日本人は温泉が大好きな民族ですよね。でも、外国人はどうなのでしょうか?そもそも海外に温泉というものが存在しているのでしょうか?
日本の温泉とは楽しみ方がちょっぴり違いますが、オーストリアには温泉が存在します。そして、オーストリア人はみんな温泉が大好きです。今回は、オーストリアの温泉と、その楽しみ方についてご紹介したいと思います。
Therme Wien(テルメ・ウィーン)
オーストリアでは、温泉のことを「テルメ」と呼びます。しかし、オーストリアでは温泉と言っても、日本のように裸になって温かいお湯につかるのではありません。温泉内では、水着を着用します。見た目も完全にプールのようです。
様々なタイプの“浴槽”
プールのように見える浴槽ですが、その浴槽には様々なタイプのものがあります。
大きな室内浴槽と屋外浴槽をメインに、ジャグジーや薄暗い洞窟風の浴槽、巨大滑り台がついた子供用の浴槽、赤ちゃん用の浅い浴槽などがあります。
浴槽内には、マッサージ用に壁から高圧のジェット噴射があったり、打たせ湯のように上からお湯が降ってくる場所があります。
屋外浴槽には、水中に音楽が流れているものもあります。静かな癒しの音楽をゆったりとお湯に浸かりながら聞くと、リラックス効果も倍増です。
お湯の温度は?
ヨーロッパの温泉の温度は低いことがとても多いです。40度以上の熱いお湯に浸かり慣れている日本人にとってはほとんど水のように感じられることもあるかもしれません。しかし、テルメウィーンのお湯は、ヨーロッパの温泉にしては温かめです。浴槽によって温度は異なりますが、27度から36度となっています。
トレーニングプログラム
テルメウィーンのAktivbecken(アクティーブベッケン)という場所では、月曜日から金曜日の9:30から12:15の間と、13:00から16:45の間に、無料のトレーニングプログラムが用意されています。ここでは水の中でバイクをこいだり、音楽に合わせて素早く動いたりと、水の抵抗を有効に使った筋力トレーニングを行うことができます。
レストラン
テルメウィーンには、豊富なメニューがあるレストランが備え付けられています。雰囲気的には学食のような感じですが、スペースは広いですし、テラスもついていますので、大変気持ちの良い空間です。がっつり食べたい人は、お肉中心のウィーン料理がありますし、ダイエット中の人にはサラダバーもあります。ケーキやアイスなどのデザートも充実しています。フライドポテトやパスタなどの子供用メニューもありますし、なんと赤ちゃん用の離乳食までおいてあるので、家族連れも安心です。
レストランは温泉スペースから直接訪れることができます。レストランを訪れるために、特に着替える必要はなく、バスローブのまま訪れて問題ありません。
サウナ
テルメウィーンには3,000㎡の広さのサウナがあります。日本ではサウナというと、あまりおしゃれでないイメージを受ける方もいるしれないのですが、ヨーロッパでサウナは、リラックスや美容のために通う女性も多い、とても人気の高いスポット。
とは言っても、ヨーロッパの多くのサウナは男女混合の場所が多いため、アジア人の私たちには少し敷居が高い場所なんですよね。
でも、テルメウィーンのサウナは男性用と女性用が分かれているので、私たち日本人も安心して入場することができます。
パートナーと一緒にサウナを楽しみたい人は、男女混合のサウナもありますので、勇気がある方はチャレンジしてみても良いかもしれませんよ。
サウナにはたくさんの種類があります。焼けた石の上に水をかけ、蒸気で温度を上げるフィンランド風サウナは80度~90度の熱さ。温度は40度~50度と低めですが、湿度100%という蒸気サウナも、人気です。サウナの経験があまりない人は、温度が50度~60度のラコニウムというサウナが入りやすいでしょう。
日本人の私たちにしてみると、少し抵抗があるかもしれませんが、サウナ内では衛生上の都合水着の装着が禁止となっています。脱いだ水着は、サウナの入口にあるフックに引っ掛けておきましょう。また、サウナ内では指輪やネックレスなどの貴金属は大変熱くなりますので、それらもサウナの入口に残して利用するようにしましょう。サンダル等も脱ぐのを忘れずに。持って入っていいのは、バスタオルのみです。
テルメウィーンのサウナスペースは、温泉のスペースと区切られており、別料金になっています。チップが内蔵されたアームバンドをゲートに読み込ませると、温泉スペースからサウナスペースへの入場が可能になります。
子ども&ベビー
テルメウィーンでは、Ruhebereich(ルーエベライヒ)と書かれている場所は、静かに過ごしたい人のための空間なので、大人のためだけの空間となっていますが、そういった場所はあまり多くなく、基本的には子どもも赤ちゃんも、ほとんどのスペースを利用することが可能です。
おむつが取れていない赤ちゃんは、水遊びパンツ(ドイツ語ではSchwimmwindel(シュビムビンデル)と言います)を履かせて、温泉を利用してください。授乳室は1階(日本でいう2階)にあり、このスペースにはおむつ台や、離乳食を温める電子レンジなどがあいてあります。また、簡易バギーの貸し出しもあります。
テルメウィーンの利用方法
入口を入ったところは大きなホールになっており、そこに受付があります。ここで、まずKästchen(ケストヒェン)かKabine(カビーネ)を選びます。ケストヒェンは、細長いロッカーのようなもの。
カビーネは洋服屋さんの試着室ほどの広さの鍵付き着替えスペースです。
6時間以上滞在の1日券の値段はケストヒェンが25,90ユーロで、カビーネが27,90ユーロ。これは更衣室こみの温泉の値段です。
更衣室は、男女で分かれていません。日本人の私たちにとってはちょっとびっくりですよね。では、是が非でもカビーネにした方がよいかといえば、実は更衣室には無料で使用できる、鍵付きの着替えスペースがいくつかありますので、筆者の意見としては、ケストヒェンで十分なのではないかと思います。
受付で、チップが内蔵されたアームバンドを受け取ったら、更衣室へ行って水着に着替えます。温泉と言っても、オーストリアでは水着でお湯の中に入ります。お湯に入る前に、シャワーを浴びるのを忘れずに。
サウナなどの別料金スペースに移動したり、レストランで食事をする場合は、アームバンドのチップでその金額を記録させることができるので、温泉内では財布を持ち歩く必要がありません。
料金は、温泉を出る時にレジでまとめて支払います。
Therme Wien
住所: Kurbadstraße 14,1100 Wien
電話番号: +43 1 68009
営業時間:月曜日~土曜日9:00から22:00、日曜日8:00から22:00(12月24日のみ休み)
アクセス: Kurzentrum Oberlaaより徒歩30秒
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