アムステルダムから20キロメートルほど北上すると、「フォーレンダム(Volendam)」という歴史のある古い港町に到着します。アムステルダムの都会的な雰囲気とは打って変わって、小ぢんまりとした商店街や、客船や漁船が行き来するどこかなつかしい港町、フォーレンダム。お天気がいい日に、1日か半日かけて小旅行をするのにぴったりの場所です。
伝統ある港町フォーレンダム
フォーレンダムは小さな港町ですが、オランダ国内では一番名の知れている漁村です。アムステルダム中央駅からは、駅の2階部分にあるバスターミナルから316番の「Volendam-Edam via Marinapark」行きバスに乗れば約30分で、停留所「Julianaweg/Centrum」に到着します。そこからは徒歩で街の中心に着きます。
一見すると、町は海に面しているように見えますが、実は海ではなく、マルケル湖(Markermeer)という淡水の湖です。いかにも港町らしい景色なのに、潮のにおいがしないので、ちょっと不思議です。
フォーレンダムの町は、オランダの典型的な漁港の町並みをおよそ6世紀にわたって守り続けています。1932年に大堤防が築かれて以来、ウナギ以外の漁は行われなくなったそうですが、現在も客船などが行き来する雰囲気のあるオランダらしい港町として、多くの観光客を惹き付けています。
湖岸沿いのレストラン街を傍目に歩いていくと、昔ながらの漁民のおじいさんの姿を象ったブロンズの像が出迎えくれました。恰幅が良い人の好さそうなおじいさんです。この他にも、街中のあちこちに伝統衣装を身にまとったブロンズ像を見つけることができます。街角にひょっこりと現れる昔の市民のブロンズ像は、古き良き時代にフォーレンダムの町を歩いていた人々に思いをはせるきっかけになる、ちょっとした楽しい仕掛けです。
見所その1:港町の景色
フォーレンダムが面する湖は、湖といってもとても広く、まるで海のような景観が楽しめます。岸辺沿いの町からは、晴れていれば開放的な美しい景色が楽しめます。水面に張り出した岸沿いを歩いていき、ベンチに腰かけて日光浴をしました。天気が良ければ、水平線の向こうの街を望むことができます。ヨットが風を受けて水上をなめらかに滑っていくのを眺めていると、気持ちの良い風が吹いてきました。時間の流れまでがゆっくりと感じられ、とてもリラックスした時間が過ごせます。ここは地元の人たちの散歩コースにもなっていて、時間をかけて犬を散歩させるオランダ人のおじいさんと挨拶を交わしました。
時間があれば、観光客船でちょっとしたクルーズを楽しんでみるとよさそうです。レストランが並ぶ湖岸から発船するこちらのフェリーは、往復で11.5ユーロとのこと。30分から45分おきに運航しているそうです。水上の風を感じながら、オランダの街を湖上から眺める体験ができます。
見所その2:民族衣装
フォーレンダムは、オランダの伝統的な民族衣装で有名です。そのため、湖岸沿いには、観光で訪れた人など、誰でも好きな民族衣装を気軽にレンタルして、プロに記念撮影してもらえる写真館がいくつも並んでいました。衣装だけではなく、オランダの特徴的なとんがり帽子やアコーディオンなどの小物も身に着けて、家族や友達と一緒にプロに写真をとってもらえるので、とても良い記念に残りそうです。あるお店では、1人なら15ユーロ、2人なら20ユーロと、人数が増えるほどお得なシステムでした。大人数だと撮影も盛り上がって楽しめそうです。このような機会がないと、オランダの伝統衣装を着ることはないかもしれませんね。時間があればぜひ挑戦してみてください!
見所その3:湖が望めるカフェやレストラン
湖岸沿いには、シーフードレストランやカフェ、パブなどの飲食店がずらりと並んでいます。オランダではよく見かけるVishandelという魚を扱うスタンドもありましたが、せっかくなのでお店に入って、キベリングというオランダ名物の鱈のフライを注文しました。現在この町で漁は行われていないそうですが、港の雰囲気が残る場所で食べると、同じキベリングでもいつもより美味しく感じます。
街中にあるワッフルやパンケーキのお店も、おやつにおすすめです。甘党の方には、ベルギーワッフルにアイスクリームやチョコレート、ナッツクリーム、生クリームやいちごなどのフルーツをのせたものをぜひ試していただきたいです。ベルギーワッフルとオランダのストロープワッフルの看板が出ているお店まで建っていて、とてもかわいらしいです。ワッフル屋さんの店頭では、オランダ人のおじいさんがいろいろな種類のワッフルをその場で焼いてくれました。熱々の出来たてワッフルの味は格別です。
お土産探しにも手頃
街のサイズが小さく、観光客向けのエリアがまとまっているので、フォーレンダムはお土産探しにも手頃な町です。オランダならではの美味しいチーズを探している方にもぴったりです。というのも、フォーレンダムの隣には、エダム(Edam)という日本でもチーズで有名な町があるのです。そのため、フォーレンダムの町中にもチーズの専門店がいくつも見つけられます。商店街はコンパクトで、いくつもお店を回ってお土産を買うのに効率が良いです。
その他の見どころには、フォーレンダム・ムージアム(http://www.volendamsmuseum.nl/)という19世紀以降の街の歴史がわかる博物館があります。オランダの伝統衣装に興味がある方には、見ていて楽しい衣装コレクションがあるようなので、おすすめです。
港町でのんびりと過ごす一日にぴったりのフォーレンダム。機会があれば、お天気のいい日にぜひ足を運んでみてくださいね。
インフォメーション
名称:フォーレンダム(Volendam)
公式ウェブサイト:http://www.vvv-volendam.nl/nl/activiteiten/agenda/
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