札幌都心の気軽に行ける紅葉スポットを歩いてみた

北海道

北海道は秋も深まり、紅葉も終わりに近づいています。本州よりその時期は1か月ほど早いのではないでしょうか?あっという間に過ぎる夏と秋。札幌近辺も紅葉の名所も数々ありますが、札幌は都心部でも豊かな緑に包まれた稀有な大地です。今回は、多少忙しくても市民も観光客も気軽に楽しめる、個人的オススメ都心の紅葉スポットを紹介します。

札幌の秋の風物詩「北大イチョウ並木」  

JR札幌駅北口を出て徒歩7分ほどで北8条の正門に行ける観光スポットが北海道大学。基本はあくまで学び舎ですが、地下鉄3駅分もある広大な校舎は、市民にも公開され、平日でも観光客や市民の散歩コースとしてにぎわいます。豊かな緑に包まれているので、紅葉もきれいです。その中でも、北海道、いや全国レベルで有名になっているのが、北13条門をから続く通りの両側、約380mに渡って約70本のイチョウ並木です。

筆者が訪れたのは10月の中旬でした。まだ、やや黄色味がかってきましたが、まだ緑っぽさが残っています。それでも十分綺麗です。見ごろは10月中旬から11月上旬になります。毎年10月初旬から公式サイトで紅葉状況もアナウンスしています。10月下旬の土・日曜日にはイチョウ並木をライトアップさせる北大生の実行委員会主催の「北大金葉祭」が行われます。2016年度で5回目となり、10月29、30日に開催され、たくさんの市民や観光客でにぎわったようです。

もちろん、見どころは同イチョウ並木だけではありません。

北8条から18条まで南北へ1.5㎞に渡って伸びる学内の道路、通称「メインストリート」はかなり赤、黄色とカラフルに染まっていました。落ち葉も道路わきに敷き詰められています。この道をゆっくり歩くだけでも紅葉を楽しめると思います。また、イチョウ並木にもほど近い、憩いの場となっている「大野池」あたりも非常に綺麗でした。

カツラなどはすっかり黄色くそまって、見応えアリ。睡蓮の葉に太陽光が反射し、美しい光景となりました。メーンストリートの校舎、食堂の裏側はグラウンドや恵迪寮、農学部の敷地に向かう道があり、貴重な原生林がそのまま残っています。そのあたりはどうなっているか、歩いてみました。

うっそうとした森の中を歩くのですが、落ち葉はかなり道路にたまっていますが、まだこの時期では木々は緑色に染まっているものが多かったですね。ただ、森林浴としては最高です。最後に、北大でも1,2を争うほどに有名な名所、ポプラ並木に出向いてみました。

まだ緑がかっていますが、ポプラの葉は黄色や赤には染まらず、枯れると普通に茶色になるようです。鮮やかな紅葉とは違い枯れた味わいで、北の冬が近づいているという郷愁を誘いませんか?何となくジャズの名曲「枯葉」が似合う風景です。

ポプラ並木のそばには自生のクロッカスが咲いていました。

コッテリした青紫色の花びらが印象的です。北海道でも自生している場所は激減して、珍しいそうです。北大は学生食堂がいくつもあり、一般の方も食事できますし、やっぱり安い!筆者もかなり利用していますし、紅葉で歩くときも便利ですよ。

 

箱庭的な美しさも感じる「中島公園」

 

次は、北日本最大の歓楽街ススキノから南へ徒歩10分ほどでたどり着ける中島公園です。地下鉄(南北線・中島公園駅)も出口が公園に直結しています。周辺はシティホテルや高級ホテルが林立している都心のど真ん中にありますが、緑に包まれ美しい公園です。「日本の都市公園100選」にも選出されています。

ここの紅葉は、写真に写っている菖蒲池を中心とした、北海道らしい雄大さとともに、箱庭的な雰囲気も感じます。いろんな角度から様々に表情を変えてくれます。東京ドーム4.5個分の広さもあり、43種の樹木に囲まれています。各所に休憩のベンチや東屋があり、そこから観る紅葉もまた趣があります。

そして北大ほどのスケールではないですが、ススキノ側の入り口から伸びるイチョウ並木も見どころです。

こちらも撮影時期が若干早かったためまだ緑がかっていますが、綺麗だと思います。この並木も市民に愛されていて、地下鉄工事や駅増設の際も一旦植え替えられ、工事終了後に元の位置に戻されています。

また、中島公園には北海道では珍しい日本庭園があり、それこそ日本的な様式美と紅葉がまばゆい美しさを見せてくれます。

スケールの大きい北大とはまったく違う趣があります。また庭園内には国指定の重要文化財の茶室「八窓庵」と紅葉のコラボレーションもいかにも日本的情緒あふれる風景です。

この庭園は冬季は閉鎖されるのですが、今季は11月3日閉演予定が11月7日まで開園することになりました。開園は翌年4月下旬以降なので、今季最後の輝きをみられるのはあとわずかです。

 

夜景の名所「旭山記念公園」は紅葉もオススメ

 

都心のど真ん中からはちょっと離れますが、それでも都心から車で15分ほどの旭山記念公園。

新日本三大夜景のひとつとなった、札幌夜景でも有数のスポットで、カップルには格好のデートコースで、観光客も来るようになってきました。

噴水のライトアップが素晴らしいアクセントとなり、その向こうに光の海が広がる。確かにこれだけの美しい夜景を見られるスポットは少ないでしょう。そんな旭山記念公園ですが、秋の昼間は、美しい紅葉を見られるスポットにもなっています。

旭山記念公園は1970年、札幌市創建100周年を記念して開園。円山から藻岩山まで連なる山地の斜面中腹に建設されています。この山地は希少な原生林が残っていて、公園も豊かな自然に囲まれています。ですので、散策路がいくつも伸びていて、秋は紅葉狩りなど豊かな紅葉を楽しめるのです。日中は地元の市民の方々が犬の散歩をしている姿が目立ちます。

山の中腹にあるので、平地よりやや色づきが早い印象でした。起伏のある散策路なので、ウォーキングなどでは良い運動になると思います。家族連れのピクニックでも楽しめると思います。食事は軽食は売っていますが、用意するか済まして来た方がよさそうです。

昼間の札幌市街の景色も雄大です。手前の木々がもっと赤黄色に染まっていたらもっと見栄えがしたと思います。日中は紅葉、夜は夜景、両方とも楽しめるのが同公園の魅力だと思います。ただし、山の中腹で寒いので、防寒はしっかりしてください。

 

赤れんが広場のイチョウ並木も捨てがたい

 

最後は、「赤れんが庁舎」として超有名な旧北海道庁舎の正門付近から伸びるイチョウ並木です。

正式には「北3条広場」となり、平成26年(2014年)道路を撤廃し煉瓦づめの遊歩道とした公園として整備しました。通称「アカプラ」とも呼ばれています。両脇に広がるイチョウ並木は大正14年(1925年)、当時樹齢19年のイチョウ32本が植栽されたもので、樹齢100年を超えています。道内最古のイチョウ並木として札幌市民に愛され、区画整理などが行われた時も、元の位置に植え直されたりして現存し続けています。そして、赤れんが庁舎と煉瓦の遊歩道と黄色く染まったイチョウが絶妙のコントラストとなって市民や観光客の目を楽しませてくれています。

また、赤れんが庁舎内の前庭の紅葉も乙なものでした。

池とカツラの黄色、木蓮の黄緑、そして枯葉、向こうには柳の木、なかなかの景色だと思います。

真っ赤に染まったカエデの向こうに赤れんが庁舎も見えます。意外なほど写真映えもするスポットでした。

 

まとめ

 

今回、紹介したほかに、円山公園も素晴らしい紅葉スポットです。北海道の秋は夏と同様に短いですが、その間の木々の輝きが人々をひきつけるのでしょう。札幌は自分の足で探せば、数多くの美しい紅葉が眠っていると思います。皆が知っているスポットはもちろん、自分だけのスポットを探すのも、醍醐味ではないでしょうか。

 

▽スポット情報

北海道大学

住所:北海道札幌市北区北8条西5丁目(正門)

TEL:011-716-2111(代表)

URL:http://www.hokudai.ac.jp/

 

中島公園

住所:北海道札幌市中央区中島公園

TEL:011-511-3924(中島公園管理事務所)

URL:http://www.sapporo-park.or.jp/nakajima/

 

旭山記念公園

住所:北海道札幌市中央区堺川4丁目

TEL:011-200-0311(森の家)

URL:http://www.sapporo-park.or.jp/asahiyama/

 

北3条広場

住所:北海道札幌市中央区北3条3丁目

TEL:011-211-6406(札幌駅前通りまちづくり株式会社)

札幌市北3条広場オフィシャルサイト -SAPPORO KITA3-JO PLAZA-
2014年7月19日(土)札幌市北3条広場オープン!明治に産声をあげた、北三条通。歴史を見守る「みち」は、新たな「広場」へと生まれ変わります。

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