ペンギン散歩がなくても楽しい!秋の旭山動物園に行ってみた

北海道

今や日本一の集客数を誇る日本最北の動物園・旭山動物園。動物さんが自然の中で生き生きした姿を見学できることで世界的にも人気を博しています。時間帯や季節によって動物の行動も変わりさまざまな楽しみかたができる動物園ですが、今回は秋も深まった10月中旬に、同園を訪れて、楽しみ方を探ってみました!

 

秋の旭山は紅葉と動物のコラボ写真に挑戦

今回、札幌から北へ120㎞先の旭川市に向かった筆者が利用したのは、中央バスの旭山動物園セット券(4700円)です。札幌‐旭川間の往復高速バス券と、JR旭川駅‐旭山動物園間の路線バス券、そして動物園の入場券がセットになっています。購入から3日間有効です。また、JRのセット券もありますよ。旭山動物園に到着すると、小高い丘陵の中腹にある動物園はすっかり紅葉で色づいていました。

生憎の曇り空だったので、晴れていればもっと色彩豊かな景色だったと思います。そう、秋の旭山動物園はこの朱色や黄色の紅葉を生かして、動物さんと綺麗な写真を撮るのに最適だと、感じました。

 

広葉樹に囲まれた中、展示場からかかる吊り橋を渡るレッサーパンダです。レッサーパンダも鮮やかな茶褐色なので、紅葉に溶け込む感じで非常にフォトジェニックになりますね。レッサーパンダ自身も半夜行性なので、秋の夕陽の時間帯は活発になるので、夕陽とともに写真を狙うのも一考でしょう。もう一枚、紅葉のレッサーパンダを貼っておきます。

さてもう一枚。キリンさんが、展示場の傍にある広葉樹の葉っぱを食べようと必死に舌を伸ばしているシーンをパチリ。枯葉を食べようとする南国の動物・キリンという光景はなかなかシュールですね。

 

地味な存在のエゾシカにも注目!

動物園では地味な存在となってしまうエゾシカにも秋は注目してください。北海道では数が増えすぎて害獣扱いされ、最近はジビエなど鹿肉料理として食用や町おこしに利用されている存在です。この時期は、オスが立派な角を見せてくれるのです。

冬の寒さに耐えるため、この時期のエゾシカは餌をたくさん食べます。4月に鹿の角は抜け落ち、5月から徐々に生えてきて、秋に完成形となり雄々しい姿を見せてくれます。求愛の時期でもあり、オスが一番カッコよくなる時期だとか。とにかく「ビイーッ!」と鳴き続けていたシカが多かったのは求愛の時期だったからかもしれません。秋に訪れたらエゾシカもぜひ見学してみて下さい。

 

夏は茶褐色、そして冬は真っ白な毛を纏うホッキョクギツネやエゾユキウサギは秋口から毛色が変化し始めます。

夜行性だけに、昼間の今回はぐっすりと眠っていましたが、かなり灰色に変化していました。北海道に生息するエゾユキウサギかなり白くなっていましたよ。

 

「アザラシ館」「ほっきょくぐま館」はやはり必見!

旭山動物園と言えば「行動展示」。動物たちが自然に近い形で、その生態や習性、行動を取るためになるべく自然に過ごせる環境で過ごせる展示方法です。そして、見学する人間が、邪魔にならないよう、その生活環境の中に入っていって見学させてもらう、という感覚です。「伝えたいのは命のかがやき」として、自然な環境の中で、動物を間近で見られるよう、あらゆる工夫がされています。同じ動物を真上からみたり真下から観たり。めて思ったのでは子供だけではなく、大人でも何度リピートしても楽しめるということ。

有名な「アザラシ館」は言うまでもありませんね。流氷の間を泳ぎ回るアザラシの修正を利用したマリンウェイ(円柱水槽)を行き来するアザラシさんの姿は今でも大人気です。

アザラシも好奇心旺盛で、マリンウェイから私たち人間を観察しているように見えます。

陸上では1日2回、「もぐもぐタイム」が好評。主要な人気動物の展示館でも随時行われていて、これが見学のメーンと言ってもいいかも知れません。

ホッケをパクつくゴマフアザラシです。陸上は北の漁場の雰囲気を再現して、小型の漁船などを浮かべていて、怪我で保護されたウミネコやオオワシも一緒に飼育されています。

ウミネコも餌の時間がわかっているようで、もぐもぐタイムが近づくとミャーミャー鳴いて餌を要求していました。

 

楽しい「かば館」が人気急上昇中

アザラシ館とともに動物園の看板は「ほっきょくぐま館」です。ホッキョクグマのもぐもぐタイムは水中給餌で迫力あるシーンが楽しめます。しかしながら、平日というのに大人気で見学することは叶わず。道産子ですがいまだに見学できません。代わりに、「シールズアイ」といって、アザラシの目線で氷上のホッキョクグマを眺めるカプセルに入りました。外からだとこのような感じです。

目の前にホッキョクグマが迫っているのがわかります。この日は活動的に行動していた熊さんがいたので、カプセルからは熊さんが迫りくる感じは、ものすごい迫力でした。アザラシさんにとっては命がかかっているだけにさぞや恐怖のシーンなのでしょう。

「アザラシ館」や「ほっきょくぐま館」などに負けずに面白かったのが「かば館」でした。こちらは2013年11月に新設された施設です。人気なのは、カバの遊泳を水槽の真下などから見学できることです。

泳いでいるというより、まるで宇宙遊泳のように空中を漂っているかのように見えます。カバは生活の大半を水中で過ごします。出産、交尾、子育て、授乳、排せつもほぼ水中で行います。耳と鼻を閉じて5分間潜ることもでき、指の間にも水搔きがついています。

真横からのカバも大迫力です!ほかの動物園のカバは陸上からのものが大半で、これだけカバの生き生きとした水中の活動を見学できるのは、旭山動物園だけかも知れません。まだ、あまり知られていない施設で、ゆったり見学できます。隠れたオススメです。

 

オランウータンやチンパンジーの行動に感心

今回ラッキーだったのは、10月にしてはこの日の気温が20℃近くまで上昇したので、寒くなるとあまり動かないお猿さんたちも活動的だったこと。「おらんうーたん館」では有名なオランウータンの空中散歩が観ることができました。夏季開園中の昼間に2回行われる「もぐもぐタイム」で見ることができますが、必ず渡る保証はないので、ラッキーでした。

お母さんの「リアン」にしがみつく「モリト」が超カワイイです。地上17mの綱渡りなのですが、オランウータンの握力は300㎏とも言われ、高い所からは絶対に落ちることはないそうで、これまで事故の報告も聞いたことがありません。リアンはモリトに口移しで水を飲ませるなど子煩悩な面も見せてくれました。

あまりにも人間くさい子供の「モリト」も器用に手足を使い自由自在に移動していました。お隣には非常に行動的なシロテナガザルの館があり、ここも高い鉄塔と遊具があり、テナガザルが飛び吊り移動している光景は歓声が上がります。

そのお隣はクモザルとカピバラが一緒に暮らすという、シュールな空間があります。テナガザルもキョンという小さい鹿の仲間と暮らしているので、異種動物の同居は動物園側の一種の挑戦でしょう。

行動的で愛嬌のあるクモザルと、ゆるーく、まったりとした癒し系のカピバラはどちらも可愛いですね。

この異種同居は1度、からかってきたクモザルに怒ったカピバラが咬みついて、クモザルが死亡するという出来事が起きましたが、それ以降は起きていないとのこと。野生では異種同士が出会うのは当たり前で、時には生死をかけた戦いに発展することもあります。今は互いにそれなりの敬意を払っているようです。

 

「ちんぱんじー館」でも色々な角度から見学することができます。現在、旭山動物園には2つの群れが存在し、それぞれが独立できるよう工夫して交互展示を行っているとのこと。同館の特徴は空中のガラス張りトンネル「スカイブリッジ」です。チンパンジーたちはこのトンネルの上に乗ったり、近づいたりしてきます。

「スカイブリッジ」の中から見るとこんな感じです。

アーチ状の窓ガラスの真上にチンパンジーが座っています。このように、通常はありえない位置からチーンパンジーの行動を楽しむことができるのです。また、個人的に感心したのはこれです。

何をしてるかわかりますか?鉄柵の前にある台におそらく蜂蜜などのシロップを塗っているようです。それを、チンパンジーが植物の枝を器用に使って柵の間から先端に塗り付け、舐めているのです。

美味しそうに舐めていますね!このようにチンパンジーの高い知能も実際に行動で見ることができます。

 

まとめ

すべてを観ようとすると、1日では回りきれませんし、筆者もとてもすべては紹介できません。人気の「もぐもぐタイム」は、予め見学する動物を決めておいて割り切って行動するのがベターです。とにかく、リピートは何回でもしたい動物園です。もちろん楽しいだけではなく、動物と人間の共存など、様々なことを考えさせられる場所です。

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