ウィーンを流れるドナウ川は、夏は浴場として、冬はアイススケートを楽しむ人が溢れる、市民の生活に結びついた美しい川。ドナウ川添いには、整備された小道やサイクリングロードがあり、天気の良い日はとても気持ちのよい散歩コースになります。このドナウ川の近くにあるレストランは雰囲気も満点。ウィーンの中心地からは少しだけ外れますが、訪れてみる価値は大いにアリです。
1.La Creparie(ラ・クレパリー)
ドナウ川に直接面しているロマンチックなレストラン、ラ・クレパリーは、ウィーンにはあまり多くないフランス料理屋さんの一つ。
地下鉄6号線のFloridsdorf(フローリズドルフ)またはNeue Donau(ノイエ・ドナウ)という駅のちょうど中間辺りにあります。どちらからも徒歩8分程度。フローリズドルフから来るのであれば、レストランの隣に位置するWasserpark(ヴァッサーパーク)という公園を通り抜けてくるのもお勧め。手入れの行き届いた、小さな湖のある美しい公園です。
ノイエ・ドナウから来るのであれば、地下鉄の高架沿いに一本道なのでとても分かりやすいです。途中で、ドナウ川の上にかかる橋を渡ります。こちらの道もとても綺麗なのでお勧めです。
ラ・クレパリーの魅力は、何といってもその立地でしょう。
夏にはテラス席が絶対お勧め。ドナウ川を眺めながらゆっくりお食事をすれば、最高の気分になるでしょう。
頼んだお料理が来るまで、レストランの敷地内をちょっとお散歩してみてもいいかもしれません。
敷地は結構広く、たくさんの緑の芝生がまぶしい綺麗なお庭があります。お庭には、貸し切りが可能な大中小3つのハウスがあり、これらは結婚式やパーティーなどでよく使われているそうです。
ウィーンでは結婚をする場合、役所または教会で結婚式を行うことが普通なのです。しかしウィーン市内にはそれ以外にも、役所の人に出張してもらって結婚式をできる場所がいくつか存在しているのです。ラ・クレパリーも、そんな場所の一つ。
夏にはよく、純白のウェディングドレスに身を包んだ花嫁が、ボートでレストランにやってくる姿を目にすることができます。
ラ・クレパリーの庭には、ボートが停泊している場所があります。このボートはレストランの人に言えば、有料でレンタルが可能。食事の後に、ボートでドナウ川に漕ぎだすというのも素敵ですよね。
また、レストランにはGourmet-Kreuzfahrt(グルメクロイツファート)やMondscheinpicknick(モントシャインピクニック)というイベントがあり、夕暮れから夜にかけて船上で食事を食べられるというプランもあるんです。こちらは要予約です。ウィーンの人たちにとっては、日本の屋形船のような感じなのでしょうか?会社や家族のパーティーなどによく利用されているようです。
ラ・クレパリーでは、豊富な種類のクレープ、キッシュ、ブイヤベースなどのフランス料理が楽しめます。ステーキや魚料理、ワイン、デザートの種類も多いです。また、メニューにはアレルギー源が記号で示されているので、アレルギーがある人も安心してお料理を選ぶことができます。
料金は、一般的なレストランと比べたらちょっとだけ高めかもしれません。でも、最高の眺めを楽しみながら食事をしたいのであれば、一押しのレストランです。
La Crepalie
住所: An der Oberen Alten Donau 6, 1210 Wien
電話: +43 1 2716095
営業時間:毎日10:00~0:00
アクセス: FloridsdorfまたはNeue Donauから徒歩8分
2.Zur Alten Kaisermühle(ツーム カイザーミューレ)
地下鉄1号線、Alte Donau(アルテドナウ)の駅近くにある、ツーム カイザーミューレは、大きなお庭のあるとても可愛らしいレストラン。お天気が良ければ、ドナウ川沿いをちょっとお散歩してからレストランへ行くというのもいいですね。
1800年代後半、この辺りはたくさんの船が停泊する場所でした。ツーム カイザーミューレは1893年に、漁師たちの食事処としてオープンしたそうです。
お庭は手入れが行き届いていて、とても気持ちのいい空間です。夜には庭のたいまつに、本当の炎が灯って、雰囲気抜群になります。夏にはテーブルが出て、たくさんのお客さんでにぎわいます。
お店に入ってみましょう。
早速可愛らしいデコレーションが目に飛び込んできます。季節ごとに変わる、お店やガーデンのデコレーションは、このお店を訪れる楽しみの一つと言えるでしょう。
店内は広く、テーブルもたくさんあるのですが、パーティーなどで貸し切りにされてしまっていることが少なくありません。無駄足にならないためにも、訪れる前には念のため予約を入れておいた方が良いと思います。
筆者がこのお店を訪れたのは11月でした。
オーストリアの州の一つ、ブルゲンランドでは11月11日にMartinigansl(マルティーニガンズル)という、七面鳥料理を食べる習慣があります。これはブルゲンランドの聖人マーティンをお祝いするためです。
ブルゲンランド以外の州では、特にこの日をお祝いするというわけではないのですが、何となくブルゲンランドの風習にのって、10月の後半から11月ごろにかけて、マルティーニガンズルを食べる家庭が結構あります。
ウィーン内のいくつかのレストランも、この時期には特別に七面鳥料理を出します。
ツーア カイザーミューレも、美味しいマルティーニガンズルを提供してくれるレストランの一つ。筆者が訪れた日は、ほとんどのお客さんがマルティーニガンズルを注文していました。
そのお料理がこちら。
Kartoffelknödel(カトーフェルクヌーデル)と呼ばれるじゃがいものお団子とキャベツのサラダが付け合わせにでてくることが一般的です。
マルティーニガンズルだけでなく、季節ごとのシェフのスペシャル料理があるので、リピートしてしまいたくなること間違いなしです。
このお店を訪れる時に注意した方がよいことは、夏季と冬季でオープンしている曜日が異なる事。3月15日から、9月の中旬または9月いっぱいが夏季、9月中旬または10月からクリスマスの前までが冬季です。冬季はオープンしている日が少なくなるので、注意しましょう。また、このお店ではバンコマートというオーストリアのデビットカードのようなものや、クレジットカードが使用できません。食事に行くときは、十分な現金を持って行くようにするとよいでしょう。
Zur Kaisermühle
住所: Fischerstand 21a, 1220 Wien
電話番号: +43 1 2633529
営業時間: 夏季 火曜日~土曜日 11:30~23:00 日曜日11:30~22:00
冬季 木曜日~土曜日 11:30~23:00 日曜日11:30~22:00
1月と2月クローズ
アクセス: Alte Donauから徒歩5分
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