直径約5kmの範囲に、数えきれない見どころがぎっしり詰まったローマの街。
頑張れば歩いて回れないこともないけれど、バス、地下鉄を使えれば、もっと便利。
ここでは、お得な公共交通機関ATACの市バス、地下鉄などの切符の種類、そして、美術館ともセットになったお得なローマパスについてご案内します。
これを読んで、あなたもローマっ子のように、自分の行きたいところへと、自由自在に計画を立てましょう!
ローマの地下鉄(METROPOLITANA、メトロポリターナ)
ローマの地下鉄は、鉄道の中央駅である「テルミニ駅」で交差するA線、B線の2本が、街を南北に横切って走っています。
運行は約5分おきに、5時30分から23時30分、金曜、土曜の週末は、夜中の1時30分まで走っています。
A線は、有名なスペイン階段の最寄り駅、サン・ピエトロ大聖堂の最寄りのオッタヴィアーノ駅、4大聖堂の1つであるサン・ジョヴァンニ駅を始め、オペラ座のあるレプブリカ駅。
B線は、コロッセオ、カラカッラ大浴場近くのチルコ・マッシモ駅、ピラミッドのあるピラミデ駅など、観光に便利な場所に停車するので、渋滞の多いローマでは、バスよりも地下鉄のほうが、簡単に動けます。
ローマはイタリアの首都なのに、地下鉄が2本しかないのは、3千年近い歴史が幾層にも重なっていて、地面の下には古代ローマ時代の遺跡が眠っているからなのです。
実は、ローマ近郊の街からローマの中心部分を東西に横切る地下鉄C線が2007年より建設中なのですが、いまだにローマ市内中心部分は未完のまま、工事が中断しています。完成予定は、現在のところ全くの未定、という何ともイタリアらしいのんびりした話です。
サン・ジョバンニ付近のメトロC工事現場。
ローマの市バス(AUTOBUS、アウトブス)と市電(TRAM、トラム)
地下鉄と同じくローマの公共交通機関ATACが運営する市バスが、ローマ市内をくまなく走り回っています。
主な路線の運行時間は、5時30分から24時ころまでですが、24時以降は深夜バスもあります。路線は昼間と違って限定されていますが、夜中でも、市バスがあるというので便利です。
ただ、ローマ市内は車の量が多いので、市バスは渋滞に巻き込まれることがよくあります。
最近では、大きなバス停に次のバスの位置を示す電光掲示板がある場合もありますが、それすら、時間通りに来ないこともあるので、ローマではゆっくりと焦らないことが大切です。
また、日本のように、車内で降りる駅のアナウンスがないので、窓の外を注意して、目標になるものを確認しながら乗らなければなりません。
交通渋滞が激しいローマで、車やバスを横目に、のんびり走る市電もあります。バス、地下鉄と同じATACの運営で、ローマの街を大きく巡回するように走っています。
ラツィオ州の近郊電車(FERROVIE REGIONALI)
あまり知られていないのですが、地下鉄の駅に接続しているラツィオ州の近郊電車も地下鉄や市バスと同じようにATACの運営です。
ちょっとローマの街中から郊外の街へ出かけてみたいときは、便利です。朝、夕方は、郊外の街からローマへの通勤電車なので、かなり込み合っています。
・A線のフラミニオ(FLAMINIO)駅に直結のポポロ広場(PIAZZA DEL POPOLO)
駅から、ローマの北にある街、ヴィテルボVITERBOまで。
・B線のピラミデ(PIRAMIDE)駅に直結のサン・パオロ門(PORTA SAN PAOLO)駅から、ローマの海沿いの街、オスティアのリド(LIDO)駅まで。
・テルミニ駅から、ジャルディネッティ(GIARDINETTI)駅まで
ATACの切符の種類
1回券の切符、右側、切符裏面の赤まるで囲んだ部分は「scad:」の後に、有効期限の切れる日時が表記。下段は使用開始した日時。
ローマの地下鉄、市バス、トラム、上記の近郊電車の切符は共通券です。1回券は1.5ユウロで100分間有効です。最初の乗車時に刻印したときから、100分間以内であれば、市バス、トラムには何回でも乗れますが、地下鉄、近郊電車は1回のみです。地下鉄の場合、A線とB線、C線の乗り換えは可能です。
子供の料金は、人数に関わりなく、9歳以下は無料です。10歳以上からは、大人と同料金になります。
1回券のほかにも、旅行に便利な通し券もあります。いずれも最初に刻印した時刻から、表示の時間中は有効なので、滞在時間に応じてお得な切符を選べます。
- Roma24h (24時間券)・・・ 7ユウロ
- Roma48h (48時間券)・・・5ユウロ
- Roma72h (72時間券)・・・18ユウロ
- CIS (1週間券)・・・・・24ユウロ
また、同じ月内に10日以上滞在するのであれば、1か月定期(ABBONAMENTO MENSILE 、 アッボナメント・メンシーレ)もお得です。
こちらは、毎月月末25日頃から発売で、4月券、5月券、というように、月単位に1か月有効で、35ユウロです。
ちなみに、1年間定期(ABBONAMENTO ANNUALE 、アッボナメント・アンヌアーレ)も同じく、その年単位で、1年間有効、250ユウロです。
美術館とセットのローマパス
このほか、ATACの交通機関と美術館の入場が無料、割引がある観光客にお得なローマパスもあります。
特に、コロッセオ、サンタンジェロ城への観光は、切符売り場で並ばずに直接手荷物検査のチェックポイントへ行けるので、混んでいる時期には、大変有効です。
ATACの切符、入場券となるローマパスと、バス、地下鉄の路線図、対象美術館の位置が記されたローマ市内の地図、そして無料、割引対象の美術館一覧が載っているローマパスガイドが付いています
- ROMAPASS(ローマパス)・・・36ユウロ
ATACの3日間有効切符と、その期間内、美術館2か所が入場無料
- ROMAPASS 48HOUR(ローマパス 48アワー)・・・28ユウロ
ATACの48時間有効切符と、その期間内、美術館1か所が入場無料
無料になる対象の美術館、博物館は、コロッセオ、ボルゲーゼ美術館をはじめとして、国立、市立の美術館は対象となっていますが、バチカン美術館は対象外ですのでご注意ください。
ATACの切符の販売場所
市バスやトラムの中では、切符を販売していません。切符の有効期間は、最初に使い始めてからのものなので、事前にまとめて購入しておくことをお勧めします。
ATACの共通切符は、バール(BAR)やタバコ屋さん(TABACCHI、タバッキ)、新聞屋さん(EDICOLA エディーコラ)で売っています。ただ、基本的に、どこのバールやタバコ屋さんでも売っているわけではなく、看板に黒字のTマークがついているお店、「BIGLIETTO ATAC」などと、張り紙のあるお店の実で販売しています。
Tのマークのあるタバコ屋さん兼バール
お土産屋のような新聞屋さん(屋根上部の左側に「TICHET METRO‐ BUS」の表記)
地下鉄の駅に切符の自動販売機がありますが、おつりが出ないことが多いので、ちょうどの金額を用意したほうがいいです。
また、正確にお金を入れても、切符の紙がなくなったからと、切符が出てこないことだってあるのです。残念ながら、こういうトラブルの時は、駅の係員はまず助けてくれません。自動販売機の会社の問題だと言われてしまって、らちが明かないので、10ユウロ以上は絶対に投入しないことをお勧めします。
地下鉄などにある自動販売機
赤い丸の1が指している液晶画面の左側のボタンで、イタリア語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の言語が選べます。液晶画面の右側1番上が1回券のボタンなので、これを押すと、枚数を選べる画面へ進みます。
赤い丸の2が指しているのが、お金の投入口。上が小銭、下がお札ですが、お札は皺があったりすると、なかなか挿入できません。うまく操作が終了すると、赤い丸の3から、おつりと切符が出てきます。
簡単なようで、なかなか操作が難しい自動販売機は、よく観光客が長い列を作っています。
テルミニ駅、スペイン階段などの地下鉄の主要駅には、駅の係員が販売してくれるチケット売り場もあるので、自動販売機より、窓口で買うほうが安心です。
まとめ
長いこと待っているのに来ない、渋滞が多いなど、問題もいろいろありますが、ローマの公共交通機関は、日本に比べてかなり格安なので、お得にローマの街を自由自在に動き回れます。
ローマっ子になった気分で、ぜひ、公共交通機関も活用してみてくださいね。
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