一度は見ておくべし!最北のマガンの聖地・宮島沼に感動

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かつては炭鉱の街として栄えた北海道美唄市に、世界有数のマガンの聖地があるのはご存知ですか?宮島沼という、小さな沼なのですが、春と秋に、マガンが大挙して渡ってくる寄留地として野鳥ファンには知る人ぞ知る聖地なのです。観光地としては知られていませんが、数万羽のマガンが沼から一斉に飛び立ったり、降りてくる光景は野鳥ファンならずとも見る価値あり。そんな「感動の宮島沼」をレポートします。

「ラムサール条約」登録の小さな沼

 

宮島沼は北海道以外の方、北海道に引っ越されてきたばかりの方はほとんどご存知ないかもしれません。所在は、札幌から北東に約45㎞ほど北東の美唄市の西端あります。なので、現地に向かう場合は美唄の西隣の月形町方面からの方が近いです。公共交通でれば、ローカル線の学園都市線に乗車し石狩月形駅で下車し路線バスで約10分、車だと国道275号線を北上し約40分ほどで到着します。

こちらが石狩月形駅です。非常にローカルな魅力あふれていますが、同線は北海道医療大学以北の廃線が計画されているので、いつか、その魅力も紹介する予定です。

宮島沼は面積約30㌶の小さな沼で、水深は平均で86㎝。西に石狩川が流れ、樺戸山地の眺めが綺麗です。周囲は田畑など農地や民家に囲まれています。

しかし、そんな小さな沼が春と秋には奇跡のような魅力が詰まっているのです。

2002年、「国際的に重要な湿地」としてラムサール条約に登録されました。このような湿地は全国で33カ所、北海道には釧路湿原やウトナイ湖(苫小牧)など12カ所が同条約に登録されています。湖の傍には「宮島沼・水鳥・湿地センター」があります。

こちらは駐車場や案内所やトイレ、望遠鏡などが設置してある観測フロアがあり、マガンなどの生態がわかるパネル展示も豊富です。

観光地ではないので、食事する場所はありません。また、北海道らしく近くにコンビニエンスストアもありませんので、食事はあらかじめ済ますか、用意してきてくださいまた、なぜか分かりませんが、大きなヤギも飼われていて、人懐こいです。

天然記念物マガンの世界最大の寄留地

 

なぜ、この小さな沼がすごいのか?同沼は世界的にも注目される国内最大のマガンの寄留地(中継地)なのです。その数は最大で7万羽近くにもなるのです。またそのほかにコハクチョウやヒシクイも渡ってきて、さらにこれらの野鳥を狙って、オオワシやオジロワシなども飛来するので、宮島沼周辺は国指定の鳥獣保護区にもなっています。

マガンの故郷はロシア極東のシベリア。同地で春に子育てを行い、8月半ばには雪が降り始めるので、暖かい越冬地を目指して南に渡りはじめます。その飛行距離は4000㎞にも及びます。幼鳥にとっては卵からかえってわずか2カ月の過酷な旅です。長旅を経て9月下旬から10月中旬まで、宮島沼で休息し、秋田県経由で宮城県に入り越冬します。越冬したマガンは翌春、故郷シベリアに戻るために北上し、4月中旬から下旬まで宮島沼で休息と栄養を蓄えシベリアに戻っていくのです。

マガンは国指定の天然記念物となっています。マガンはカモやハクチョウの中間ぐらいの大きさです。地味な鳥ですが見分けるのは簡単。くちばしの付け根のおでこが白くなっているのが特徴。また、成長は腹回りが黒い縞模様が出ています。幼鳥は白いおでこも、縞模様も出ていないので見分けがつきやすいです。

6万8000羽ものマガンの「ねぐら入り」がスゴイ!

 

小さな宮島沼にマガンが大挙集まるのは、周囲に木立が少なく天敵を見つけやすいこと。周りを田んぼに囲まれているので、餌が豊富にあることが要因と言われています。筆者は今年、春と秋、両方の時期に訪れましたが、春はマガンの最盛期と重なり、何と6万8000羽という、ものすごい数が集まっていました。秋は10月初旬に訪れましたが残念ながら1万5000羽でしたので、天候にも恵まれた春に撮影した写真を中心に紹介していきますね。

宮島沼でのマガンの1日は、日の出付近に一斉に宮島沼を飛び立ち、周囲の田畑や山林で餌をついばみます。昼間は沼に戻ってきて羽根を休める群れもいるので昼間でも楽しめます。

春は、数こそ5000羽ほどですが、コハクチョウも渡ってくるので、その華麗な姿も楽しめるのです。

マガンは、ひとしきり餌をついばんだ跡、日の入りあたりから一斉に沼に戻ってきます。そしてマガンの一番の見どころは、この日の出と日の入りの時間帯です。日の出前に大挙して群れが飛び立つのを「ねぐら立ち」、日の入り前から戻ってくるのが「ねぐら入り」と言います。筆者は車を所有していないので、「ねぐら立ち」は午前4時半あたりから始まるため、公共交通の関係で見ることはできていません。しかし、「ねぐら入り」を初めて観た時は、その迫力にまず圧倒されました。

本当に四方八方から、数えきれない群れが編隊を組んで次から次へと戻ってくるのです。沼周辺の空がマガンに埋め尽くされると言っても過言ではありません。ちょっと筆者の拙い写真ではそれが表現できないです。「ガーガー」という鳴き声で周囲は埋め尽くされます。そしてこの日は夕陽が綺麗だったので、まさにフォトジェニックな写真も撮れました。

茜色に染まった空と宮島沼、そして沼はどんどんとマガンで埋まっていき、幻想的で非日常な景色に。マガンは人間を警戒するため、観察場所の反対側から埋まっていきますが、この日は8割方、沼が埋まっていました。

道産子には宮島沼はかなり知られてきたため、この日も多くの見学者が訪れたていたのですが、一様に「スゴイ!」という感嘆の声が上がっていました。わずか1時間半ほどの減少なのですが、目の前の予想を超える出来事に最初は圧倒され、次に自然のすごさ、マガンの神秘と健気さに感動が沸き起こり、訳もなく涙が出そうな自分がいました。これを観て鳥嫌いの人は失神するかもしれませんが、それ以外のほとんどの方は感動すると思います。

環境悪化で数十年後には干上がる懸念も

 

日没からのマジックアワーの宮島沼もまた綺麗でした。

ただ、この宮島沼も、環境の悪化で沼底に泥がたまり、数十年後には干上がるのではないかと心配されています。かつて35㌶、水深は最大2.4mあった沼は2007年の調査では面積25.1㌶、最大水深が55㎝となっていて、水草もほとんど生えていないそうです。50年後、100年後もマガンを守り、この感動を後世に受け継いでいくためにも、私たち人間は、宮島沼だけではなく、地球環境に対する意識を高めなければいけないと思いました。

まとめ

 

小さな沼で春と秋に起こる自然や生き物の神秘はなくしてはいけない風物詩です。観光地でもなく、車以外のアクセスは大変ですが、予想以上の感動に出会えるので、全国の方に広くオススメできます。感動とともに人間とそれ以外の生き物が共存できる環境に関して考える一助にもなると思います。また、沼の周囲は農家さんの私有地ですので、くれぐれも農地や農道に入らないでください。また、マガンを初め沼の生き物には決して餌を与えないでくださいね。

 

▽スポット情報

宮島沼

住所:北海道美唄市西美唄町大曲3区

TEL:0126-26-5066

URL:http://www.city.bibai.hokkaido.jp/miyajimanuma//index.php

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