉄道で20分ほどの渡島当別駅(北斗市)で下車し、徒歩20分ほどで、「トラピストクッキー」で知られるトラピスト修道院があります。
こちらは男子修道院です。函館空港に近いトラピスチヌは女子修道院になります。1896年(明治29年)、フランス、オランダ、イタリアなどから修道士9人が派遣され創設されました。
修道士の皆さんが厳正な戒律により、祈りと労働に従事し、自給自足の生活を送っています。草原に囲まれ真っ直ぐ伸びる杉とポプラの並木道の先の丘陵の上に修道院が見えてきます。この眺めは日本とは思えない、中世ヨーロッパのようなおとぎ話の世界に入り込んだ気分になります。
修道院の中は門の外からの見学は自由ですが、中は男性のみ事前予約で見学可能となっています。
修道院の裏山は農場と、「ルルドの洞窟」に続く裏山への林道があり、散策も楽しいですよ。ルルドの洞窟までは少々登りますが、そこから見られる津軽海峡と函館などの景色は絶景です。
同修道院はこれまではアクセス面などの問題で、名前の割に観光地化されていないので、今でも訪れる方はそれほど多くなく、静謐な雰囲気を楽しめると思いますので、ぜひ訪れていただきたいです。
道南のパノラマ風景が楽しめる「きじひき高原」
新幹線始発終着駅の新函館北斗駅周辺はのどかな畑作地帯で、隣の七飯町と並び西洋式農業発祥の地でもあります。
駅構内には北斗にちなんで、名作漫画「北斗の拳」主人公、ケンシロウの銅像が飾られています。北斗市は2006年(平成18年)、旧上磯町と旧大野町が合併してできた、道南では函館市に次ぐ人口約4万8000人の町。最近は個性派ゆるキャラの「ずーしーほっきー」が人気でホッキ貝を名物として売り込んでいます。
新函館北斗駅周辺のおすすめスポットのひとつは車で15分ほどの距離にある「きじひき高原」です。
標高560mにあるパノラマ展望台は雄大な津軽海峡と函館市の景色、新幹線の高架橋を観ることもできます。東に目を向けると大沼国定公園や駒ケ岳も一望できるなど、北海道ならではの絶景を味わえますよ。
写真は大沼国定公園です。残念ながら筆者が訪れた日は、展望台に登ったと同時に濃い雲に覆われてしまい、パノラマを楽しめることができませんでした。
しかしながら、同高原にはほかの楽しみ方もあります。キャンプ場もありますし、中腹の匠の森公園は樹林観察路があり、森林のマイナスイオンを浴びながら散策を楽しめます。
4月下旬は春の妖精と呼ばれるカタクリの大群生地があり非常に綺麗です。筆者が訪問した時はカタクリが終わり、本州では高山植物であるシラネアオイが咲き乱れ、枝垂桜も満開で心が非常に癒されました。
函館の裏夜景で有名な七飯町の城岱牧場
函館は世界三大夜景と呼ばれ、扇形に広がる唯一無二の景観が世界的な人気を集めています。皆さんがご存知の夜景は函館山から眺めているもので、函館山の逆側の山々から望む夜景を、函館や道南の市民は裏夜景と呼んでいます。
裏夜景のスポットも色々とあるのですが、近年、特に観光客やカップルに人気なのがが北斗市の隣町、七飯町にある城岱牧場の展望台です。
新函館北斗駅から車で約20分の距離で城岱スカイラインを走ると、標高500mの地点に展望台と牧草地が広がっています。
大正9年の村有牧野・野草放牧地として始まり、現在160㌶の放牧地を村営牧場として乳牛などを飼育しています。昼間は放牧されている牛と触れ合うこともできます。屋内展望台を新設したのは2012年5月。南には函館山、南西には大野平野や新幹線の高架橋など一望できます。
昼間も綺麗なのですが、やはり本番は夜。春先は午後7時ぐらいから綺麗なカクテル光線が浮かび上がってきました。
午後4時で展望台は閉鎖しますが、寒ければ車の中から眺めることも可能です。函館山とは趣の違ったスケールの大きい夜景も美しい、の一言です。
この日は雲が低く垂れこめていたのですが、雲に光が反射し、幻想的な光景となってくれました。
新幹線で訪れたならば、函館山だけではなく、城岱牧場の裏夜景もぜひとも体験して欲しいスポットです。11月中旬から4月下旬までは道路が閉鎖されているのでご注意を。
まとめ
函館に負けず劣らず、周辺の市町も魅力的なスポットが数多くあります。
ここでは実際に行ってみたスポットを紹介しましたが、道南とはいえ、北海道はやはり広く、1,2日では回りきれません。
できればレンタカーなど車で巡ってみることをお勧めします。北海道新幹線開通を機に、函館以外の知られざるスポットもゆっくり楽しんでみてくださいね。
<スポット情報>
青函トンネル撮影台
住所:北海道上磯郡知内町字湯の里47
TEL0139-26-2207(知内物産会館)
道の駅 みそぎの郷 きこない>
住所:北海道上磯郡木古内町字本町338-14
TEL:01392-2-3161
HP:http://kikonai.jp/
トラピスト修道院
住所:北海道北斗市三ツ石392
TEL0138-75-2108
HP:http://www.trappist.or.jp/
きじひき高原
住所:北海道北斗市村山174番地
TEL:0138-77-8381
URL:http://hokutoinfo.com/spot/196/(北斗市HP)
城岱牧場展望台
住所:北海道亀田郡七飯町字上藤城564
TEL:0138-65-2517(七飯町商工観光課)
URL:http://www.town.nanae.hokkaido.jp/hotnews/detail/00000229.html(七飯町HP)
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