アムステルダム中央駅の北側には、大きな運河が広がっています。向こう岸への連絡船が数分おきに無料で出航していて、誰でも乗船することができます。5分もしないで向こう岸のIJ地区に到着し、EYEフィルムミュージアムなどの観光スポットを楽しむのも良いのですが、今回はよりディープな音楽と飲食が楽しめるカフェ「Nooderlicht cafe」をご紹介したいと思います。
アムステルダム北エリアのカフェレストラン
アムステルダム中央駅から「Ndsm」方面行きの906番の連絡船に乗ると、14分後で停留所「Ndsm」に到着します。この路線は運行数が少ないので、本数が多いIJ方面の連絡船などに乗って向こう岸に着いてから、さらにバスに乗るという方法もあります。どちらにしても少し行き方が分かりにくいので、事前に時刻表も合わせて調べておきましょう。
連絡船の停留所「Ndsm」で船を降りてから5分ほど歩くと、イルミネーションで飾られたこちらのカフェの門が見えてきます。
カフェのある地域には、アムステルダムの旧市街のような歴史的な建物は少なく、そのかわりに巨大な企業ビルや倉庫などの建物が並んでいます。また、この地域の建物の壁には、ストリートアートが堂々と施されていることが少なくありません。同じアムステルダムといえど、かなり雰囲気が違うので、初めて訪れた人は驚くかもしれません。
カルチャースポットとしても有名
さて、Nooderlicht caféは、開放感のある屋外のスペースが人気のカフェレストランです。雨天時や寒い時などにはビニールハウスの中に作られた屋内のカフェバーに人が集まるようですが、夜風が気持ちいい夕べなどには、屋外のテーブルの周りに腰かけたり、ステージの周りを囲んだりして、お酒を飲んだりしている人々の姿が見られます。
筆者が訪れた際には、屋外のスペースの一角に設けられた野外ステージで、ライブコンサートが開かれていました。マグマ・フェスティバルという名のもとに、さまざまなジャンルの音楽を演奏するミュージシャンが多数集められ、それぞれのステージで観客を魅了しました。
このステージの魅力は、屋外で舞台と客席との距離がとても近いこと、そしてキャンプファイアーのような「たき火」が用意されていることです。ステージの前にたき火があり、その周りを半円形上に観客が取り囲むスタイルでした。寒い日には、この「火」の演出が暖かさを生み出してくれます。
Nooderlicht caféの正式名称は、「Nooderlicht – cultural café restaurant」といいます。その名の通り、いろいろな文化系イベントの会場として毎週のように利用されています。
実は、このカフェレストランがある地域は昔の船着場で、現在はアート・クリエイティブ関連のスタジオなどが多数並ぶ「ア-ト・シティ(Kunststad)」という界隈に生まれ変わり、アムステルダムのカルチャースポットのひとつとしてアートファンの間ではよく知られている場所なんです。
カジュアルに飲めるカフェレストラン
日が落ちて暗くなってくると、カフェのイルミネーションがより一層、きれいに暗闇に映えます。
客層は30~40歳代前後が多いようで、どの人もカジュアルな服装で、リラックスして友人たちとのドリンクを楽しんでいる様子でした。かしこまった雰囲気が全くないので、気軽に一杯飲みに来るのにぴったりだと思いました。友達と一緒に来て、わいわい楽しむのにもちょうどいい雰囲気です。
カフェバーのこだわりメニュー
さて、カフェバーのメニューを見てみましょう。屋外のカフェバーでは、セルフサービス方式で、注文と同時に支払いをするシステムでした。バー兼レジカウンターの脇に、フードを提供してくれるカウンターが用意されています。
オーガニックや地元産にこだわったメニューが多いので、ドリンクやフードの値段は、全体的に高めでした。たとえば、コーヒーには100パーセントオーガニックの豆が使われていたり、ソフトドリンクのジンジャーエールやレモネード、グレープフルーツやルバーブのジュースなどはすべてオーガニックの銘柄だったり。その他にも、オランダでは定番の生のミントを入れたミント・ティーや、レモン・ミント・生姜スライスを入れたTiger teaという珍しいものもありました。
アルコールのドリンクメニューは、アムステルダム北部で作られているというJeneverのオーガニック・ジンや、各種ウイスキー、リキュール、赤・白ともに多数の銘柄から選べるワインなどが揃っていました。赤・白ワインはボトルで22ユーロ程度、スパークリングワインやロゼワインは18ユーロ程度だったので、お手頃な価格でみんなで飲むのによさそうだと思いました。
今回、筆者はオランダでは定番のビールを選んでみました。バーの脇にあった黒板に、「ゲストの生ビール Hertog Janのホワイトビール」とあったので、そちらを注文。
屋外のテーブルで、キャンプファイアーとイルミネーションの灯りに囲まれ、運河を眺めながら飲むビールは格別です。ステージの周りから聞こえてくるにぎやかな音楽と歓声も味わいの一つになっているように感じました。
ベジタリアンにも親切なフードメニュー
フードメニューには、オランダではおつまみとして定番のフライドポテトやビタバーレン、ミニ春巻、そしてタペナードなどのソースを添えたパンはもちろん、しっかり食事をしたい人には嬉しいハンバーガーなどの主食メニューも揃っています。
また、このカフェには、ベジタリアンやヴィーガン向けのメニューも充実しているところが珍しいなと思いました。また、中華風の蒸しパンのサンドイッチメニューもあって興味を惹かれます。鶏肉のパイやフライドポテトなどを盛り合わせた子ども向けのキッズメニューもありました。食事のラストオーダーは夜の22:00と、比較的遅めの時間なのも嬉しいところです。
創造的な空気を感じるカフェ
海沿いで音楽を聴きながら楽しく過ごしたい夕べや、オランダのクリエイティブな企業の集まっている地域やストリートアートを鑑賞して、ここにしかない前衛的な雰囲気を味わいたいときなどにちょうどよく、カジュアルに楽しめるのがこのカフェレストラン「Nooderlicht café」の魅力です。
公式ウェブサイト上には、どのようなイベントが今後予定されているかが常時更新されているので、気になるライブなどをチェックして、ぜひ足を延ばしてみてください。
インフォメーション
名称:Nooderlicht café
住所:NDSM Plein 102, 1033 WB Amsterdam
営業時間:11:00~0:00(キッチンのラストオーダー時間は22:00、週末の閉店時間は3:00)
公式ウェブサイト:http://noorderlichtcafe.nl
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