トラピストビールの紹介 その1

ベルギー

トラピストビール(Trappistenbier)をご存知でしょうか?名前は聞いたことがある、なんとなくなら知っている、という人が多いのではないかと思います。ベルギービールの中でも、歴史があり奥が深いのがトラピストビールです。中世に修道院で醸造されたビールが、ベルギービールのはじまりだと言われています。ベルギービールを語る上で外せないトラピストビールについて、2回に分けてお伝えします。

 

・トラピストビールって?

 

トラピストビールとは、トラピスト会修道院で醸造されるビールの総称です。「労働と祈り」という聖ベネディクトの戒律を遵守しながら、修道士・修道女は暮らしており、自分たちの生活や貧しい人たちを救うための費用を捻出するために、ビールやチーズ、ワインなどを作ってきました。トラピスト会修道院で作られている製品のみが「トラピスト」の名称を使うことができます。2016年現在、世界広しと言えどもトラピストビールを名乗ることができるのは12カ所のみです。

・見分け方

トラピストを名乗る製品の品質を守るために作られた“Authentic Trappist Product”というロゴがあるので、その有無で見分けることができます。このロゴはITA(International Trappist Association/国際トラピスト協会)によって管理されており、使用には厳正な基準があります。裏を返せば、このロゴがある製品はITAお墨付きということです。

その基準とは、

・修道院の敷地内で製品が作られており、さらに修道士が製造に関わっていること

・その経営が修道士によって管理されており、戒律に沿っていること

・営利団体ではないこと。利益は修道院の運営もしくは、外部の慈善事業に使われること

トラピストビールを名乗ることができるのは12カ所ですが、そのうち11カ所がこの基準を満たしており、ロゴを使用することができます。

 

・世界のトラピストビール

 

2017年2月時点でITAのホームページ上ではトラピストビールは12カ所、そのうちロゴを使用できるのは11カ所となっております。

内訳は、

ベルギー 6カ所

オランダ 2カ所

オーストリア 1カ所

フランス 1カ所(ロゴ使用は不可)

イタリア 1カ所

アメリカ 1カ所

以上です。

 

・ベルギー、ワロン地方のトラピストビール

 

Rochefort(ロシェフォール)

Abbaye Notre-Dame de Saint-Remy (聖レミ修道院)

住所:Abbaye Notre-Dame de Saint-Remy 5580 Rochefort

ブリュッセルから110キロ程南に行ったロシェフォールという小さな町にある修道院で醸造されています。16世紀より修道士の手で醸造しており、主な収入源となっています。2010年の12月末に大規模火災が発生し、修道院は大きな被害に見舞われましたが、幸いにも修道士は避難し無事でした。また修道院内にある醸造所も被害を免れました。

銘柄:

Rochefort 6はアルコール度数7.5%で、強い麦芽の味と苦みがあります。ロシェフォールで一番古くから作られているビールです。

Rochefort 8は一番新しく、1955年から醸造されています。もともとは大晦日のお祝い用のビールでしたが、あまりにも美味であったため1960年から定期的に醸造されるようになり今日に至ります。この経緯より、”Speciale”と言う名前でも呼ばれています。アルコール度数は9.2%。

Rochefort 10は”Merveille”(フランス語で素晴らしいという意味)と呼ばれアルコール度数は11.3%もあります。リッチな味わいのダークビールです。

Chimay(シメイ)

L’Abbaye de Scourmont(スクーモン修道院)

住所:Rue de Poteaupre 5, 6464 Bourlers

Home - Welcome on the Chimay beers and cheeses website - Chimay
Home: Welcome to the Chimay Trappist beers and cheeses website. Discover our news and products

シメイを醸造している修道院は古く、ブリュッセルから120キロほど南下したフランス国境近くにあります。醸造所は一般公開されていませんが、修道院の近くにある博物館では150年の伝統を誇るシメイビールやチーズの歴史を知ることができます。シメイは比較的流通しており、スーパーなどでも見かけます。スーパーではまとまった本数を買うとグラスを無料でくれるなどのキャンペーンを行っていたりするので、気になる人は要チェックです。

銘柄:

Chimay Rougeは1862年から醸造されている一番歴史のあるビールです。赤銅色でアプリコットのような香りがあり、とてもキメが細かいです。アルコール度数は7%です。

Chimay Tripleはシメイの中で一番新しいビールでアルコール度数は8%です。黄金色をしており、マスカットやレーズンを彷彿とさせる香りがします。

Chimay Bleueはスパイスのようなパワフルな味のダークビールです。アルコール度数は9%で、昔はクリスマスビールとして醸造されていました。瓶内でも発酵は進むため、置いておくことで味がより複雑になります。

Chimay Goldはオレンジの香りがし、軽い泡が特徴です。アルコール度数は4.8%と低めです。元々は修道院内での消費を目的として醸造されていましたが、現在では修道院外にも流通するようになりました。

Orval(オルヴァル)

Abbaye d’Orval(オルヴァル修道院)

住所:Orval 1, 6823 Villers-devant-Orval

Orval | Abbey
Let all guests that come be received like Christ, for he will say, " I was a stranger and you took me in." | The Trappist Cistercian monks of Orval are please...

オルヴァル修道院はベルギーの南の端、フランス国境からすぐの所にあります。修道院を再建築するための費用をまかなうために、1931年よりビールの醸造を開始しました。醸造所は年に2日のみ一般に公開しています。チケットは予約日に売り切れてしまうほどの人気です。

銘柄:

Orvalはアルコール度数6.2%でホップと酵母の香りと味わいが強いビールです。通常、修道院では複数のアルコール度数のビールを醸造することが多いのですが、オルヴァルは1種類のみで、瓶詰めされています。ユニークな形の瓶も特徴です。修道院ではチーズも製造しており、ビールとのペアリングは最高です。

 

・まとめ

トラピストビールが生まれた経緯や歴史を少しでも分かっていただけたでしょうか。トラピストビールとひとくくりにされますが、幅広い種類のビールを醸造しています。今回紹介しきれなかったトラピストビールはその2で紹介します。

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