オランダに滞在する楽しみの一つは、おいしいビールを味わうことだといったら大げさでしょうか。筆者は個人的に、ビールには「苦くて炭酸が苦しい」という印象しかなかったため、日本ではビールをほとんど飲むことがありませんでした。ですが、オランダに来てからというもの、いろいろなビールを試す機会が増え、しまいにはビール好きになってしまいました。オランダには、それほどおいしくて、手ごろな価格で楽しめるビールがたくさんあります。
スーパーマーケットで買えば、オランダの瓶ビールは1本100以下で購入できます。隣国ベルギーやドイツのビールも数多く販売されていますが、今回は、オランダのメーカーのビールに限定して、5種類の人気オランダビールをご紹介していきます!
なお、価格については、「Vomar」というスーパーマーケットでの2017年10月現在のボトル1本あたりの単価を掲載しています。ちなみに、度数はどれも5パーセントから5.1パーセント程度でした。
では、さっそく一番の有名どころからご紹介していきます。
オランダの一番人気の定番ビール
1)ハイネケン
オランダビールといえば「ハイネケン」が代表的な銘柄です。アムステルダムには「ハイネケン・エクスペリエンス」というビール博物館もあり、観光スポットとして絶大な人気を誇っています。
・ビール博物館「ハイネケン・エクスペリエンス」→
(https://www.heineken.com/nl/agegateway?returnurl=%2fjp%2fHeineken-Experience%2fHeineken-Experience)
同じ瓶ビールでも、日本で飲むよりも苦みが弱いように感じるのは気のせいでしょうか。さっぱりとした後味とのど越し、そして程よい炭酸が心地良いビールです。万人に愛される理由は、この偏りのないバランスの良い味わいに隠されているのかもしれません。
2016年の国内ビール売上のうち、3割近くはハイネケンビールだったことを考えると、その人気ぶりに改めてびっくりさせられます。オランダ定番の、現地に来たら一度は飲みたいオランダビールです。
名称:Heineken
価格:0.63ユーロ
アムステルダムのトレードマーク
2)アムステル
こちらは、2016年の売上第3位だったアムステルビールです。茶色っぽいボトルに赤いラベルが特徴です。
オランダ国内売り上げの16パーセントを占めるこのアムステルビールは、アムステルダムで製造が始められたことから、市内を流れるアムステル運河にあやかって命名されました。現在もアムステルダム市民を中心に、絶大な支持を得ているビールです。実際に、「ビールはアムステル一筋!」というアムステルダムっ子を見かけることもめずらしくありません。
グラスに注いでみると、明るい黄金色で、炭酸は強めです。他のビールと比べると苦みがあり、のど越しがすっきりしている印象があります。
名称:Amstel Pilsener
価格:0.57ユーロ
上品なおいしさの南部のビール
3)ブランド(Brand)
こちらのブランド(もしくはブランズ)ビールは、オランダ最南部にあるリンブルフ州のビールです。リンブルフ州といえば、ベルギーとドイツに挟まれるような立地にあり、北オランダに比べると美食の地と言われることもあります。
スーパーマーケットでは、このブランドビールに限っては、いくつか種類をそろえて販売していることがあります。ボトルのネックに巻かれているラベルの色が種類によってそれぞれ違うので、並べてみるとかわいらしいですね。定番のピルスナーは深緑色、ホワイトビールは明るい水色、インド・ペールエールは褐色など、バリエーションが豊富で、選ぶ楽しみがあります。
飲んでみると、上品でマイルドな味わいで、食事に合わせやすいという印象でした。ブランドビールの公式ウェブサイトにも、どのような料理にどのビールが合うか、というおすすめレシピ集も掲載されていて、一見の価値ありです。
・ブランドビールの公式ウェブサイト→(https://www.brand.nl/)
名称:Brand Pilsener
価格:0.65ユーロ
筆者イチオシのオランダビール
4)ヘルトグ・ヤン(Hertog Jan)
筆者が個人的にイチオシのビールが、こちらのヘルトグ・ヤンのビール。恰幅のよさそうな笑顔の王様がラベルに載っている「Hertog Jan」というオランダビールです。茶色のボトルに金色の王様ラベルが目印です。
おすすめの理由は、軽快で飲みやすいのに、リッチなコクがあるおいしさです。苦みはほとんどなく、さらっとした舌触りです。
日本のビールが苦手だった筆者が今ではすっかりビール党になってしまったのも、ひとえにこのビールとの出会いがありました……。
オランダ全体のシェアでいうと、ヘルトグ・ヤンが占めるのはわずか数パーセントにしか満たないそうですが、日本人の友人の間ではとても好評なので、もしかしたら日本人好みの味わいなのかもしれません。
ちなみに、普通のヘルトグ・ヤンはもちろん、「Hertog Jan Weizener」という白ビールもぜひ味わっていただきたい一本です。上品でフルーティな白ビールは、ビールのイメージを変えてしまうようなおいしさですよ! よく冷やしてお飲みください。
名称:Hertog Jan Pilsener
価格:0.67ユーロ
大き目ボトルが特徴のビール
5)グロールシュ(Grolsch)
こちらのグロールシュビールは、まずボトルが特徴的です。「スイングトップボトル」という独自の構造をしていて、ポンッという軽快な音で、栓抜きを使わずに手で開けられる手軽さが嬉しいところです。他の銘柄と同じサイズのボトルも販売されていますが、こちらのグローシュを象徴するボトルは通常のものよりも大きく、450ミリリットルもあります。
グラスに注いでみると、クリアな黄色が印象的です。今回はプレミアム・ピルスナーのビールを試飲してみました。ボトルの説明書きには、「他のビールよりもホップが多めなので苦みがある」と書かれていましたが、実際に飲んでみるとそんなに強い苦みは感じません。ピリッとするくらいのほのかな苦みが心地良いビールでした。クセがあまりなく、多くの人に好まれる要素があると思います。
名称:Grolsch
価格:0.96ユーロ(450ミリリットル瓶)
自分好みのオランダビールを見つけてみよう
以上、個人的な視点から、オランダで人気のある5種類のビールをご紹介させていただきました。ご覧のとおり、どのビールにも特長があり、個性があって、おいしく楽しめるものばかりです。
スーパーマーケットでは、ボトルあたりの単価がちゃんと表示されていないことがあるのですが、特別なプレミアパックや銘柄のグラス付のパックを除けば、6本パックや箱ごと買う必要はまったくなく、1本ずつでも購入することができます。ですので、ぜひ多種類買いそろえて、飲み比べをしてみてくださいね!
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