1年に60日しかない湖の氷上の村、然別湖コタンを訪ねてみた

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北海道は十勝地方北部の鹿追町。その山間深くに神秘的な湖・然別湖があります。日本一寒い地域のひとつで12月から5月初旬まで氷に包まれる湖です。その湖上に1月から3月までの約2か月間、氷の村「然別湖コタン」が生まれます。3月中旬、“幻の村”が消える直前の然別湖を訪れてみました。

北海道有数の厳寒地、防寒しっかり

道東の主要都市・帯広市の北東、車で約90分の距離に然別湖>はあります。2017年の然別湖コタンは1月28日から3月20日まで存在していました。筆者が訪れたのは3月17日とコタンが消える寸前でした。アクセスは帯広駅からは然別湖温泉行きの路線バス(北海道拓殖バス)が出ていて、イベント期間中は無料となっているのがうれしいです。帰りは湖畔の温泉ホテルで無料乗車券をもらって下さい。そうしなければ帯広まで運賃1650円かかります。

北海道らしい原野を抜け、どんどん山間部に入り路線バスで然別湖に到着したのは昼ごろ。さすがに期間末期で、平日でもあり、訪れている方は多くはありません。標高は約800m。朝は氷点下12度まで下がったみたいですが、昼間は最高0度くらいまで気温が上がり、道産子の筆者には思った以上に暖かな気候でした。ただし、本州などから来られたかたはしっかりとした防寒と滑り止め対策が必要です。軽装で転倒している方がかなりいましたから。

湖の天然氷と雪で造るイグルーが点在

暖かな3月下旬でも湖上は真っ白な雪と氷の世界。そこに、氷の村が広がっています。「コタン」とはアイヌ語で「村」 。1,2月の晴れた早朝ならば、サンピラーを眺められ、より綺麗だったに違いありません。

然別湖は標高804mにあり、火山の爆発により川がせき止められてできたと言われています。周囲約13.8㎞、水深約100mの湖です。天然のオショロコマ、日本でこの湖しかいないミヤベイワナが生息しています。昨年11月下旬には湖が氷り始め、2月頃には積雪も含め約1メートルの厚さになるとのこと。筆者が来た時点でも70㎝の厚さがあると聞きました。北海道でも有数の寒さで、2月には氷点下35度を記録したとか。北海道弁でいうまさに「なまらしばれる!」世界です。>

コタン内には氷と雪でできた様々なイグルー(家)があります。北海道の雪は寒くサラサラしているので、かまくらは造りにくいですし、特に然別湖はなおさら。それで、湖の天然氷を切りだし、雪とともに固めて作るのです。イグルーとはアラスカや北極圏のイヌイットたちが造り出す氷の家の呼び名で、北方民族の彼らに敬意をはらい名付けています。

イグルー内は幻想的な美しさ。氷の世界は夢の世界に舞い込んだようです。大きなイグルー内は宿泊もでき、予めホテルの部屋を確保した上(寒いという方もいるらしい)で、1泊1万1500円だとか。イグルー内は個人的には暖かく感じます、宿泊の場合、厚い寝袋で寝るので、Tシャツ姿でも十分温かく眠れるのだそうです。2月中はほぼ満室だったとのこと。氷のホテルなど滅多にできない経験なので人気があるようです。

コタンの一番奥のイグルーはチャペルになっています。

2月には実際にここで挙式したカップルも1組いました。午後5時を過ぎるとキャンドルが点灯され、白く透き通った氷のチャペルが一層、ロマンチックな雰囲気になります。

日常を忘れさせてくれる、美しい景色に見惚れてしまいます。湖上の風景も時間につれて様々な表情を見せてくれます。

晴れた日中です。すがすがしい白い風景が太陽と青空とのコントラストで一層映えます。ただの雪上ではありません。湖上の氷の上なのです。コタンでは、スノーモービル走行や、スノーシューや歩くスキーを履いたガイドサービスなども行っています。湖上から大自然を満喫することができます。

日が沈みマジックアワーの時間帯です。そして、もしかしたら、コタンは夜が一番綺麗かもしれません。

イグルー内に電灯がともり、暗闇に浮かび上がる光景も、おとぎ話に入り込んだような世界です。

筆者は金銭的にも日程的にも日帰りを余儀なくされましたが、この光景を見ると宿泊して朝から晩まで満喫したいという思いにかられました。真冬なら朝のサンピラー(太陽柱)、夜はコタンの灯りに輝くダイヤモンドダスト、そして満天の星空とイグルーのコラボレーションを満喫することができるでしょう。観光に来られる方は宿泊した方がよいと思います。

写真のイグルーの周囲が雪が融けてシャーベット状態になっていると思います。これはイグルーが自身の重さで沈み始め、氷も徐々に薄くなってきているので水分が外に出てきている状態です。3月になるとイグルー自体も融けてくるので修復しながら使用しています。このようになってくると、然別湖も春の訪れを感じることになります。

絶景をみながら氷上露天風呂を楽しむ

筆者が楽しみにしていたのが、氷の露天風呂でした。入浴時間は午前6時半から午後10時まで基本的には日中は混浴ですが、午後6時以降は入浴時間が男女で別れています。

人が入浴していない時は風呂の外側まで近寄れますが、入浴時はもちろんだめです。脱衣場も見学だけでもいけません。真昼間で、やや恥ずかしい思いもありましたが、意を決して、入ってみました。

湯船と脱衣所は2カ所に分かれています。筆者が入った時はどちらも無人でした。遠慮なく、完璧な全裸となり入浴しました。

さすがに氷は暖かさと温泉の暖気で溶け始めています。お湯は、近くのホテルから引いているので、完全なかけ流し天然温泉です。鉄分の多いタイプで茶色く濁っています。ハッキリ言ってメチャクチャ温まります。

そして何より、温泉から眺める然別湖の絶景を独り占めできたこと。こんな贅沢はなかなかできません。恥ずかしさを忘れ、身を乗り出して素晴らしい景色を満喫しました。女性は昼間の単独入浴は勇気が必要かもしれませんが、カップルやご夫婦ならチャレンジする価値ありです。爽快な気分になりますよ。

アイスカフェで氷の芸術とドリンクを堪能

然別湖コタンを訪れると、皆さん必ず訪れるのは、コタン入口にある「アイスカフェ」だと思います。様々なイグルーの中で最も巨大で芸術性あふれる建造物です。

中に入るといきなり、円球型のホールがあり驚かされます。

中に入ると、モニターと氷の座席があり、然別湖の四季や、イグルーの建築風景の動画が流れています。

さらに奥には、コンサートなどができる大きなホールがあります。

ステージを見つめているヒグマの氷像が心をホッコリさせてくれます。このホールの奥に、「アイスカフェ」があります。

すべて天然氷と雪で造られていて、まさに氷の芸術です。バーカウンターの氷の美しさも特筆もの。同イグルーの建築に1か月半ほどかかります。ロフトのような感じで、2階席にそれぞれ個室やテーブルがあり、旭川の「雪の美術館」ではないですが、「アナと雪の女王」の雰囲気も感じさせます。

温泉でじっくり温まったので、筆者は冷たいドリンクを頼むことに。ドリンクはソフトドリンクからカクテル、リキュール、ウイスキー、地元の焼酎など色々と揃っています。主要なドリンクは500円。氷のグラスで飲みたい場合はグラス代が+500円となっています。

まず頼んだのは「コーディアル」というヨーロッパから古くから使われる天然ハーブや果汁を用いたドリンクで「エルダーフラワー」を頼みました。ジンジャーエールを優しくしたような柑橘系のドリンクでした。氷のひんやりとした冷たさとフルーツの味わいが温まった身体にスーッと入っていきます。ちなみにこの氷グラス、自作もできます。お値段は忘れましたが、サイコロ型の天然氷を店員さんの指導のもと、ノミのような道具で削っていきます。チャレンジしていた家族連れやカップルも多かったです。

調子に乗った私は2杯目も頼むことに。同カフェオリジナルというロゼワインをベースの「スプリングエフェメラル」を飲みました。

もちろん、氷グラスは冷たいです。カウンターバーにすぐくっつきますのでご注意を。でも軽く小突けばすぐはずれます。このイグルー内は常時、氷点下5~7度ぐらいに保たれていますので、氷グラスも簡単に溶けません。本州の方は寒く感じるかもしれませんが、何故かそれほど寒くは感じません。同コタンで、ここは外せないスポットだと思います。

まとめ

前述したとおり、「然別湖コタン」は湖畔のホテルやイグルーに宿泊して朝から晩まで堪能するべきだと思いました。冬になると閑散とする然別湖の活性化のために若手を中心に立ち上げ今年36年目となる幻の村。出現するのはまた来年になりますが、できれば2月の真冬に来てみたいと思いました。しかし然別湖は四季を通じても自然の宝庫。天然記念物のナキウサギなどにも遭遇するかも。夏場に訪れても北海道らしさを十分楽しめますよ。

▽スポット情報

然別湖

北海道河東郡鹿追町然別湖畔

URL:http://www.shikaoi.net/(鹿追町観光協会)

TEL:0156-66-4034(鹿追町観光協会)

0156-69-8181(しかりべつ湖ネイチャーセンター)

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