地下鉄、バスに乗ってみよう!

ローマ

約直径5キロのローマの街は、健脚派なら十分に歩いて回れる人間サイズの大きさです。ローマっ子になった気分で、車の通らない路地の小さな教会や、庶民的なお店を覗きながらの観光は、忘れられない旅の思い出になること間違いなしです。でも、そんな昔ながらの路地が入り組んだローマの街は、迷宮に迷い込んだようで平衡感覚を失いがちで、迷ってしまうことも。そんな時は、お得な公共交通機関を利用して、時間も体力も節約したいものですね。ここでは、バス、地下鉄の乗り方にをご説明いたします。

1.なんといっても便利なのは地下鉄

交通渋滞の多いローマでは、時間通りに動く地下鉄(METROPOLITANA、メトロポリターナ)はなんといっても便利です。しかも、基本的にはA線とB線の2路線が、ローマの街を「X」の字を描くようにテルミニ駅で交差しているだけ、という単純至極な地下鉄なので、観光客でも迷わずに利用できるのが嬉しいところです。

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地下鉄は、赤字に白のMマークを目印に、地下への階段を下りていきます。改札には、ずらりと自動改札機が並んでいるので、右手側の検札機に切符を入れると、自動ドアが開いて、駅の中へ通り抜けられる仕組みになっています。切符を差し込むときには、幅広い△マークを上にして、挿入します。ローマパスの場合は、定期を持っている人と同じように、かざすだけでOKです。

駅の係員は、たいてい真ん中のガラス張りのブースの中にいるので、分からないことがある場合は、問い合わせ用の窓口から声をかけましょう。ただ、切符の買い間違い、おつりが出ない、など切符の購入に関することは、自動販売機会社の管轄だと断られることがほとんどです。また、銃を持っている兵士は、テロを防止するために警護しているので、係員が見当たらなくても問い合わせないようにしてください。

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改札を抜けたら、行き先の表示板に従って、ホームに向かいます。日本のように、到着前に列を作る習慣がないので、好きな場所で待っていて、列車が到着したら、前の人について乗ります。欧米では知らない人の体に触れるのはタブーなので、日本のように前の人を押し込むようなことは、絶対にしません。また、スリに合う危険も高くなるので、あまり混んでいるようなら、見送って次の電車を待つ方がいいでしょう。時刻表はないのですが、日中は、最大でも5分間隔で電車は運行しています。

駅構や電車の中で、うずくまって座っている老人、赤ちゃんを抱いたジプシーや、音楽を演奏する人が、小銭を要求することがあります。キリスト教徒である欧米人は小銭を渡す人が時々いるのですが、義務ではないので、隣の人が渡していても、渡したくなければ払う必要はありません。

車内では、次の駅のアナウンスがない場合がほとんどなので、注意が必要です。また、イタリアでは、老人や妊婦、体の不自由な人に席を譲る習慣が定着しているので、シルバーシートでなくても、譲るほうがいいでしょう。降りる駅が近づいたら、扉近くに移動し、降りる準備をしましょう。

下車したら、出口(USCITA、ウシータ)の指示に従って進めば、改札につきます。切符を渡す必要はなく、お腹のあたりにあるバーをクルリと回転させて、改札から出ます。切符は地下鉄ではもう使えませんが、バス、市電へは100分以内であれば乗継ができるので、捨てずにとっておきましょう。

残念ながら、ローマの地下鉄には全ての駅にエレベーターがあるわけではなく、エスカレーターもよく故障しています。大きな荷物を持っての移動にはご注意ください。

2.市バスに乗ってみよう!

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ローマ市内をくまなく網羅している市バス(AUTOBUS、アウトブス)は、慣れれば便利な足として活用できます。日本と違い、切符は車内で販売していないので、事前に購入しましょう。バスは、日本と同じように、道端にあるバス停(FERMATA、フェルマータ)から乗り込みます。バス停の標識には、路線番号と停車バス停名が上から進行順に書いてあり、自分のいるバス停名は四角く囲ってあるので、行きたいバス停まで何駅あるのか数えておいた方が賢明です。ちなみに、バス停名の横についているMマークは、地下鉄の最寄りバス停の印です。

バスはすべてがバス停に停まるわけではないので、バスが来たら手を軽く上げて、運転手に乗る意思を伝えましょう。バスには通常3つ扉がありますが、真ん中は降りる人専用なので、前か後ろの扉から乗車します。

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乗ったらすぐに黄色い自動検札機に切符を通し、乗車日時を刻印させます。一度刻印していても、100分以内なら何度でも刻印できるので、毎回面倒でも刻印したほうが安心です。混んでいて自動検札機に近づけない場合は、持っているペンで乗車日時を自分で記載してしまいましょう。乗車時に運転手が切符を確認しない代わりに、不定期に検札が乗ってきます。刻印した切符を持っていない場合、約50ユウロの罰金を科せられます。パスポートも提示させられ、日本に帰国後も自宅まで罰金の請求が届くので、必ず切符の刻印を忘れないように!

バス停で確認しておいた降りるバス停までの駅の数を確かめながら、降りるひとつ前のバス停を過ぎたところで、ブザーを押し、真ん中の扉に近づき、降りる準備をします。降りる駅がわからなければ、近くの乗客や運転手に目的地名を言えば、簡単に教えてもらえるので、恥ずかしがらずに聞いたほうがいいです。

3.市内のバスターミナル

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鉄道駅、そして2本の地下鉄が交差するローマの中央駅であるテルミニ駅(STAZIONE TERMINE スタッツィオーネ・テルミニ)は、正面出口の前に、市バスのターミナルもあり、ここから始発のバスがたくさん出発するので、ここを起点にすればバス初心者には比較的わかりやすいです。

五百人広場(PIAZZA DEI CINQUECENTO、ピアッツァ・デイ・チンクエチェント)には、市バスを運営するATAC社のインフォメーションがあります。大きなローマ市内全体のバス路面図の掲示がないので、ここでバスの路線について質問できます。事前に行き先を紙に書いておいて、バスの路線番号を記入してもらったほうが、お互いにわかりやすいです。また、タバコ屋などで、便利な有料のバス路線図も販売しています。

 

4.地下鉄、市バスの注意点

ローマの公共交通機関の日本との大きな違いは、かなり頻繁にスト(SCIOPERO、シオペロ)を実施する点です。ローマでは、早朝から8時30分までと17時から20時という通勤時間のみは運行する、という変則的なストが一般的です。知らないと急に降ろされてカオス状態に巻き込まれたり、待っても待ってもバスが来なかったり、地下鉄の入り口が閉まっているという事態に遭遇する羽目になります。ストにあってしまった場合は、気長に歩くのが一番です。

また、週末はいろんな団体のデモ行進(MANIFESTAZIONE、マニフェスタッツィオーネ)、教会や各種イベントが実施されるために、バスの路線が変更される場合がよくあります。バス停や車内で変更になったという案内はまずないので、乗車時には、常に行き先を紙に書いたものを運転手に見せて確認するのが一番です。

最後に、バスの中にもスリはいます。混んだバスには乗らないように心掛けてくださいね。

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