女性にとって、妊娠、出産といったら、一世一代の大仕事ですよね。でも、それが住み慣れた日本でなく海外で、となったら不安も一層のことかと思います。「ウィーンで妊娠、出産」では、オーストリア、ウィーンで妊娠、出産をすることになるプレママや新米ママに参考になるような情報をご紹介していきたいと思います。
1.妊娠したかな?と思ったら
体調の変化などで、妊娠の可能性に気が付いたら、まずは日本と同様、妊娠検査薬でテストしてみてください。妊娠検査薬は、街中のBipa(ビーパ)やdm(デーエム)と呼ばれるドラッグストアか、Apotheke(アポテケ)と呼ばれる薬局で手に入れることができます。アポテケで購入する場合は、薬剤師の人から対面で購入することになります。
妊娠検査薬はドイツ語でSchwangerschaftstest(シュバンガーシャフツテスト)と言います。値段はメーカーや製品によってまちまちですが、大体3ユーロ~20ユーロ程度で手に入れることができるでしょう。
2.検査で陽性だったら
妊娠検査薬で陽性の反応が出たら、かかりつけの産婦人科で受診の予約を取りましょう。ドイツ語で産婦人科はFrauenarzt(フラウエンアルツト)、またはGynäkologie(ギネコロギー)といいます。
もしも、かかりつけの産婦人科医がいないのであれば、新たに探す必要があります。評判が良い所、女医さんがいい、など色々な希望があるかと思いますが、妊娠中から出産した後まで、何度も通うことになる病院なので、通いやすい場所にある病院を選択することをお勧めします。
どうやって病院を探したらよいかわからない時には、このサイトがお勧めです。
Ärztekammer für Wien
どの地区か、何科の病院か、ということだけに留まらず、お医者さんの性別や、言語(日本語が可能なお医者さんも見つけられます!)、駐車場の有無まで絞って検索できるのでとても便利です。
3.産婦人科で妊娠しているかチェック
無事に産婦人科で予約が取れたら、お医者さんに本当に妊娠しているかチェックしてもらうことになります。
■検診の費用は?
予約した日時に、産婦人科に行きましょう。そのお医者さんが健康保険が適用されるお医者さん(Kassenarzt(カッセンアルツト)と言います)であれば、受付で健康保険証を提示してください。ウィーンにお住いのほとんどの方はWGKK(ヴェーゲーカ―カー)の保険をお持ちだと思います。オーストリアでは、妊娠期間の主要な検診や出産の料金は、健康保険でカバーされるため、健康保険が適用される病院で妊娠の検診、出産するのであれば、基本的にお金はかかりません。もちろん初診料もありません。ただし、保険でカバーされる回数以上の超音波検診などを自主的に希望する場合は、費用が発生するため、お医者さんに確認するようにしましょう。
■診察室の様子は?
日本の産婦人科では、お医者さんと患者の間がカーテンなどで区切られており、プライバシーが守られるような仕組みになっていますが、オーストリアにはそういうものはありません。びっくりしないようにしましょう。でも、とてもあっけらかんとした雰囲気で診療は行われるので、むしろ気が楽なのではないかと思います。
初めての検診では、超音波で妊娠しているかどうかが確認されます。超音波は、ドイツ語でUltraschall(ウルトラシャール)と言います。
ここで、妊娠が確認されたら、お医者さんが出産予定日を計算してくれます。出産予定日はドイツ語でTermin(テルミン)と言います。
最後に月経(ドイツ語でRegel(レーゲル)やPeriod(ぺリオド)などと言われます。)が始まった日を聞かれると思うので、手帳や携帯などに書き留めておくとすぐに答えられて便利です。
■母子手帳を受け取ろう
診察が終わったら、受付窓口でオーストリア版母子手帳を受け取ることになると思います。母子手帳はドイツ語でMutterkindpass(ムッターキントパス)と言われます。
母子手帳は、妊娠中や出産後に必要な情報が載っているだけではなく、「妊娠中に必要な定められたムッターキントパスの検診を確かに受けました」という証明のサインをお医者さんからもらっていくことになる、とても大切な手帳です。このサインが無いと、Kinderbetreungsgeld(キンダーベトロイウンクスゲルト)と呼ばれる補助金が支給されなくなってしまうので、絶対に無くさないようにしましょう。
■お祝い品ももらえる!
また、母子手帳と合わせて、お祝いの品物が詰まったボックスも受け取ることができます。中身は、年度によって異なるのではないかと思うのですが、筆者の場合は哺乳瓶やおしゃぶり、赤ちゃんのソックス、赤ちゃん用品の割引券、妊婦にも安全なお茶の試供品、プレママ用の雑誌などが入っていました。初めて妊娠する人には、今まで縁のなかったものがぎっしり詰まったボックスなので、開けた瞬間ママになったことを強く実感するのではないかと思います。
■働くママに必要な妊娠証明書
妊娠が発覚した時点で、働くママが忘れてはいけないことが一つあります。
それは妊娠証明書を書いてもらうことです。
妊娠証明書はドイツ語でÄrztliche Bestätigung der Schwangerschaft (エルツトリッヒェ ベシュテーティグンク デア シュバンガーシャフト)と言います。長くて言いにくい場合は、ベシュテーティグンク(証明書)と言うだけもでわかってもらえると思います。
これは、雇用者に提出するための証明書で、いつから産前休暇に入るかを雇用者に知らせるために必要なものです。妊娠してから3か月後くらいまでに提出すればよいので、妊娠が安定するまで待ってから雇用者に提出することも可能です。
しかしこの証明書には、提出された時点から出産4か月後まで、または出産後育児休暇を取るのであれば、育児休暇が明けてから4週間後まで、雇用者は法律的に被雇用者を解雇することができなくなるという、妊娠を理由にした解雇を防ぐ効力もあります。自分の雇用状況や契約書の内容に不安を持つ人は、証明書を受け取り次第、すぐに提出してしまえば安心かもしれません。
■次回の検診の予約を取ろう
ここまで終えれば、1回目の診察はおしまいです。ムッターキントパスの検診を全てこなすため、可能であれば次回の検診の予約も窓口でとってしまいましょう。
まとめ
いかがでしたか?異国での妊娠、出産は、文化や言葉の違いも重なって、とてもドキドキすることだと思います。でも、やがて出会えるかわいい赤ちゃんのことを思って、楽しみながら異国のマタニティライフを満喫してくださいね!
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