ローマで過ごすクリスマス

ローマ

カトリック教会の総本山であるローマは、実際のクリスマス(NATALE、ナターレ)よりもかなり早く、11月も末頃から商店街でクリスマスの飾り付けが始まります。美しい光が輝くローマの街はこの時期独特の華やかな雰囲気です。実際の本場のクリスマスは家族と共に過ごす敬虔なもので、夜中に教会へミサのために出かけていくなど、日本のクリスマスとは全く違います。ここでは、ローマのクリスマスシーズンについてイタリア家庭の過ごし方などをご紹介します。

 

天使の訪れで始まるクリスマス

 

カトリックのクリスマスシーズンは、祝日である12月8日「聖母マリア受胎告知の日(IMMACOLATA CONCEZIONE、インマコラータ・コンチェッツィオーネ)」に、サン・ピエトロ大聖堂でローマ法王によるクリスマスシーズンの始まりを祝う儀礼のミサがあり、キリスト教徒の家庭ではクリスマスの飾りつけを始めます。この日にキリストの母であるマリアのもとに大天使が訪れ、神の子を宿したことを告げたとされているからなのです。

この日が来るとクリスマスの訪れが実感できるので、この頃から寄ると触るとクリスマスの話題で持ちきりです。学校も通常22日くらいからクリスマス・バカンス(VACANZA NATALIZIA、ヴァカンツァ・ナタリツィア)が始まるのですが、この祭日で学校ももうバカンスモードのようです。

 

イタリアにはサンタクロースがいなかった!

 

日本と違い、クリスマスは年末年始を挟んで同じく祭日である1月6日の「エピファニーアの祝日(EPIFANIA)」まで続き、学校も通常この日まで休みです。このバカンスの最後に来るエピファニーアはベファーナ(BEFANA)と呼ばれる魔法使いのおばあさんが、子供にプレゼントを持ってくる日です。もともとは、イエスの誕生を祝い来訪した東方三博士のエピソードにちなんでいるそうです。

今の親の世代だとクリスマスプレゼントといえばベファーナで、サンタクロースなんていなかったそうです。すっかり宗教行事までグローバリゼーションなのですね。イタリアではサンタクロースのことを「クリスマスのお父さん」という意味の「バッボ・ナターレ(BABBO NATALE)」と親しみを込めて呼ばれています。現在のイタリアの子供たちはサンタ・クロースからのプレゼントはもちろんのこと、休みの最後の日にまでベファーナからのプレゼントを受け取るのです。

初めて年末にヨーロッパを旅したときに、まだクリスマスの飾りつけをしていると驚いたものですが、クリスマスを祝った後、大忙しで門松を準備する日本のほうが世界的には珍しいのですね。

 

クリスマスは家族でお祝い

 

キリストを信仰する人々にとって、クリスマスは家族の象徴のようなものです。短い休みにもかかわらず留学している人も仕事で家を離れている人も、クリスマスは家族で過ごすために家に帰ります。一昔前の日本の正月やお盆のような感覚です。イタリアもだんだん変わっては来ていますが、若者もクリスマスの食卓は、家族と一緒というのはまだまだ一般的な風物詩です。

まずはクリスマスイブ(VIGILIA DI NATALE、ヴィジリア・ディ・ナターレ)、24日の夜はキリストの誕生の前夜祭ともいうべき夕食を家族で過ごします。そして、夕食後、真夜中にキリスト誕生を祝うミサに出席するために教会へ向かいます。翌25日クリスマス当日は、家族そろって夕方ごろまで長いお昼を過ごします。ここでいう家族とは、親せきを含めた家族のことで10人以上集まるというのは普通の話。24日はお母さんの実家へ25日はお父さんの実家でなど、クリスマス前はそれぞれの家族の都合で予定を調整するのに大忙しです。イタリアではその翌日の26日も、初の殉教者と言われる聖ステファノ(SANTO STEFANO、サント・ステーファノ)の日で祝日なので、この日は友達などと過ごす日とされていて、3日間に及ぶ飲んで食べてしゃべっての食事会が繰り広げられます。

クリスマスイブの食卓は伝統的に「肉」を食べることが禁止されていて魚のメニューとされています。そして翌日のメニューはお肉なので、2日間同じ内容が続かないようになっています。また、以前は各地で特色のあったクリスマスのお菓子も、現在はパネットーネ、パンドーロという日持ちのするケーキのようなお菓子が主流です。伝統的製法で作った高級なものから、大手のお菓子メーカーが作ったコマーシャルで人気の格安なものまで様々なので、ぜひお試しください。

 

クリスマスはどこも閉まっている?

 

通常クリスマスの地下鉄は、24日は夜21時まで、翌25日は8時から13時まででお昼はいったん閉め、夕方の16時に再び動き始め21時が終電という運行となっています。バスも夜中に運行している夜間バスは通常通りですが、普通のバスは地下鉄と同じような運行状況になっています。特に25日の14時頃には、ほとんどのお店はシャッターを下ろし、走っている車も歩いている人もほとんどなく、ローマにいると思えないほどひっそりとしています。この食事会の時間帯には、あまり外へ出ないほうがいいでしょう。

レストランは観光地なので営業しているところも多いですが、必ず事前に確認し予約をしておくほうがよいでしょう。また、ほとんどのレストランがクリスマス用の特別メニューの提供になっています。

 

せっかくだからクリスマスのミサに行ってみたい!

 

数多いクリスマスのミサ(MESSA、メッサ)の中でも最も重要なのがサン・ピエトロ大聖堂で行われる24日の真夜中のミサです。この法王のミサへ参加するには無料ですが事前の予約が必要です。世界中から信者が訪れる敬虔なミサなので、もちろん信者でなくても参加できますが、多少はカトリックのミサや讃美歌などの知識を仕入れて行った方がよいでしょう。国営放送のRAI、TV2000というバチカンの放送局でも通常テレビ中継しています。

サン・ピエトロ広場では、翌25日と26日に正午から法王のミサが行われます。こちらは予約も必要ないので気軽に参加できますが、大勢の人が集まるはずなので早めに行くことをお勧めします。また、サン・ピエトロ大聖堂以外でも、ほとんどの教会でミサが行われています。ローマには歴史的に重要な教会だけでも200もあるので、様子を見るくらいなら普通の教会に参加してみるのもいいでしょう。もちろん祈りの場なので、肌を隠した服装で、静かにすることをお忘れなく。

 

クリスマスツリーよりプレゼーピオ

 

イタリアではクリスマスツリー(ALBERO DI NATALE、アルベロ・ディ・ナターレ)を飾るようになったのも最近のことで、プレゼーピオ(PRESEPIO)と呼ばれるキリスト誕生の状況を模した人形を飾るのが伝統的な習慣です。機械仕掛けで本当に水がでてくるくる回る水車や、1日の動きを表すように街灯が時間を置いて点いたり消えたりなど凝ったものもあり、それぞれの家庭でも頑張って飾りつけをするのです。

特に教会は、この時期それぞれのプレゼーピオを飾っています。サン・ピエトロ大聖堂には人間より大きなサイズの人形を使った大きなプレゼーピオが飾られます。一口にキリスト誕生の様子と言ってもそれぞれの表現方法があるので、いろんな教会を見比べるのもクリスマスの楽しみです。

毎年この時期にのみ、ポポロ広場の近くで「プレゼーピオの国際展示会」が開催され、パスタや紙で作ったもの本格的なものなど、100のプレゼーピオが一堂にそろい圧巻です。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

100PRESEPI ESPOSIZIONE INTERNAZIONALE

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