欧州の冬は暗くて寒いため、旅行に向かないというイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。確かに日本に比べると日照時間が短くどんより曇り空ばかりですが、冬だからこそお得に楽しむこともできるのです。そんな冬のベルギーの楽しみ方を紹介したいと思います。
・冬時間
ベルギーではサマータイムを適用しています。サマータイムは3月の最終日曜日に始まり、10月の最終日曜日に終わります。サマータイム中は日本との時差は7時間ですが、冬時間になると8時間の時差となります。サマータイムの終了とともに、本格的に冬突入という気分になります。ベルギーと日本の冬で大きく違うところと言えば日照時間だと思います。11月上旬のベルギーの日の出は8時前、日の入りは17時頃です。冬至になると日の出は8時40分頃、日の入りは16時40分と更に日照時間が短くなります。家を出る時にまだ暗いため、出かけるのがおっくうになってしまいます。
・ベルギーの冬
10月から11月は紅葉が美しい季節です。日本に比べると緑が多いベルギーには至る所に公園があり、紅葉を楽しむことができます。紅葉と聞くと秋のイメージですが、寒いときは零度まで冷え込みますので、この時期でも防寒対策は必須です。日本より寒いとはいえ、ブリュッセルやアントワープなどの観光地では積雪は珍しく、日中の気温がマイナスになることはまれです。またベルギーの冬は湿気が多いのも特徴のひとつです。毎日曇り空で、いつの間にか雨が降っているという感じです。
この冬のベルギーを快適に過ごすためのアイテムとは、
折畳み傘、
毛糸の手袋と帽子(観光で外にいる時間が長い場合は重要です)、
厚底の靴、
厚手の靴下、
カイロ(ベルギーでの購入は難しいので、日本から持参することをオススメします)です。
ベルギーは至る所が石畳なので、底が薄い靴を履いているとすぐに疲れてしまいます。そして石畳ゆえ、冬はとても冷えます。足下から冷えが伝わってくるのを防ぐためにも底が厚めの靴を持ってくることをオススメします。厚底の靴がないという人はせめて厚手の靴下を用意ください。足下が冷えると楽しく観光できなくなります!ベルギーの冬でもうひとつ気をつけておきたいのが寒波です。寒波が来ると一気に冷え込み、路面が凍結します。ベルギーでは凍結防止のために道路に塩をまきます。冬になると色んなところで塩の箱を見かけます。自宅の前の道路で人が滑ってけがをした場合、家の持ち主の責任になるためです。自転車道、歩道にも塩をまくため、冷え込んだ翌朝に外にでると、歩く度に「ガリッ」と塩を踏む音がします。靴に塩が付きますので、お気に入りではない靴を履くようにしています。車や自転車に乗る人は必ず洗車をしてくださいね。塩はさびるので注意です!
・イベントで楽しむ
春や夏に比べると航空券が安くなる冬はお得に旅行するチャンスです。(クリスマスや年末年始は例外)ホテルも冬は値下げをしているので、ちょっといいホテルに安く泊まるチャンスもあります。また、夏だとオーナーがバカンスに入ると数週間単位でお店を閉めることがよくありますが、冬はそのような心配は無用です。人気の美術館や観光地も並ぶことがないため、ストレスフリーで楽しむことができるのも冬です。冬のベルギーで一番のオススメと言えばクリスマスマーケットです。11月頃から街はクリスマス一色になります。この時期にベルギーを旅行する人は色んな街のクリスマスマーケットに足を運んでみてください。場所によりマーケットの開催時期は異なりますが、11月末から1月の頭まで楽しめます。12月のクリスマス、1月のセールが終わり2月になると街は落ち着きを取り戻します。そんな2月にベルギーへお越しの人にオススメしたいのがブルージュのビールフェスティバルです。2017年は2月の4、5日に行われます。83の醸造所が参加をし、色んなビールを堪能することができます。これほど多くのベルギービールを一度に楽しめる機会はなかなかないと思いますので、ビール好きの方はぜひどうぞ。
・芸術で楽しむ
ベルギーを含め欧州での冬の楽しみと言えば劇場です。冬はコンサートやオペラ、バレエなどのシーズンです。特にクリスマスや年末年始はプログラムが充実しています。オーケストラのコンサートであれば50ユーロ程度のものが多いです。学生でも気軽に聞きに行けるようにと、10ユーロ代のチケットもあります。値段的に日本に比べると劇場に足を運びやすいのではないでしょうか。今まで敷居が高くて劇場に行けなかった!という方、ベルギーで劇場デビューしてみてはいかがですか。オペラは言葉の問題がありますが、オーケストラやバレエは言葉がわからなくても大丈夫ですので、海外で挑戦してみるのにはもってこいです。チケットはネットで予約できますので、旅行予定が決まったらプログラムをチェックしてみるといいと思います。ベルギーの主な楽団、劇場は以下の通りです。
ベルギー国立管弦楽団
1832年に発足し、1936年に国営となったベルギーを代表するオーケストラです。ブリュッセルフィルハーモニック
1935年に放送局の楽団として発足、ブリュッセルを中心にフランデレン地方や欧州各地でコンサートを行っています。
王立モネ劇場

1700年にブリュッセルで設立された由緒ある劇場です。オペラ、ダンス、コンサートなど幅広い演目があります。現在リノベーション中のため、演目の一部はTOUR&TAXISという場所で行われています。街から少し離れているため、演目の前後にRogier駅とブリュッセル北駅から無料のシャトルバスがでています。詳細はホームページをご確認ください。
フランデレン地方のオペラバレエ

アントワープ、ゲントを中心にオペラ・バレエ公演をしている団体です。
ここでは有名どころを紹介しましたが、これ以外にも各地に劇場があり、頻繁に公演が行われています。
・まとめ
日本より少しばかり寒さの厳しいベルギーの冬ですが、色々とイベントがあり、退屈することはありません。観光客だらけの夏よりひっそりとした冬の方が好きという人もいます。落ち着いて旅行をしてみたい人、日本とは違うクリスマスの雰囲気を楽しみたい人にはオススメです。そんな冬のベルギーを楽しみに来てみませんか。
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