トラピストビールの紹介 その2

ベルギー

トラピストビールの紹介第2段です。

前回はトラピストビールとは何か、そしてワロン地方にあるビールをお伝えしたので、今回は残るフランデレン地方、そしてその他のトラピストビールを紹介します。

最後まで読めば、あなたもトラピストビール通になれるかも?!

ベルギー、フランデレン地方のトラピストビール

Westmalle(ウェストマール)

Abdij der Trappisten van Westmalle(ウェストマール・トラピスト修道院)

住所:Antwerpsesteenweg 496 2390 Westmalle

Home - Trappist Westmalle

ウェストマールはアントワープから北東に25キロほど離れた所にある修道院です。醸造所は修道院の中にあり、見学をすることはできませんが、修道院の真向かいにあるカフェで味わうことができます。シメイ同様、比較的手に入りやすいです。

銘柄:

Westmalle Dubbelは濃い赤茶色をしたアルコール度数7%のビールです。リッチな味わいの中にフルーティさ、そして最後に少し苦みを感じます。

Westmalle Tripel、アルコール度数9.5%の透明な黄金色のビールです。ソフトでクリーミーな口当たりが特徴です。1956年から同じレシピで醸造しています。

以上、2銘柄は330mlと750mlに瓶詰めされて流通しています。瓶内で2次発酵を行っているため、330mlと750mlの瓶では味が少し違うそうです。750mlのほうがフルーツのアロマがまろやかになるんだとか。一度飲み比べをしてみたいものです。

Westmalle Extraは年に2回のみ醸造しており、修道院内の特別な行事の際に提供されます。

 

Westvleteren(ウェストフレテレン)

Sint-Sixtusabdij Westvleteren(聖シクストゥス修道院)

住所:Donkerstraat 12 8640 Westvleteren

http://sintsixtus.be

ベルギーの北西、フランスに近い場所にある修道院です。修道院、醸造所ともに公開していませんが、博物館があり、修道院のことや修道士の生活、醸造所について知ることができます。ここでは3種類のビールを醸造していますが、流通していないため「幻のビール」と呼ばれています。修道院では販売しているものの、電話予約が必須ですぐに売り切れてしまいます。そんな幻のビールですが、修道院に併設しているカフェで飲むことができます。

銘柄:

*ウェストフレンテレンは流通していないからかラベルがなく、キャップの色で見分けます。

Westvleteren blond 6はアルコール度数5.8%の黄金のビールです。飲んだ後に苦みが残ります。キャップの色は緑。

Westvleteren 8は青色キャップのアルコール度数8%のビールです。赤茶というよりは黒に近い色で、麦芽の甘みを感じます。

Westvleteren 12はアルコール度数10.2%で黄色のキャップをしており、今までに何度か”Best Beer in the World”を受賞しています。リッチでキャラメルのような味わいが特徴です。

 

Achel(アヘル)

St.-Benedictusabdij(聖ベネディクト修道院)

住所:De Kluis 1 3930 Hamont-Achel

Achelse Kluis

ブリュッセルから100km以上北東に行ったオランダとの国境にある修道院です。驚くことに、この修道院はベルギー・オランダの国境の上にあります。そのためベルギーとオランダの両方の住所があります。ここでは1914年を最後にビールの醸造が行われていませんでしたが、1998年に再度醸造を開始しました。醸造所は見学することはできませんが、カフェやショップがあります。

銘柄:

Achel 5、アルコール度数5%でブラウンとブロンドがあり。瓶詰めしていないので、修道院内のカフェでのみ飲むことができます。

Achel 8、アルコール度数8%でブラウンとブロンドがあり。瓶詰め(330ml)されているので、こちらは流通しています。

Achel 9.5は2002年に新たに醸造を始めた銘柄です。アルコール度数9.5%と高めで、こちらもブラウンとブロンドの2種類あり。750ml瓶のみ。

ブラウン(Bruin)は色は赤褐色、砂糖を使用していないため自然なマイルドな甘みを楽しめます。2つのグラスが写っている写真の左側(男性の絵のグラス)です。

ブロンド(Blond)はクリアな黄金色のエール、とても香り豊かです。アヘルの瓶とともに写っているものがブロンドです。

 

ベルギー以外のトラピストビール

ベルギー以外にある修道院で醸造されているビールを簡単に紹介します。

La Trappe

オランダにあるKoningshoeven Abbey(コニングスホーヴェン修道院)内で醸造されているビールです。1884年から醸造しており長い歴史があります。

Zundert

La Trappeとは対照的な、2013年に醸造を開始したばかりの新しいオランダのトラピストビールです。

Tre Fontane

イタリアのローマにあるAbbazia delle Tre Fontaneという修道院で醸造されているビールです。2015年に一番新しいトラピストビールとして加わりました。

Stift Engelszell

2012年に仲間入りをしたオーストリア唯一のトラピストビールです。

Spencer

アメリカのマサチューセッツ州にあるSt.Joseph’s Abbeyで醸造されているビールです。ヨーロッパ外での初めてのトラピストビールです。

Mont des Cats

フランスのL’Abbaye du Mont des Catsのビールですが、ベルギーにあるシメイを作っている修道院にて代理醸造されています。そのため、”Authentic Trappist Product”のロゴはありませんが、トラピストビールとしては認められています。

まとめ

中世の頃から醸造されている修道院のビールには、長い歴史があります。利益に左右されないため良質な材料を使用でき、伝統的な製法を守り続けています。

近年醸造する修道院の数が増えたとはいえ、その半数がベルギーにあります。それゆえ、ベルギーを代表するビールと言っても過言ではありません。

ベルギーにお越しの際は是非お試しください!

個別に修道院や醸造所を訪れる機会があれば、またレポートするので、その際はお付き合いくださいませ。

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