ウィーン市の地下鉄1号線は、Reumanplatz(ロイマンプラッツ)という駅が南の終点駅でした。しかし2017年の9月2日から路線がのびて、Oberlaa(オーバーラー)という駅まで行くようになりました。今までは市電やバスで訪れる必要があったオーバーラーでしたが地下鉄の駅ができたことで、ぐっと訪れやすい場所になりました。今回はそんなオーバーラーにあるKurpark(クーアパーク)という公園をご紹介したいと思います。
新しい地下鉄の駅、オーバーラー
2017年9月1日までは終点駅だったロイマンプラッツから5駅南に進んだところが、新しくできたオーバーラーの駅です。ウィーン国立歌劇場や楽友協会があるkarlsplatz(カールスプラッツ)という駅から数えて9駅目。街の中心地から直通で、たったの13分で到着することができます。
それでは新しいオーバーラーの駅を降りて、Kurparkと書いている方の出口に向かいましょう。
駅から直通の、モダンなガラス張りの通路を進んで行くと、Therme Wien(テルメ・ウィーン)という温泉施設の目の前に出ることができます。テルメ・ウィーンはウィーンっ子に大人気の温泉保養施設です。
今までは車を持っていない人には訪れるのが厄介だったテルメ・ウィーンも、地下鉄ができたことで訪れやすくなるので、さらに多くの人で賑わうことでしょう。
テルメ・ウィーンの前にある広場には、オーバーラーというカフェがあります。カフェ・オーバーラーは、ウィーン市内や空港内にも支店が出ている、ケーキや軽食が美味しい人気のお店です。
筆者が訪れた時には、ちょうどカフェの裏に特設ステージが設けられており、ブラスバンドやオペラ歌手の演奏が行われていました。
この広場では夏季には、このようなイベントが多く行われているようです。
その特設ステージのすぐ裏が、クーアパーク・オーバラーの入口の一つとなっています。
早速入ってみましょう。
クーアパーク・オーバーラー
公園に足を踏み入れた瞬間、目に入ってくるのは大きく美しい池と、池の真ん中に吹き上がる噴水です。池ではたくさんの鴨たちがのんびりとその羽を休めています。
池の周りには色とりどりの花が咲き乱れ、まるで楽園のような光景です。
こちらがクーアパーク・オーバーラーのKurgarten(クーアガルテン)と呼ばれる一角です。
池のほとり公園の見取り図がありました。見てみると、この公園、ずいぶん大きいことがわかります。それもそのはず、公園は全体で860.000平方メートルの広さなんだとか!
公園のところどころには、ベンチやゆったりと寝そべることができる白い寝椅子が置かれています。利用はもちろん自由です。休日の日に、寝椅子でお昼寝するもよいですし、原っぱの上でピクニックシートを広げてピクニックするのもとても気持ちがよさそうです。
子どもの遊び場
子ども連れで公園を訪れる人にとって、なによりも重要なテーマは「子どもたちが楽しく遊べる場所があるかどうか」ですよね。
クーアパーク・オーバーラーには、とても魅力的な子ども用の遊び場があります。
敷地内には、ブランコ、アスレチックジム、滑り台、砂場など子どもが大好きな遊具が揃っています。赤ちゃんやハンディキャップのある子どもたちも楽しく遊べるような安全な遊具が多くあるのが印象的でした。
また、大きな万華鏡や、電気を使わないで声を遠くまで飛ばす電話のような装置など、普通の公園には置いてないものも置いてありました。好奇心豊かな子どもたちのワクワクする心をくすぐってくれる遊び場だと思います。
砂場には、水汲みポンプが供えられており、水を流して遊べるような仕掛けがついています。この砂場で子どもを遊ばせる時には、タオルや着替えを持参するようにした方が良いでしょう。
大きな子どもたちには、遊び場の隣の広場にある、巨大タワー&滑り台が大人気です。
その他にも園内には、クライミングを練習できる壁や、卓球台、チェス台、ビーチバレーボールコート、スケート練習場などがあるので、あらゆる年齢層の子どもたちが一日中楽しむことができます。
遊び場自体にはあまり日影がないので、夏にこの公園で遊ぶのはかなり暑いです。帽子や日焼け止めなど、日焼け対策をしっかりしていくようにしましょう。しかし、遊び場のすぐわきのベンチには木陰ができますし、屋根のある休憩所も遊び場のすぐ近くにあるので、おやつやお弁当を食べたりするときに利用するようにしましょう。
ミニ動物園
クーアパーク・オーバーラーには、ヤギ、ヒツジ、アルパカ、あひる、にわとりなどがいるミニ動物園があります。ミニと言ってもその広さは10,000平方メートルもあり、その敷地の中に動物たちは放し飼いにされています。
ミニ動物園にはふれあいコーナーがあり、動物を触ったり撫でたりすることも可能です。小さな子どもたちが大喜びすると思うので、是非訪れてみてください。
Japanischer Garten(ヤパーニッシャー・ガルテン)
クーアパーク・オーバーラーの中にはなんと日本庭園があります。その名もなんと、高崎庭園!この庭園は1974年に開催された、ウィーン国際園芸博覧会に出展された日本庭園を長く保存するために、クーアパーク・オーバーラーの中に改修復元されたものだということです。
庭園は小さいですが、日本風の池や、小さな太鼓橋や灯篭、しだれ桜やカエデなどの日本の植物などがある素敵な空間になっています。
売店、レストラン、飲み水
クーアパーク・オーバーラーの敷地の中にはカフェ・レストランや売店が存在しています。しかし、公園がとても広いので、お腹が減ってからレストランを探そうと思っても、レストランに行きつくまでが大変です。
園内にはピクニックをする場所がたくさんあるので、食べ物や飲み物は持参した方が便利だと思います。
園内には、無料の飲み水が出る水道が8か所設けられています。ただし、10月の終わりから4月のはじめの間の冬季期間は使用することができません。
トイレ
園内に4か所あります。ただし10月の終わりから4月の初めの間の冬季期間は使用することができません。
まとめ
今までは街の中心地からのアクセスが難しかったことで、訪れる人も限られていたクーアパーク・オーバーラーですが、地下鉄が通ったことをきっかけに、さらに多くの人に愛される公園になっていくと思います。天気の良い日に、是非出かけてみてくださいね。
Kurpark Oberlaa
住所: Laaer-Berg-Straße, 1100 Wien
電話: +43 1 40008042
開園時間: 11月~1月 6:00~18:00、2月6:00~19:00、3月と10月6:00~20:00、4月と9月6:00~21:00、5月~8月6:00~22:00
アクセス: Reumanplatzから徒歩3分
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