どう選べばいい?マレーシアの生命・医療保険(その2)

マレーシア

前回の記事“どう選べばいい?マレーシアの生命・医療保険(その1)”では、

マレーシアで加入できる保険会社の種類、商品のホームページの分かりやすさ、セールスの方について、実体験を元にお伝えしました。今回は、より具体的な生命・医療保険のプラン、保険の裏話など、より細かい情報をお送りします!

生命・健康保険の「シンプルな」プランは?

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投資型商品が多く、ちょっと分かりくいのが、マレーシアの保険。投資型生命保険は特に、長期滞在が確実でない人にとっては“うまみ”がないのが実情です。そこで、生命保険は掛け捨てで、医療保険は保障内容が分かりやすく、生命保険と抱き合わせでなくても加入できる独立した商品では、どんなものがあるのでしょうか?数社リサーチした結果、『AIA』と『プルデンシャル生命』で、最もシンプルで分かりやすい生命・医療保険プランを見つけました!

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『AIA』……健康保険は『AIA MED-Regular (https://www.aia.com.my/en/our-products/medical-protection/a-life-med-regular.html)』。生命保険は掛け捨ての『AIA A-Life Protect Term(https://www.aia.com.my/en/our-products/life-protection/a-lifeprotectterm.html)が投資なし、保障内容も複雑でない分かりやすい商品。

 

医療保険の中では、生命保険の特定の商品と抱き合わせでないと購入できない商品があります。その点『AIA MED-Regular』は、単独で加入でき、例えば入院1泊250リンギット(約6,459円)のプランだと、保障額合計150,000リンギット(約388万円)、加入者の年齢が41歳だとすると、1年のプレミアムが1,733リンギット(約44,775円)。手術代など一般的な内容は大体付いてきて、がんや透析の通院保障が、合計375,000リンギット(約969万円)など。ただ、気をつけたいのが、カバーエリア。外国人の場合“マレーシア国内のみ対象となり、国外での治療請求はAIA承認による”となっています。この点、見積もりには記載がないので注意。そのため、全世界を対象地域とするために、同社の安価な海外旅行保険に、追加で加入する裏技があります。後で紹介する全世界カバーのエキスパート向け商品『A Expat Care』よりも、遥かに安価となります。勿論補償内容に違いはありますが、「最低限の補償内容でいいので、海外もカバーしたい。」という方には良いアイデアかも!

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『AIA A-Life Protect Term』は、掛け捨ての生命保険。例えば加入者が47歳だと、年間のプレミアムが1,584リンギット(約40,909円)で、死亡保障と重度障害保障つき。死亡保障が200,000リンギット(約517万円)、事故保障が追加で100,000リンギット(約258万円)、暴動などによる保障が同じく追加で100,000リンギット。プルデンシャル生命とAXAでは、親が生命保険に加入すると、子どもの加入も必須となりますが、AIAの場合、子どもは加入しなくてもOK。見積書の分かりやすさとプレミアムの安さは、AIAがナンバーワンでした。

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『プルデンシャル生命』……マレーシアの滞在が10年以下の場合、掛け捨ての『PruTerm (https://www.prudential.com.my/corp/prudential_en_my/solutions/protection/pruterm.html)』を親に、子どもには『PruMychild(https://www.prudential.com.my/corp/prudential_en_my/solutions/protection/PRUmychild)』という生命・医療保険合体型商品を勧められました。死亡保障が例えば大人200,000リンギット(約517万円)、医療保障が補償額100,000リンギット((約258万円)、入院1泊300リンギット(約7,760円)、がんなどの通院代制限なし。プルデンシャル生命の良さは、医療保険のカバーエリアが“全世界”であること。もちろん、マレーシア国外利用分の請求は“マレーシアで同等の治療をした場合の、リーズナブルな金額”に調整されますが、外国人でもこの点が適用除外でないため、魅力的な商品だと思いました。年間プレミアム(生命・医療保険合計)が、例えば47歳だと、約2,197リンギット(約56,928円)となり、AIA、AXAよりやや割高。また、親が生命保険に加入する場合、子どもの生命保険加入が必須となります。

 

通院保険(Out-Patient)付き医療保険は存在するのか?

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子どものワクチン代や風邪など、軽い通院で請求できる医療保険を探している方は、少なくないのでは? 実際に、どの会社の医療保険も、ガン、透析の通院保険は付いていますが、例えば風邪や子どもの熱、予防接種などで小児科にかかりたい時にも適用できる、通院保障付き保険商品がある会社は、なかなかありません。いくら政府系医療機関の治療費が安くても、プライベートホスピタルやクリニックに行きたいこともありますよね。(参考:小児科の場合、小児科医は“スペシャリスト”扱いとなり、プライベートホスピタルでの治療費は1回100リンギット以上、政府系病院は60リンギット……Malaysia Ministry of Healthより)

かなりリサーチした結果、そんな商品がわずかながら存在することが分かりました。具体的には、下記8社※に問い合わせをしたところ、風邪でかかる“GP(ホームドクター)”や小児科も保障内容に含まれている商品が3社のみ、ありました。要は、エキスパート向けの国際的カバーエリアがある医療保険のみでした。

※Manulife、Great Eastern、Tokio Marine、 Prudential、AIA、 AXA、 MSIG、Zurich

MSIG……ヘルスケアーインターナショナルインシュアランス、ゴールドプレミアプラン(https://www.msig.com.my/personal-insurance/products/healthcare-international-insurance/)

AIA ……A Expat Care(エー・エクスパート・ケア、ホームページ掲載なし)

AXA……International Health Plan (インターナショナル・ヘルス・プラン

https://www.axa.com.my/international-health-insurance )

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MSIGの場合は、プレミアムが最も安い魅力があるものの、通院保障につきGP以外だと“GPの紹介状”が必要との制約があります。また加入には、健康診断も必要となります。

 

AIAの場合はプレミアムがMSIGの2.5倍ほど高くなるものの、国際的な保険会社(Aetnaなど)より1/3近く安いプレミアムで、全世界や地域ごとに選べる保険、通院保証つき(しかもGPの紹介状不要)。対象地域は、いくつか種類が選べます。全世界(除くUSA、カナダ、スイス、ヨーロッパ、日本、香港、シンガポール)対象商品だと、総合保証額950,000リンギット(約2370万円)で35歳の人の年間プレミアムが、5,338リンギット(約133,971円)。ただ、AIAの自社商品でないため注意。加入後のフォローなど、自社商品よりプッシュが効かない可能性があります。なお、この商品は、AIAのホームページには掲載されていません。興味がある方は、直接同社に問い合わせてみてくださいね。

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AXAの場合は、プレミアムがAIAより高くなります。Plan3という商品で、総合保証額が3,000,000リンギット(7,500万円)、全世界対象だと年間プレミアムが、35歳の人で17,945.80リンギット(約44万9千円)。アジア地域対象だと、35歳の人で年間プレミアムが8,972.90リンギット(約22万5千円)。

内容的にはAIAもAXAも”As charged(請求通り)”もしくは”Included(含まれる)”と、総合保証額さえ超えなければ、請求額通りにクレームできる保証内容が多いため、外来医療保証付き国際プランが欲しい方は、AIAで十分な印象を持ちました。

 

裏事情と注意すべきことは?

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マレーシア人以外の場合、保証内容で外国人ゆえの“適用除外”があることがあります。それがパンフレットや、見積書に書いていないことがあるので、注意!例えば、先に挙げたカバーエリアがその代表例です。

また、“こちらのドクターは、周囲の人々に聞くと、薬を沢山出したがることが多いし、日本なら通院で済む病気でも、入院させたがることがある”と聞きました。通院保証付きの保険がほとんどないため「入院したら保険が使えるから、入院できるならした方がいいよ。」とアドバイスする保険セールスの方も!その結果、プレミアム全体が上がり、保険会社とドクターにとって嬉しい結果に……。

これもあるセールスの方に聞いた話ですが、マレーシアでは、病気になったら家庭でまずHome remedy(民間療法)”をするとのこと。だから、保険に加入する人も少なく、軽い通院保障の需要もないのだとか。プルデンシャル生命でも、以前は通院保障つきの商品があったものの、やはり需要がなく、廃止になったとのこと!

 

いかがでしたか?2回に分けてお送りした、マレーシアの保険事情。上記は全て、2016年7月時点の情報です。仕事なのに、保険セールスの方からのフレンドリーな絵文字付きメッセージを受け取るなど、筆者は戸惑いながらも、楽しく保険選びをしました。外国人の適用除外など、こちらから聞かないと得られない情報があるため、検討の際はセールスの方と沢山コミュニケーションを取るといいですよ。特に、メールだと証拠が残るのでオススメです。これから保険加入を検討している方は、ぜひ今回の2記事を、参考にしてくださいね!

 

参考:

・AIA Bhd: https://www.aia.com.my/en/index.html

・Prudential Assurance Malaysia Bhd: https://www.prudential.com.my/corp/prudential_en_my/

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