生活をする上で切っても切れないもののひとつが水です。飲む以外にも料理やシャワー、掃除、洗濯など様々な場面で水を使います。日本は一部を除きほとんどの地域が軟水ですが、ベルギーを含むヨーロッパの大部分は硬水です。硬水と聞いてもそれが一体どのようなものなのか、実際にどのような影響があるのか知らない人は多いと思います。ベルギーでは水道水でお茶を入れるとアクのような膜が張ります。電化製品に水道水をそのまま使用すると石灰が溜まり壊れることがあります。ベルギーでの水とのつきあい方を紹介していきたいと思います。
・硬水って?
硬水は硬度が高い水のことです。この硬度を決定するのが水に含まれているマグネシウムとカルシウムの量です。硬水の特徴としては、口当たりがよくない、泡立ちが悪い、電化製品に使用すると石灰分が残ってしまうなどがあります。日本で一時話題になったコントレックスは硬水であり、ダイエット効果があると言われていますが、生活をする上では硬水はデメリットが多いように感じます。ベルギーの水道水は基本的に硬水ですが地域差がありますので、以下のサイトを参考にしてください。
(デフォルトでUK&Irelandとなっているため、Belgiumを選択下さい)
・飲み水と料理に使う水
まず、気になるのが飲み水だと思います。ベルギーの水道水は飲むことはできますが、石灰分が多いのも事実です。日本人でそのまま飲んでいる、料理に使っているという人はまれです。
旅行者であればミネラルウォーターを買うといいでしょう。SPAという銘柄は軟水でクセがなく、非常に口当たりがいいので日本人の口に合います。SPAほどではないものの、硬度が低い水がChaudfontaineです。この2つの水はどこのスーパーでも売っていますので、簡単に入手することができます。硬水は胃腸に負担がかかるため、赤ちゃんに飲ませるには適していません。赤ちゃんに飲用OKな水として病院でも推奨されているものが上の2つの水です。見分け方としては「赤ちゃんマーク」があることです。もしどの水が硬度が低いのか忘れてしまった場合には、このマークが付いた水を探してみるといいでしょう。
ベルギーで生活するとなるとすべての飲料水を購入するのは非常に大変です。そこで多くの人が取り入れているのがBRITAの浄水器です。水道水をBRITAで漉すだけでそのまま飲んでもおいしく、お茶を入れても膜が張ることはありません。硬水は独特の味があるため料理には適していませんが、BRITAで浄水し料理に使用すると満足のいく結果となります。特に出汁をとる時、お米を炊く時には味の違いがでるように思います。BRITAの浄水器はスーパーなどで容易に手に入ります。カートリッジは1つ5ユーロほどで4週間もつため経済的だと言えます。
・シャワー
日本に帰国して洗髪をすると、泡立ちが非常によく洗い上がりの髪が柔らかくてびっくりします。硬水でシャワーを浴びると、泡立ちが悪いためシャンプーを多く使用することになり、また洗い上がりはゴワゴワとしています。肌もカサカサになりやすく不満を抱えている人は多いというのが現状です。どうにか改善したいという人に、イオナックという製品があります。シャワーヘッドなのですが、水を軟水に変えてくれるというものです。海外発送も対応しているため、日本への帰国を待たずして入手できます。(私自身は使ったことはありませんが、ベルギー在住の友人が使用しており、製品とその効用には満足しているとのことです)
また、シャワーの水圧が悪いことが非常に多いです。一因として、シャワーヘッドに石灰分が溜まり、シャワーが出にくくなっていることがあります。この場合は使っているシャワーヘッドを外し、酢水にしばらくつけることで、溜まっていた石灰を除去することが出来ます。あまりにも長期間掃除していないシャワーヘッドであれば石灰分をすべて取り除くことは難しいので、新しいものに替えてみるというのもひとつです。水圧に関しては建物自体や給湯器の問題もあるので一概にこれで直る!とは言えませんが、少しは改善すると思います。シャワーヘッドの洗浄は定期的に行うことをオススメします。
・湯沸かし器
使っているうちに湯沸かし器の底に白いものが沈殿してきます。水の注ぎ口などにも白い斑点のような汚れが目立ち始めます。そんな時にオススメの対処法は、食用のお酢を入れ沸騰させることです。その後、よく洗浄してください。これですっきり汚れはなくなります。お酢を沸騰させると強烈な臭いが発生しますので、換気のいい場所で行ってください。
・食器洗浄機
ベルギーでは非常に多くの家で食器洗浄機を使用しています。共働き家庭が多いため、家事を少なくする意味もあるようです。しかし、硬水でそのまま洗浄してしまうと、配管が石灰で詰まり故障の原因となります。そのため食器洗浄機専用の洗剤以外に、塩、そしてリンスと呼ばれる仕上げ剤を入れます。塩は配管に石灰が付着するのを防いでくれ、リンスはすすぎの際に水を和らげ、洗浄後の食器にくもりや水あかが残らないようにするためのものです。塩は食用のものではなく食器洗浄機専用を売っていますので、それを利用するようにしてください。
・洗濯機
硬水は泡立ちが悪いため、硬度が高いほど多くの洗剤が必要となります。日本と比べると倍以上の洗剤を投入することになり、最初は不安を覚えるかもしれません。洗濯には大量の水を使いますので、ここでも石灰が付着して洗濯機が故障しないように注意しないといけません。今回は塩ではなく、一般的に「カルゴン」と呼ばれる水を軟水化させるものを使用します。タブレット、粉、液体から選べ、代替品も多く売られています。既に水を柔らかくする成分が含まれている洗濯洗剤も売っています。地域により水の硬度が異なるので、いろいろ試してみて合ったものを見つけるといいでしょう。硬水で洗ったものは非常にゴワゴワしますので、柔軟剤もお忘れなく。
・アイロン
アイロンくらい、と水道水を入れてしまうかも知れませんが注意してください。すぐに詰まります。詰まった場合には水を入れる場所に酢を入れ、スチーム機能をONにして付着した石灰を溶かすようにしましょう。ベルギーにはアイロン専用の水なるものがスーパーで売っていますので、それを使うといいでしょう。わざわざアイロン水を買うほどでも・・・という人はBRITAで浄水した水を使うといいと思います。
・まとめ
石灰はアルカリ性です。そのため酢など酸性のもので中和させ除去します。ベルギーには石灰を除去するための専用洗剤も多く売っています。また水あかの付着を防ぐためには、とにかく乾く前に拭くことが大事です。これだけでかなり変わってきます。拭き忘れるとそこだけ白くなってしまいます。
たかが水、されど水。硬水の対処法を知って快適な生活を送りましょう!
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